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瀬戸内寂聴の人生相談4「亡夫のお墓が決まらない」
瀬戸内寂聴の人生相談4「亡夫のお墓が決まらない」
公開日:2020年07月01日
相談4:夫が亡くなって1年半なのに、納骨できません……
夫が亡くなって1年半がたちましたが、いまだに納骨できないでいます。夫の実家のお墓は、新幹線と車を乗り継いで6時間以上もかかる場所にあり、とても通えません。
家から通えるお墓も探してみましたが、値段が驚くほど高く、手が出ません。価格が手頃な郊外の小さなお墓では、夫に申し訳ないような気がします。あれこれ悩んだまま、答えが出ません。(75歳・東京都)
瀬戸内寂聴さんのアンサーは?
お釈迦様はお墓にはこだわっていません。小さいお墓がいいのでは
私は、大きなお墓はいらないと思っています。実は、お釈迦様は「誰も、お墓なんか作らなくていい」「自分のお墓もいらない」という簡素な考え方の持ち主でした。お墓が作られたのは、 お釈迦様が亡くなった後、分けられた骨を祈念するためです。仏教は、本当はお墓を必要としていないのです。
お寺が経営を続けるためには、お墓があると助かります。だからお墓が増えたのです。近頃は、小さいものでも土地付きで、300万円も400万円もします。でも、お墓にそんな大金をかける必要はないと思います。
私はもう30年前になりますが、近隣に自分用の小さなお墓を45万円で作りました。たぶん、日本一安い値段だったんじゃないかしら。檀家さんにも用意したら、喜ばれましたよ。安いから。
これは私の実感ですが、町がつぶれるような大きな災害があって、そこへお見舞いに行きますね。すると大きなお墓ほど、どかんと倒れている。小さなお墓ほど残っているんです。
お葬式も仏壇も、年々小さくなっています。私の生家は神仏具商ですが仏壇が年々売れなくなって、つぶれそうなくらい(笑)。結局、亡骸(なきがら)はみな自然に還りますから、仏事に大金をはたく必要はないと思います。
瀬戸内寂聴
せとうち・じゃくちょう 1922(大正11)年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年に平泉中尊寺で得度、法名寂聴となる(旧名晴美)。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞受賞。98年『源氏物語』現代語訳を完訳。『釈迦』『死に支度』『わかれ』など著書多数。
取材・文=清水麻子、五十嵐香奈(ともにハルメク編集部) 撮影=大島拓也
※この記事は雑誌「ハルメク」2017年12月号に掲載した記事を再編集しています。
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