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- 遺影は自分で用意する時代!素敵な姿をのこす方法
通夜や葬儀・告別式で多くの参列者が目にすることになる遺影。終活の一環として、元気なうちから遺影写真を準備しておく人が増えているようです。自分らしい、素敵な姿を遺影として残すにはどうすればいいのでしょう。
いつから始まった?遺影のルーツに関する豆知識!
通夜や葬儀・告別式で、大きく引き伸ばされ飾られる遺影。親戚や知人・友人などの葬儀に参列した際、少々不謹慎だとは思いつつも、「素敵なお写真だわ。いつ用意したのかしら」とか、「もっといいお写真があったでしょうに……」と思ったことはありませんか?
遺影は、当人が思っている以上に参列者から注目されます。そして、人生を締めくくる最後の一枚。できれば自分らしい、素敵な写真を用意したいものです。
それにしても、そもそも遺影とは何なのでしょうか。
三省堂「新明解国語辞典 第八版」では「[仰ぎ見る対象としての]故人の写真や肖像画」とされています。仏壇やリビングなどに飾られ、家族が話しかけたりすることなどからも、故人を偲ぶ重要な存在といえるでしょう。
ちなみに、遺影のルーツは、葬儀の様子を描いた「死絵巻」や、江戸時代に歌舞伎役者が亡くなったときに訃報を兼ねて作成された「死絵(しにえ)」、死者を供養するために家族などが寺院に奉納した「供養絵額」などとされています(山田慎也『遺影と死者の人格』ほかより)。
また、宗教民俗学を専門とする東北大学総長特命教授の鈴木岩弓氏らによる著書「いま、この日本の家族 絆のゆくえ」(弘文堂刊)によると、1922年(大正11年)に東京の大井で開業した小島写真館の創業者が、葬儀の際、祭壇に写真を飾ることを提案したことが関東での遺影のはじまりのようです。その写真が葬儀後、家族に引き渡され、「仏間の鴨居や仏壇の中などに飾られることになったものと思われる」とあります。
これが今日まで続き、遺影は葬儀が終わった後も仏壇や家族が集まる場所などに飾られ、故人が好きだった食べ物や花、お線香などを供えられています。つまり、遺影は長く残り続けるものなのです。
遺影はどう作られる? 写真を準備しておかないとどうなるの?
一般的に遺影は、故人の写真や画像データなどを元に葬儀社が作ってくれます。今の写真加工技術であれば、一緒に映っていた人を消したり、肩に置いた手を自然に消したりすることも可能です。また背景を合成したり、顔だけ使用して着物を着た体の部分を合成することもできます。
祭壇に飾る写真は、4つ切りサイズ(約30.5cm×25.4cm)やA4サイズに引き延ばすことが一般的であるため、顔が大きく写っていて、ピントが合っているものが適しています。プリント写真ならば、顔の大きさが10円玉以上あるものを選ぶときれいに仕上がります。証明写真(3㎝×2.4㎝)程度の大きさがあれば、約10倍の4つ切りサイズまで引き延ばすことができるようです。
しかし、近親者が亡くなり、ただでさえショックを受けているところに、遺影にふさわしい写真をゆっくり選ぶ余裕などないのが実情です。そしてついつい、いい笑顔だからと集合写真を選んでしまうことに。その結果、編集・
また、あまりに若い時代の写真を遺影に使うと、参列者が違和感を覚えることも。かといって「直近の写真だから」とあまり元気ではない姿の写真を使われるのも、故人にとってうれしいものではないでしょう。選ぶ場合は、亡くなる数年前までの本人らしい写真がよさそうです。
いずれにしても、亡くなった後では、本人は写真を選べません。本人にとって不本意な一枚を、誰かが選ばないとも限りません。自分らしい、素敵な写真を遺影にしたいなら、元気なうちに用意しておきましょう。
その際、写真を撮るだけでなく、「これぞ」と思う一枚を選んで、死後のことを頼みたい人に預けておくことが大事です。エンディングノートに、どの写真を使ってほしいかを記し、同じ場所にしまっておく方法もあります。
生前からしっかり準備!遺影用のステキな写真を撮ろう!
曾祖父母や祖父母の時代の遺影は、正面を向いた着物姿のものが主流でした。ですが、今は服装も自由で、自然な表情をしたものが一般的です。自分らしい一枚を残すには、日頃から写真をたくさん撮っておくのがいいでしょう。
例えば、家族や友人との団らんの場や、旅先やイベントで撮ったものは、いきいきと楽しそうな表情をしているはずです。オシャレをしたときや改まった席に出席したときは、写真を撮る絶好のチャンス。忘れずに、できれば自分一人だけのものを撮影しましょう。
筆者の知人の80代の女性は、兄弟の遺影選びで苦労した経験から、家族が集まるときや友人との会食時は、オシャレをして必ず写真を撮るようにしていると言います。
自撮りで遺影を上手に撮影するコツ
最近のスマートフォンは高性能なカメラを搭載しているので、ちょっとしたコツを覚えるだけで、素敵な自撮り写真を撮ることができます。ちなみに、自撮り写真を上手に撮るコツは以下の3つ。
1 やや斜め上から少し見上げるように撮る。
スマートフォンのカメラには広角レンズが使われているため、近くにあるものがより大きく、遠くにあるものがより小さく写るという特徴があります。そこで、自撮りをするときには「インカメラ」を使い、スマートフォンを45度上げると、目は大きく、あごは細く写って小顔に見える効果があるのです。また3~10秒のセルフタイマーを使うと、シャッターを押すときの手ぶれを防止できます。
2 最も映りがいいと思う自分の“利き顔”で撮る
人間の顔は左右対称ではありません。また、見る角度などによっても印象が異なります。自分にとって最も映りがいいと思う“効き顔”を把握し、その向きと角度で撮ることも大切なポイントです。
3 明るい色の服で顔映りをきれいに見せる
細部まで写るアップの写真では、肌のくすみが気になることも。顔映りをきれいに見せたいなら、写真を撮るときには白い服を選びましょう。白い服が光を反射するので、被写体に光を反射させるために使うレフ板と似たような効果があり、顔を明るく見せることができます。白以外にも明度の高い黄色やピンク色の服、白いテーブルクロスやハンカチなどでも同様の効果を期待できます。
前述の80代の女性も、高校生の孫から自撮りのレクチャーを受け、腕がだいぶ上がったとか。でも、まだまだ「遺影にふさわしい一枚は撮れていない」と話していました。
遺影の撮影をプロに依頼する場合
現在は、さまざまな写真館で「遺影用の撮影」や、「自然な表情の写真撮影」を行っています。ご紹介するのは、実際に写真館で遺影を撮影してもらったという、現在66歳の三浦さん。50代後半からエンディングノートを書くなど終活を始め、60歳で着物姿の遺影を撮影しました。しかし「来年、また撮り直す予定」と話します。
「着物姿をキレイに撮影できて大満足でしたが、家族に見せたら『すました表情で、普段のお母さんとは違う』と不評だったんです。私の遺影を見て家族が懐かしく思い出せるように、今度は洋服を着て自然な表情で撮影するつもりです」
自然な表情の写真を撮ることは、そう簡単ではありません。何度か撮影を経験して、撮られることに慣れる必要もありそうです。最近、読者モデルとしても活躍する三浦さんは、自然な笑顔を作れるようになってきたと自信を深めています。
「撮られるたびに表情が良くなっていくのを感じています。人生は楽しく生きてこそ!終活も遺影の撮影も、私にとって楽しみの一つです」
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■記事協力=三井住友信託銀行
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