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- 人疲れしやすい内向型が「静かな時間を求める」理由
内向型は外向型の人と比べて、騒音などの“刺激”を感じやすいと言われています。第3回では、内向型カウンセラー井上ゆかりさんの著書『世界一やさしい内向型の教科書』から一部抜粋し、「心を元気に保つ「静かな時間」について紹介していきます。
内向型が「静かな時間」を必要とするのはなぜ?
内向型と外向型の違いについて、オックスフォード大学やハーバード大学で教鞭を執った研究者のブライアン・R・リトルが、自著で興味深い説明をしています。
「生理学的には、外向型と内向型の違いは、脳の新皮質の特定領域における覚醒レベルの違いだと考えられています。つまり、外向型の人は普段の覚醒レベルが低く、内向型の人は高い状態にあります」(『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』大和書房刊)
「覚醒レベル」とは、「覚醒水準」とも呼ばれる心理学用語。パフォーマンスにかかわる緊張状態のレベルのことをいいます。
「覚醒レベルが高い」とき、心拍数は上がり、興奮・緊張状態になります。しかし低すぎると、集中力に欠けて本来の力を発揮できなくなってしまいます。いいパフォーマンスを発揮するには、ほどよい緊張感のある、適度な覚醒レベルが理想です。
私たち内向型は、その「覚醒レベルが高い状態」が標準なのだそう。そのため、少しの刺激でも心拍数が上昇し、不快に感じやすいのです。人が多く集まる商業施設や満員電車、爆音が鳴り響くイベント会場などで、心身ともに疲れて余裕がなくなってしまうのも、刺激を受け過ぎてしまうためです。
だから内向型は、受けた刺激を「静かな時間」で和らげ、心の余白を確保する必要があります。
内向型は「静かな人」ではなく「静かな時間を求める人」なのです。
この内向型の意味を誤ってとらえていると、「私は内向型だから、静かでおとなしい性格なんだ」という“言葉の呪い”にとらわれてしまうので注意しましょう。なんでも内向型のせいにして自分を諦めてしまうクセがついては、自己評価が下がってしまいます。
心の余白を確保することは、自分らしくいるためにも大切です。「静かな時間」があれば、内向型は心穏やかに、元気に過ごすことができます。
静かな時間1:「ひとりで考える時間」
内向型に必要な「静かな時間」は、大きく分けると、2種類あります。
一つ目は、「ひとりで考える時間」。内向型は外向型に比べて、短時間で情報を理解して考えをまとめて伝えるのに、時間がかかりやすいそうです。
ですが裏を返せば、「考える時間」さえあれば、外向型と同じように(あるいは外向型よりも深く)情報整理ができるということです。
誰にも邪魔されずに一人で考え事ができる時間は、私たちに心の余裕を与えてくれます。内省して思考を深めることが好きな人も多いので、考える時間を取ることで気持ちを落ち着けることもできます。
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