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- まぶたがカサカサする原因は?対処法&受診の目安も
ふと鏡を見たときに気になる、まぶたのカサカサ。加齢やメイクによる刺激、スキンケア方法、外的刺激など、まぶたが乾燥する原因はさまざまです。病気によって起こっている場合は、セルフケアでは治らないことも。対処法から受診の目安まで詳しく解説します!
まぶたがカサカサする原因とは?
まぶたは皮膚が非常に薄くデリケート。水分を保持しにくく乾燥しやすいのが特徴です。
乾燥するとカサカサするだけでなく、かゆみや赤みが起こることも多いため、メイクがしにくかったり手触りや見た目が変わってしまったりなど、お悩みに発展することも。
まぶたがカサカサする原因は、人によってさまざま。まずはそれぞれについて詳しく解説します。
加齢による水分・油分の減少
一般的に、年齢を重ねると肌の新陳代謝が低下して、肌が水分を保持する機能や皮脂を分泌する機能が低下します。
20代後半から30代頃までは、分泌される皮脂の量に変化はほとんどありませんが、40代になると皮脂の分泌量が急激に減少し、それによって皮膚の水分が蒸発して肌の乾燥につながります。
特に女性は、45〜55歳頃になると更年期に伴って女性ホルモン「エストロゲン」が急激に低下します。
エストロゲンは、肌のハリや弾力を保つコラーゲンを増生したり、皮脂の分泌を促進したりする役割を担うホルモンです。そのため、エストロゲンの分泌量が減少すると、肌が水分を保持しにくくなり、乾燥しやすい状態になるため注意しましょう。
メイクによる刺激
まぶたは皮膚が薄く刺激にとても敏感です。
アイシャドウを塗るときやアイラインを引くときに強く擦り付けてしまうと、皮脂膜や角質層がダメージを受けてまぶたの乾燥が促進され、カサカサしてしまう可能性があります。
また、アイシャドウやアイライナー、マスカラ、アイプチやアイテープなどのメイク用品に含まれる成分によっては、肌に合わずまぶたがカサカサしたり腫れやかぶれが起こったりなど、肌荒れを起こすことも。
金属アレルギーがある場合は、アイシャドウやビューラーの金属部分で肌がかぶれてしまっている可能性があります。
アイラインがスッと引けない、線がガタついてしまうという場合は、まぶたの乾燥が進んでいる可能性があるため要注意です。
スキンケア方法が合っていない
肌に合わないスキンケアアイテムを使っていたり、クレンジングや洗顔の際にゴシゴシ擦ったりなど、間違ったスキンケアを続けていると、まぶたが乾燥することがあります。
まぶたは他の部分よりも乾燥しやすいにも関わらず、保湿が足りていないことも多い部分です。肌の保湿が足りていないと、肌のバリア機能が低下してアレルギー反応や炎症が起こりやすくなります。
特に脂性肌や肌のベタつきが苦手な人は、化粧水の後に乳液やクリームを使わないこともあるのではないでしょうか。
乳液やクリームをぬらないと、せっかく化粧水で保湿をしても肌に維持できず蒸発してしまい、乾燥によるダメージを受けてしまいます。
紫外線や花粉などによる外的刺激
まぶたの皮膚は非常に薄いため、外的刺激の影響を受けやすい部分です。目を擦るだけでも、肌のバリア機能が低下して皮脂膜や角質層に負担がかかってしまいます。
花粉症の人は、つい目がかゆくて擦ってしまいがちですが、それによってまぶたの乾燥を招いている可能性があります。
また、外出時の紫外線にも要注意です。肌は紫外線を浴びると老化が促進し、保持されていた水分が蒸発しやすくなり、目のまわりが乾燥してカサカサしてしまいます。
季節の変化による気温や湿度の低下
季節の変化による気温や湿度の低下も、まぶたの乾燥を招く原因の一つです。
気温と湿度が低い秋や冬は、肌の皮脂量を低下させてバリア機能を低下させてしまうため、カサつきやかゆみが生じる原因となります。
うるおいを保って健やかな肌を維持するためには、適度な温度と湿度が必要です。
具体的には、夏は室温25〜28度/湿度55〜65%、冬は室温18〜22度/湿度45〜60%が理想だといわれています。それ以下になると、肌が乾燥してゴワついたり、シミやたるみを招いたりすることもあります。
眼精疲労
スマホやパソコンを長時間見続けていると、まばたきが減って目が乾燥してしまい、眼精疲労の原因になります。
まばたきは、目の表面に涙を行き渡らせて乾燥を防ぐ役割を担っていますが、まばたきの回数が減ると目の表面の涙が減って目の乾燥を招いてしまいます。
また、コンタクトの着用も、涙がレンズに吸収されてしまうことで目の乾燥を招き、眼精疲労の原因になることも。
このように、慢性的な目の乾燥は眼精疲労の原因となります。それが積み重なって目の周辺に血行不良が起こると、肌のターンオーバーが乱れてまぶたや目の周辺まで乾燥することがあります。
まぶたの乾燥によって引き起こされる可能性のある病気
まぶたのカサカサは、日常生活の中に原因があることが多いですが、そのまま放置してしまうと思わぬ病気につながる可能性もあるため、早めに対処する必要があります。
ここでは、まぶたの乾燥によって引き起こされる可能性のある主な病気を3つご紹介します。
眼瞼皮膚炎
「眼瞼炎(がんけんえん)」とは、まぶたやまつ毛の生え際、目尻などに炎症が起こった状態の総称です。その中でも、特にまぶたの皮膚の表面に強い症状が現れている状態を「眼瞼皮膚炎」といいます。
眼瞼皮膚炎になると、以下のような症状が現れます。
- かゆみ
- 湿疹
- 赤み
- むくみ
- カサつき
- ただれ など
眼瞼皮膚炎のはっきりとした原因がわからないものも多いですが、原因がわかるものの一部は菌やウイルス、カビなどによる「感染性」のものと、化粧品や薬品、動物や植物、化学物質などのアレルギーによる「非感染性」のものに分けられます。
皮膚のカサつきも、眼瞼皮膚炎の症状の一つです。しかし、もともと乾燥や皮脂量の低下によって肌のバリア機能が低下していると、起こりやすくなります。
なお、眼瞼皮膚炎はかゆみを伴うのが特徴です。かいてしまうと症状が悪化してしまうため、早めに適切な治療を受ける必要があります。
接触皮膚炎
「接触皮膚炎」とは、肌にいわゆる「かぶれ」が起こっている状態のことです。
乾燥によってまぶたの皮膚のバリア機能が低下すると、化粧品や目薬、塗り薬、涙、植物など、身の回りにある身近なものによってかぶれが起こる可能性があります。
接触性皮膚炎には、肌にものが触れた刺激によって起こるものと、アレルギーによって起こるものの2種類があります。
刺激性のものは肌に触れた部分の一部が炎症を起こし、原因が取り除かれれば治りますが、アレルギー性のものは肌に触れた部分すべてと、炎症が強ければその周囲に炎症が起こり、重症化することもあるため注意が必要です。
まぶたなどの目の周辺の乾燥が目立つ場合、何らかの原因で軽度の炎症(日中には赤みが認められず、浴後などにのみ赤みが見られるようなケース)が起こっていたり、洗顔料で顔を洗い過ぎることによって肌のバリア機能が低下したり、常在菌まで落とし過ぎてしまったりしているために治りにくくなっている可能性もあります。
皮脂量の分泌が低下する40代以降は、顔の洗い過ぎによる乾燥にも注意しましょう。
皮脂欠乏性湿疹
保湿不足や空気の乾燥、皮脂の減少などによって肌が乾燥すると、カサカサしてかゆみが生じ、白い粉が吹いたような状態になることがあります。
そのまま放置し、さらにかゆみにまかせて掻き続けてしまうと、赤みや炎症を伴う湿疹ができてしまうことも。この状態を「皮脂欠乏性湿疹」と呼びます。
皮脂欠乏性湿疹は、まぶたなどの目の周辺のみではなく、一般的には四肢など皮脂の分泌が少ないところに発症する可能性のある病気で、洗い過ぎで皮脂が少なくなったり、年齢とともに皮脂が少なくなってくる比較的高齢者によく出てくる病気です。
主な原因は乾燥で、乾燥によって肌の表面から水分が蒸発します。すると、肌のバリア機能が低下して洗顔料やアレルギー物質などが皮膚の内部まで侵入してしまい、それらが刺激となってかゆみを伴う炎症を引き起こしてしまうのです。
元来は冬に多く発症する病気でしたが、夏でもエアコンによる乾燥で起こるようになってきました。
接触皮膚炎と同様、加齢に伴って皮脂の分泌量が低下する40代以降は特に注意が必要です。
まぶたがカサカサするときの対処法
まぶたのカサつきをケアするには、原因をしっかりと把握してそれぞれに合わせて対処する必要があります。
ここでは、まぶたがカサカサするときの対処法を4つご紹介します。
まぶたに負担がかかるメイクを控える
アイメイクはまぶたに負担がかかることが多いため、外出しない日はメイクをしない、買い物へ行く程度であればファンデーションとアイシャドウのみのシンプルなメイクにするなど、まぶたのメイクを控えることも大切です。
アイシャドウをぬる前に、保湿成分入りのアイベースでまぶたを保護することで、アイシャドウによる負担を軽減するのもよいでしょう。
金属アレルギーの場合は、金属アレルギー対応のアイシャドウを使ったり、プラスチック製のビューラーを使ったりすると、軽減される可能性があります。
また、メイクを落とす際も摩擦を起こさないよう擦らず優しく丁寧に行いましょう。
メイクオフによるまぶたの負担を減らすために、お湯で落ちるタイプのマスカラやアイライナーなどを使うのもおすすめです。
スキンケアアイテムでたっぷり保湿する
まぶたのカサカサをケアするには、スキンケアアイテムでたっぷりと保湿するのも有効です。
ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分が含まれた化粧水や乳液、クリームなどを使い、まぶただけでなく顔全体をしっかりと保湿するよう意識してください。
まぶたなどの目の周辺には、目元専用のアイケアコスメを使うのもおすすめです。アイケアコスメは、皮膚が薄く潤いを蓄えにくい目元に対して効果的な処方となっているため、乾燥が気になるときは積極的に取り入れましょう。
ホットタオルで目元を温める
眼精疲労によって目元の血流が悪くなり、まぶたがカサカサしている場合は、ホットタオルで目元を温めることが大切です。
ホットタオルは、水で濡らして固く絞ったタオルをラップで包み、500〜600wの電子レンジで30〜60秒ほど温めるだけで簡単に作れます。
温めたタオルは粗熱を取り、適度な温度になったら目元に乗せ、タオルが冷たくなる前に外しましょう。
目元が温まると、血流が促進して疲労物質が排出されるだけでなく、眼輪筋もほぐれて涙液の分泌も促進されます。
セルフケアで改善しない場合は医療機関を受診
保湿を十分に行い、かぶれの原因になりそうなスキンケアアイテムをやめても症状が改善しない場合や、乾燥以外に赤みや腫れなどの症状がある場合、むしろ症状がひどくなるような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
受診するのは眼科もしくは皮膚科ですが、まぶたのカサカサ以外に目やにや充血などの症状がある場合は、眼科に相談することをおすすめします。
まぶたの乾燥をケアして潤いのある目元に
まぶたの乾燥は加齢やメイク、間違ったスキンケア、外的刺激などによって起こることがほとんどです。
まぶたに負担のかかるメイクを控え、たっぷりと保湿したりホットタオルで目元を温めたりすることで対処できる場合もありますが、症状がひどくなった場合などは医療機関で適切な治療を受ける必要があります。
まぶたは顔の他の部位よりも皮膚が薄くデリケートです。日頃からまぶたの乾燥を徹底的にケアし、乾燥が改善しないと思ったら早めに受診するなどして、潤いのある若々しい目元をキープしましょう。
監修者プロフィール:高橋 謙さん
1999年大阪医科大学(現大阪医科薬科大学)卒業、東京女子医科大学循環器内科へ入局。その後、実家クリニック(元髙橋内科皮膚科クリニック、現在は閉院)の継承、京大病院総合診療科、関西電力病院総合内科、髙橋内科皮膚科クリニック、大阪市立総合医療センター皮膚科を経て、2015年12月にたかはし皮膚科クリニックを開業。これまでの豊富な経験を生かし、現在は1日当たり80~130人の患者さんの診療にあたる。
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