終活は何から始めればいいの?という人必見!

「終活やることリスト」今すぐ始めてハッピー人生に!

明石久美
監修者
明石シニアコンサルティング代表、明石行政書士事務所代表
明石久美

公開日:2021.09.06

更新日:2021.09.06

終活とは自分が死んだ後に備えるだけでなく、人生の晩年にも備えるものです。手始めに、それぞれの場面を想定した「やることリスト」を作成して、整理しておけば安心です。ハッピーな人生を迎えるために、今から準備しておきましょう。

終活はこれからの生活と、死んだ後の両方を考える

終活はこれからの生活と、死んだ後の両方を考える

いざ終活を始めようと思っても、何をすればいいのかがわからない、という人も多いでしょう。そんなときは、今後自分自身に「どのような困り事」が起こり、家族や周囲の人が「どのようなことで困るのか」を考えると、何をすべきかがおのずとわかってきます。

つまり、「さまざまな困り事」に事前に備えていくのが終活というわけです。終活には大きく分けて2つの備えがあります。

一つは、人生の晩年をどう過ごし、最期をどう迎えるかに関する備え。例えば、入院や介護が必要になったとき、施設に入所するか、そのための費用はどう捻出するのか、医師から「今すぐ延命治療の選択をしてほしい」と言われたらどうするかなどです。

もう一つは、自分の死後に関する備え。葬儀はどこでどのように行うか、誰を呼ぶか、お墓はどうするか、財産はどう分けるかなど自分の希望を伝え、のこされる人たちの負担を軽くするための備えです。

終活では、はじめにこの2つ場面を想定して「やることリスト」を作ることが重要になるのです。ここからはそれぞれについて解説していきます。

終活やることリスト

晩年を安心して過ごすために必要なことを整理しておく

晩年を安心して過ごすために必要なことを整理しておく

終活やることリスト(1)入院生活・介護生活に備える

これから年を重ねていく私たちには、いつ何が起きてもおかしくありません。それだけに「入院・介護」への備えは、終活を考える上でも大切です。

入院生活や介護生活を快適にするには、まず自分について知ってもらうことが大切です。

「実は、家族や周囲の人は、思っているよりもあなたのことを知りません。まずは自分のことを知ってもらうために、身体のことや自分の好みなどを書き出てみましょう」と相続・終活コンサルタントであり行政書士の明石久美(あかし・ひさみ)さんは提案します。

終活と言えば「エンディングノート」が思い浮かびますが、まずは「自分のことを知ってもらおう」くらいの軽い気持ちで、書き出すことがおすすめです。

持病やアレルギー、服用中の薬の有無、かかりつけの病院や医師などに関する情報を書き出しておくことで、緊急時の大きな助けになります。また、食べ物の好みや好きな香り、よく聴く音楽などの趣味嗜好、日課やこだわりなどを記しておくことで、入院中や介護中もより快適に過ごせるようになるでしょう。入院時に知らせてほしい連絡先やその人との関係性、逆に知らせてほしくない人などをリストアップしておくことも大切です。

終活やることリスト(2)最期の過ごし方を自分で決める

終活やることリスト(2)最期の過ごし方を自分で決める

もし介護施設に入居することを考えているのであれば、元気なうちに資料を取り寄せ、見学をしておきましょう。どのような施設に入りたいかを決めておけば、いざというときに家族や周囲の人も安心できます。

そして、終末期にどこでどのような医療を受けたいかも考えておきましょう。意思表示ができなくなった場合、家族や周囲の人が「最期をどこで過ごすか」「延命治療をどうするか」という難しい決断を迫られることになるからです。延命治療の方針を決める際には、なぜそうしたいのか(したくないのか)という理由を伝えることで、家族も判断がしやすくなります。

「元気なうちに最期の過ごし方を決めて、家族や周囲の人に話しておけば、本人の意思を尊重できるため気持ちが楽になります」と明石さん。

終活やることリスト(3)自分の資産を洗い出す

終活やることリスト(3)自分の資産を洗い出す

お金はいくらあるのか、自分の資産を洗い出し、事前に把握しておきましょう。

「今後どのような水準で生活していくのか、入院や介護の費用は足りるのかを考えるきかっけにもなります」と明石さん。

定期預金を普通預金にするなど、入院・介護中に使いやすいかたちにして準備することも重要なポイント。元気なうちに備えておけば、自分自身と家族や周囲の人の経済的なストレスを軽減することにつながります。

死後手続きをスムーズにするために、元気なうちに備える

終活やることリスト(4)死後手続きに必要な情報を整理する

終活やることリスト(4)死後手続きに必要な情報を整理する

あなたの死後、のこされた人たちは多くの事務手続きに追われることになります。必要な手続きをするためには、出生から死亡までの戸籍謄本をそれぞれの本籍地のある役所で取得したり、預貯金や未払い金を把握したりと、多くのことを行わなければなりません。「迷惑をかけたくないと思っても、あなたにはこれらの手続きはできません。ですが、生前に必要な情報、書類などをわかるようにしておけば、家族の負担は減らせます」と明石さん

そのためには、元気なうちに「死後手続き」に必要な情報を整理することが大切です。

ここでは「あなたが準備しておけるもの」を簡単に見てみましょう。

今から準備したいこと

  • 出生地から現在までの本籍地と筆頭者名の一覧〈戸籍謄本で相続人を確定する際に必要〉
  • 預貯金の整理〈利用していない口座を整理し、2~4口程度にしておく〉
  • 利用している銀行・証券会社などの情報〈支店、口座番号が分かるようにしておく〉
  • 口座引き落としの情報〈不要なものをすぐ解約できるようにしておく〉
  • 役所からの通知、医療費の領収書、保険証券、賃貸借や贈与などの契約書の整理〈保管場所が分かるようにしておく〉
  • WEB明細などネット内情報〈残高、未払い金、要解約など確認できるようにしておく〉

終活やることリスト(5)葬儀やお墓など死後の希望をまとめる

終活やることリスト(5)葬儀やお墓など死後の希望をまとめる

葬儀の準備で、特に大変なのは死亡直後から通夜前までといいます。事前備えがあれば、のこされた人の負担は軽くなります。

「葬儀はどうしたいのか」「誰を呼んでほしいのか」「菩提寺の連絡先と宗派」や「遺影のための写真の保管場所」が書き残してあると、家族は助かります。さらに葬儀が終わった後のことも考えておきましょう。「お墓はどうしたいのか」「遺品はどう整理するのか」といった希望を伝えておくことも必要です。

ただし、葬儀もお墓も送る側の気持ちを考えることが大切です。よかれと思ったあなたの気持ちが、かえって家族に迷惑をかけたり嫌な思いをさせたりするなど負担をかけてしまうことがあります。希望を伝えるなら理由も一緒に残しましょう。家族が判断に迷ったときの助けになります。できたら、喪主になる予定の人と一緒に葬儀社に出向き、見積書を作成してもらうと葬儀でかかる概算額や疑問点の解消などができ、いざという時家族が困らずに済みます。

終活やることリスト(6)相続の準備も元気なうちに

終活やることリスト(6)相続の準備も元気なうちに

また、あなたの死後に財産をめぐって争いが起こらないように備えることも大切です。資産を洗い出すとともに、必要に応じて遺言書を作り、分け方などを示しておくことも考えましょう。なお、遺言書には主に下記のような種類があります。

  • 自筆証書遺言 (遺言者本人が自書で作成)
  • 公正証書遺言 (公証人に作成してもらう遺言)
  • 秘密証書遺言 (内容を秘密にしたまま、公証役場で認証する遺言)

その他、相続の準備にはさまざまな対策も必要になり、専門職や信託銀行などに相談しながら進めるとよいでしょう。終活や相続対策は手間と時間がかかるため、まとめて相談できる先を探すことも賢い方法の一つです。

以上、終活で準備が必要な項目をあげてみました。他にも、終の棲家や遺品整理をどうするかといったことも考えられるとより良いでしょう。
死後に備える終活では、のこされた人たちのことをまず考え、元気なうちにできる準備をしていきましょう。


記事監修:明石久美さん
あかし・ひさみ 明石シニアコンサルティング代表、明石行政書士事務所代表、相続・終活コンサルタント、セミナー講師、行政書士、CFP。身内が葬祭業で自身が相続を行っていることから、葬儀やお墓を含めた生前対策や死後の手続きに詳しい。千葉県松戸市在住。著書に『読んで使えるあなたのエンディングノート』(水王舎刊)など。

すまい・みらい ラボ

「住まい」「お金」「おひとりさま」などをキーワードに、50代から考えたい自分と親のこれからについて、情報をお届けします。

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