「内向型」の人の生きづらさを解放するヒント・1

2人に1人?あなたの「内向型度」をセルフチェック

公開日:2024.10.10

「『内向型』は、“直すべき欠点”ではありません」と語るのは内向型カウンセラーの井上ゆかりさん。本記事では著書『世界一やさしい内向型の教科書』から一部抜粋し、内向型を直さず活かして、自然体のまま、なりたい自分を叶えるステップをご紹介します。

まずはあなたの「内向型度」を診断

次の24項目のうち、自分に“よく当てはまるもの”がいくつあるか数えてみてください。

  • 予定が詰まっていると気が滅入る
  • 電話で話すのが苦手
  • 会話の途中なのに、考え込んで自分の世界に入るときがある
  • 誰にも会わない日が数日続いても苦にならない
  • どんなに楽しくても、人と会った後はしばらく一人になりたくなる
  • 喜怒哀楽があまり表に出ない
  • 一人で黙々と作業を進めるのが好き
  • 飲み会や知らない人との交流会が苦手
  • 初めての場所や新しい環境はいつも緊張する
  • 人が近くにいたり雑音があったりする場所では、作業に集中できない
  • 予定外の頼まれ事が入ると、ものすごく焦ってしまう
  • 本やWEBコラムなどを読んで知らないことを学ぶのが好き
  • 雑談より互いの内面など深い話をする方が楽しい
  • 決められたことをコツコツ続けられるタイプだ
  • 自分の言動を後悔して落ち込むことが多い
  • 頭の中で文章を組み立ててから話し出すことが多い
  • 口数が少なく聞き役になることが多い
  • 文章や歌、絵、写真などで表現するのが好き
  • 大人数より1対1で話す方が好き
  • あらゆる可能性を考えて慎重に判断するタイプだ
  • 質問に即答するのは苦手で、できればゆっくり考えてから話したい
  • 話すより文章にする方が気持ちを伝えやすい
  • 外出や旅行の後はすごく疲れやすい
  • 同時に複数のことを進める状況に強いストレスを感じる

チェックをつけた項目の数

20~24個:内向型
13~19個:まあまあ内向型
10~12個:両向型(内向型度と外向型度が同じくらい)
5~9個:まあまあ外向型
0~4個:外向型

当てはまった項目の数が多いほど、内向型度が強いといえます。診断結果はあくまで指標の一つ。「当てはまる数が少ないほどいい」というものでもないので、参考として受け取っていただけたら幸いです。

社交的なあの人も?内向型は意外と多い! 

2人に1人?あなたの「内向型度」をセルフチェック
shige hattori / PIXTA(ピクスタ)

人とのやりとりで「どうして私だけ、うまくできないんだろう」と悩んだ経験がある人は多いのではないでしょうか。普段生活していると、内向型の特性に困っているのは自分だけで、周りの人が外向型ばかりに見えるかもしれません。

実は、内向型の割合は2人に1人ともいわれています。諸説あり、3~4人に1人だという人もいますが、意外と多いですよね。

内向型・外向型という言葉はスイスの精神医学者カール・グスタフ・ユング(1875‐1961年)が性格分類を目的につくったもので、当初は科学的根拠がなかったそうです。ですがその後、研究が進むにつれて、内向型と外向型では脳や遺伝子のつくりに違いがあることがわかってきました。

内向型と外向型の違いは思考回路などの内面にあるので、見た目や第一印象で、相手が内向型か外向型かを判断するのは難しいです。

決して陽キャが外向型、陰キャが内向型というわけではないので要注意。社交的で交友関係が広い人が、実は「隠れ内向型」というケースもあります。思っている以上に、あなたの周りにはたくさんの内向型仲間がいるかもしれません。

内向型は「静かな人」とは限らない

2人に1人?あなたの「内向型度」をセルフチェック
mits / PIXTA(ピクスタ)

みなさんは、「内向型」と聞くとどんな人をイメージしますか? 

私がこれまでに主催したセミナーや講座、SNSで内向型の方々に同じ質問をすると「口数が少ない」「コミュニケーションが苦手」「一人が好き」などの答えが返ってきます。また「内向型」の意味を調べると、「内気な人」「他人との接触を好まない人」などと書かれています。

日本でもベストセラーになったスーザン・ケイン著『内向型人間の時代社会を変える静かな人の力』(講談社刊)や、ジル・チャン著『「静かな人」の戦略書騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(ダイヤモンド社刊)では、「静かな人」と表現されており、「内向型=静かな人」いうイメージが強いかもしれません。

内気な人、コミュニケーションが苦手な人、静かな人……。口数が少なく控えめな「静かな人」が内向型なのでしょうか? 

口数が少ない内向型もいるとは思いますが、一方で、話すことが好きな人も、普段は人見知りでも仲のいい友人となら話がつきない人もいます。初対面の人と話したり、大勢の前で話したりするのが苦手なだけで、社交的で明るい内向型もいます。つまり、内向型は「静かな人」とは限りません。

では、内向型とは結局どんな人なのでしょうか? 

内向型をひと言でいうなら、「静かな時間を求める人」だと私は考えています。

次回は内向型と、最近よく話題になる繊細さん(HSP)との違いについて解説していきます。

もっと読みたい■

内向型を知る1「2人に1人?あなたの「内向型度」をセルフチェック」
内向型を知る2「内向型さんと同じ?繊細さん(HSP)の特徴」
内向型を知る3「人疲れしやすい内向型が「静かな時間を求める」理由」
内向型を知る4「内向型が避けたい5つの落とし穴とその対策」

著者:井上 ゆかりさん(内向型カウンセラー)

内向型カウンセラー井上ゆかりさん

いのうえ・ゆかり 内向型カウンセラー。自身が20年間コンプレックスを感じていた内向性を受け入れられるようになった経験と独自の分析力をもとに、2018年からSNSなどで「内向型を直さず活かす生き方」を発信。これまでに内向型コミュニティの主宰や講演、カウンセリングセッションなどを行う。

監修:本橋へいすけさん

もとはし・へいすけ ライフコーチ。Mindset Coaching School 卒業。個人、法人、延べ3000 人以上を対象に認知科学をベースにした講座やコーチングを行う。本書では、脳と心のしくみの解説部分において監修を担当する。

※本記事は『世界一やさしい内向型の教科書 「静かな人」の悩みがちな気質を直さず活かす3ステップ(世界文化社刊)』より一部抜粋して構成しています。


内向型の悩みを解消したい人は井上さんの著書をチェック

世界一やさしい内向型の教科書 「静かな人」の悩みがちな気質を直さず活かす3ステップ

「『内向型は“直すべき欠点”である』というイメージを払拭したい」。そんな思いから、誕生した一冊。井上さん自身の経験と内向型カウンセラーとしての実績に基づいた、悩みがちな気質を活かす「独自のメソッド」を紹介しています。


『世界一やさしい内向型の教科書 「静かな人」の悩みがちな気質を直さず活かす3ステップ(世界文化社刊)』

ハルメク365編集部

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