- ハルメク365トップ
- 暮らし
- 将来の安心
- 生前整理実践編1|樋口恵子さんの合理的な終活片付け
「片づけは人生最期の身だしなみ」と話す評論家の樋口恵子さん(取材当時・87歳)。「どう片付けるかは人それぞれ。“自分らしく”でいい」生前整理の心得や、片付けられない物の対処法など、自ら実践する整理術を教わりました。
樋口恵子さんのプロフィール
樋口恵子さん
ひぐち・けいこ 1932(昭和7)年、東京生まれ。56年東京大学文学部美術史学科卒業。評論家。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。現在も講演、執筆活動を精力的に行う。『その介護離職、おまちなさい』(潮出版社刊)『老ーい、どん! あなたにも「ヨタヘロ期」がやってくる』(婦人之友社)など著書多数。
どう片付けるかは人それぞれ。“自分らしく”
亡き夫と建てた築40年の家を、樋口恵子さんは2017年の85歳のときに建て替えました。
「引っ越しを機に、山ほどある蔵書を片付けましたが、これが大変。一冊ずつに過去を思い出すのです。無名だった私に依頼が来て、喜び勇んで資料を集め、がんばっていたあの頃、子どもは5歳……なんて思っていると、胸が怪しくも騒ぎ、涙がこぼれそうに。その涙を3重のマスクでぬぐい、本と決別をしました。結局減らせたのは4分の1ほど。片付けきれなかった本は処分費用を遺産に上乗せして、後は娘に任せることにしました」
人は誰でも、死後は誰かの世話になるものです。「ただ、今は家族の人数が少なくなり、遺族が一人ということも。自分が長生きすれば遺される家族も年を取りますから、数少ない老いた遺族に負担をかけ過ぎないようにするのが死んでいく者の最期の身だしなみだと思うのです。どう片付けるかは人それぞれ。“自分らしく”でいい。ただし最低限、お金の始末などは、遺された人が困らないように方針を明記しておくつもりです」
また、スカーフやアクセサリーは、お世話になった人へ形見分けしたいと語ります。「一人娘に任せるには負担が大きいので、日頃から親しくし、私より10歳ほど若い親戚や仕事仲間3人に声をかけて“形見配布委員会”を発足しました。部活動みたいで楽しいですよ。慰労金も一緒に残すので、集まるたびに食事でもして。こうして縁をつないでもらえたらうれしいですね」
樋口恵子さんの生前整理の心得
優先順位は片付けより食べること。より楽しい今と健康を大事にしています。83歳を過ぎた頃、料理をすることが突然嫌になり、食欲もわかず、栄養失調になった樋口さん。「終活で大事なのは今をしっかり生きること。片付けより食べることを優先し、健康維持を」
また「理想の終(しま)い支度をした人を目標に持つことが大切」と話します。晩年、小作人の一人に至るまで形見を名指しで遺したというイタリアの音楽家、ジュゼッペ・ヴェルディが、樋口さんの人生の終い方のお手本。「私もお世話になった人へスカーフなどでお礼を伝えたいです」
樋口恵子流、片付けられない物の対処法
自分で片付けきれない物は、処分費用もしっかり遺す
引っ越しを機に蔵書の4分の1を減らしたが、後は家族に委ねる予定。「娘には処分費用を遺産に上乗せして遺すからそれで捨てて」と伝えています。
雑貨・アクセサリー
家族の趣味や気持ちは変わるから、相続する気があるか、ときどき点検した方がいいです。かつては“おばさんと若者”だった母子関係も今では“おばさん同士”に。「年とともに趣味や気持ちは変わるので、1年おきに形見分けの話をし、娘の相続意欲を確認しています」
家
人も老いれば家も老いる。毎月1万円ずつでも修繕費の積み立てをしておくべきです。人の寿命が家の寿命を追い抜き、住宅の修繕や建て替えを迫られるのが築40年以上のとき。古い家は住み続けるにせよ子どもに引き継ぐにせよ、思わぬ出費が予想されるので少しずつでも積み立てておくべき。
人に希望を伝えるときのポイント
形見分けは複数人にお願いし、一人の負担を減らすように樋口さんは考えています。長生きすれば家族も年を取り、形見分けをする側も一人では心細く、二人では意見が割れるので、3人に依頼。「“形見配布委員会”と名付け、慰労金も出す約束をしています」
次回は、生前整理実践編2|手紙、写真、車、着物の手放し方を紹介します。
取材・文=大門恵子、野田有香(ともにハルメク編集部)、撮影=門間新弥
※この記事は「ハルメク」2019年9月号に掲載した記事を再編集しています。
■もっと知りたい■
- 生前整理のために、物を片付ける5つのポイント
- 生前整理実践編1|樋口恵子さんの合理的な終活片付け
- 生前整理実践編2|手紙、写真、車、着物の手放し方
- 生前整理実践編3|ごんおばちゃまの1日30分片付け
- 生前整理実践編4|片付けは人にお願いしてもいい
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
40歳で終活
いやいやまだまだ人生半ばですよ。一方不意の事故など ゼロではないですからね。病気とかならある程度 覚悟は出来ますけど、事故とか突然ですから。 40歳で終活って早くないですか。自分史とか 半分も書けないです。 https://syukatsulabo.jp/article/6277
締切済み ベストアンサー2020.02.21 -
終活ってどれくらいかかりますか
それこそ生活保護レベルの葬式なら20万を切ります。 高額医療費制度も上限は8万くらいです。 身元保証だって数十万です。 厚生年金の範疇で入れる老人ホームだってあります。 100万あれば御の字じゃないですか。 https://www.osohshiki.jp/
締切済み ベストアンサー2019.05.06 -
親の面倒
ごめんなさい。長文です。 私の両親はまだ元気で経済的にも、身体的にも自立しています。父もとある会社の会社役員として未だに子供達よりも沢山の年収があります。しかしもう70代で、段々と家の事が回らなくなってきました。 2人姉妹の姉は婿養子を取るということで実家の近くに住み、私は高速で3時間位離れた所に住んでいます。私は年に数回しか実家に帰省出来ませんが、その度に(昔の家なのでかなり広いです)家の中や倉庫やプレハブの物置、ベランダに建てられた物置(バーベキュースペースを潰してまで建てたので広いです。)地下の物置と整理していますが追いつきません…。今は掃除や庭の手入れは業者に入ってもらっていますが、一時はワックス掛け等も私がやっていました。しかも両親は私が帰省したら、色んな所に昼夜問わず食事や飲みに連れて行く事を楽しみにしていて、無下に断れません。勿論両親の奢りですし、帰省の毎に私にも子供にもお小遣いをくれます。だから変な話損は無いです。ただ私はそんなもの欲しくてやっている訳ではありません。母が終活の事等、気にしているし、昔の人だから物を捨てられないので、私がやってあげています。ただとても時間が足りないし、その後2、3日何とも言われぬ疲れで私は寝込んでしまいます。 先日母は週に1~2度はお手伝いさんに入ってもらう事を受け入れました。勿論全く要介護等ついてないので、お金は掛かりますが。ただやっぱり常に他人が入る事が嫌で、知り合いの人が今やってる仕事が終わったら、家に来てもらう。て事で何時のことやら分かりません。そこで私は少しは姉にもやって欲しいのですが、全くやらないどころか実家に顔も見せません。子供か小さい頃はしょっちゅう預けに来ていましたがもう大きくなったので、実家には2~3ヶ月に1回電話してくるくらいです。両親は「あの子はそんな子だから。子供を見てもらう時しか実家には用事の無い子だから。」と諦めていますが、それなら私はこんなに遠くにお嫁に来なかったし、財産を放棄して姉に養子を取らせる必要も無かったようにも思うのです。 1度姉に「お母さんも最近年取ってきたよ。たまには帰ってあげて欲しい。面倒見るて言っても、寝たきりになった時だけでは無いよ。」て言ったら、激怒されて、その後何年も私が電話をしない限り向こうから連絡は有りませんし、こちらの名物や季節の物を送っても、母を通して「もう、送って要らない。迷惑なんだって。」て言われました。私は姉と喧嘩する気は有りません。もし私が病気になったら、両親を見てあげる事が出来なくなるから、両親が死ぬまでは姉の機嫌を取っておきたいです。ただ今からどんどん年老いていく両親をどうしたら良いのか?姉にどうやったら上手く伝わるのか分かりません。 今すぐに介護が必要では無い両親、死ぬまで経済的なお世話をする事は絶対に有りません。しかしより穏やかな不自由の無い老後を送る為に、姉にどういう風に伝えれば上手くいくでしょうか?教えてください。
締切済み ベストアンサー2019.04.17 -
父親の身の始末
父親の身の始末をどうすべきか、悩んでいます。このように書くと親不孝者のようですが、今から親の終活に備え準備しておくのは、重要な事だと思っています。 現在、男性の平均寿命は80.98歳、男性の健康寿命は72.14歳、平均介護期間は8.84年だそうです。あくまで概算です。 父方の祖父は、当時の平均寿命より11年ほど長生きしていますが、介護施設で6年ほど過ごしてこの世を去りました。父も祖父と同じように長生きしてくれるのであれば、90歳近くあるいはそれ以上まで生きるようになりますが、人の寿命や先々の事は分かりません。 父親には幾つかの持病はありますが、比較的元気です。しかし、ここ最近は体力の低下と若干の痴呆傾向が出てきており、年齢的な衰えを感じています。 現在健康寿命は男女とも70代で、その後約10年は、誰しも体の不調を抱えながら生活していると言います。という事は、亡くなる10年ほど前から体に不調が出てくるという話になります。 私は父親と一緒に生活していますが、以前よりも明らかに出来ない事が増え、出来ない事への不満を周囲に当たり散らすようになりました。痴呆も進んでおり、認識力、判断力、思考力のいずれも低下しています。 そうした事を鑑みた場合、父親の介護施設入所は幾つくらいが妥当だと判断できますか? 父方の祖父は、80歳をだいぶ過ぎてからの入所でした。90歳を過ぎてからや100歳近くになってから入所する人もいるようですが、人それぞれ介護度や家庭の事情も違ってくるでしょうから、一概には言えません。 父親の場合、幾つくらいが妥当なのか判断が付きかね悩んでいます。 長くなりましたが、介護経験者の皆様、どうかお知恵をお貸し下さい。お願い致します。
締切済み ベストアンサー2019.03.18
-
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。 -
巻き爪を予防する靴選び
健康的な足を守るために「靴選び」はとても重要。巻き爪や足トラブルを防ぐ靴の選び方と履き方をシューフィッターに聞きました。 -
「朝の尿モレ」これで解決
どっと押し寄せる朝の尿意。そんなやっかいな「朝の尿モレ」に特化した吸水パッドをハルトモさんがお試し!はたして効果は? -
薬局の待ち時間を解消
薬局でのキツい待ち時間。仕方ないとあきらめていませんか?アイン薬局のアプリを使えば、実は待ち時間問題は解消できるんです! -
老化を早める「体の酸化」
体の酸化度(サビ度)をチェック!「老けやすい生活」を送っていませんか? -
1回10分~の健康習慣♪
一流講師のレッスン100以上!本会員は無料で受け放題!日替わり「まいにちレッスン」の詳細はこちら★