2021年人生相談スペシャル・4

人生相談:夫と死別…大切な人の死を乗り越える方法は

人生相談:夫と死別…大切な人の死を乗り越える方法は

公開日:2021年01月25日

人生相談:夫と死別、乗り越える方法は?
大切な人の死を乗り越える方法は?

特集「2021年人生相談スペシャル」は、読者の相談に3人の先輩(作家・曽野綾子さん、宗教評論家・ひろさちやさん、評論家・樋口恵子さん)が回答する、全8回の連載企画です。第4回は「大切な人の死を乗り越える方法」について、アドバイスします。

50代女性のお悩み「夫と死別……立ち直れません」

「長く連れ添っていた夫が急死し、心の保ち方がわかりません。一緒にいるのが当たり前だったので、心に穴があいたようです」(57歳・千葉県)

曽野綾子さん「運命の舵が回り、凪と出合うこともある」

50代女性の人生相談(夫との死別):曽野綾子さんの回答

お若いですし大変だったでしょう。一番ご自身のなさりたいことをして、心配なことを一つずつ取り除いていらしてください。

人間は誰もが突然の不幸に見舞われることがあり得るもの。私は悪いことばかり起こると考えて生きてきました。

私の夫は3年前に亡くなりましたが、 当たり前のことで家族が死なないなんてことはあり得ない。ただ、その後思いがけず猫を飼うことになり日々慰められています。

運命の舵が回り船が思わぬ方へ進み、そこに凪(なぎ)、解決策が見つかる場合があるのです。
 

ひろさちやさん「仏様しかわからないと諦めるほかない」

50代女性の人生相談(夫との死別):ひろさちやさんの回答

亭主が先に死ぬか、女房が先に死ぬか。人間はどちらかが先に死ぬんですよね。それをどうしたらいいかというと、諦めるほかないんです。

諦めるとは、ギブアップ、降参するという意味ではなく、「物事の本質を明らかにする」ということ。

散った花が元に戻らないように、人間はいずれ、どちらかが先に死ぬ。見方を変えれば、夫が倒れて要介護になって風呂でも何でも手伝わなければいけない状態になるよりも、よかったかもしれない。仏様にしかわからないことです。

樋口恵子さん「夫がいない状態に耐え、自分の人生を」

50代女性の人生相談(夫との死別):樋口恵子さんの回答

私が30歳のとき最初の夫が突然、風邪だと思ったら重病で3日で亡くなりました。2番目の夫は脳梗塞で約3年寝たきりに。覚悟ができた上で70歳で亡くなりました。

同じ愛する家族との別れでも突如としていなくなるのか、覚悟を決める時間があるかで大きく違う。十分お悲しみになって、グリーフケアの専門医に頼るのも手です。

まだ57歳、ある意味で今後の人生のチャンスを与えられたと思って、夫がいない状態に耐え、自分の人生をつくっていってください。

私は最初の夫の後を追って死にたいと思ったのですが、その後50年生きてきてよかったと思います。

★特集「人生相談スペシャル」は全8回(2021年1月22日~29日・毎日更新)の連載企画です。第5回は「親の介護」について回答します。

■回答者のプロフィール

曽野綾子さん

回答者のプロフィール  曽野綾子さん

その・あやこ 作家。1931(昭和6)年、東京都生まれ。54年、聖心女子大学英文科卒業。93年、恩賜賞、日本芸術院賞を受賞、日本芸術院会員に。95年、日本放送協会放送文化賞受賞。2003年、文化功労者。12年、菊池寛賞受賞。95年から05年まで日本財団会長を務める。『孤独の特権』(ポプラ社刊)など著書多数。

ひろさちやさん

回答者のプロフィール  ひろさちやさん

宗教評論家。1936(昭和11)年、大阪府生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。気象大学校教授、大正大学客員教授を経て、執筆活動、講演活動を続ける。難解な宗教思想をやさしく平易な言葉で解く。『生き方、ちょっと変えてみよう』(佼成出版社刊)など著書多数。

樋口恵子さん

回答者のプロフィール 樋口恵子さん

ひぐち・けいこ 評論家。1932(昭和7)年、東京都生まれ。56年、東京大学文学部美術史学科卒業。評論家。東京家政大学名誉教授。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。現在も講演、執筆活動を精力的に行っている。『老~い、どん! あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』(婦人之友社刊)など著書多数。

取材・文=野田有香(ハルメク編集部) 撮影=中西裕人、門間新弥

※この記事は雑誌「ハルメク」2020年5月号に掲載した記事を再編集しています。

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