
税公金をスマホで払うと…
税公金の支払いはスマホからが圧倒的にラク&お得!「ゆうちょ銀行」では抽選で毎月1万名様に1,000円が当たるキャンペーン実施中!
更新日:2023年08月08日 公開日:2020年08月12日
遺言書との違いは?一人暮らしでも必要?
「終活」は思い立ったときが始め時。まずはエンディングノート(終活ノート)を書いてみませんか? 万が一に備え、葬儀や介護など、自分の希望をまとめて書き留めておくことで、家族や周囲の人に思いを伝えるのに役立ちます。遺言書との違いもチェック!
「終活」とは、自分の人生の最期に向き合い、身の回りのことを整理することで、最期までの時間を有意義に過ごす活動のこと。
最近は、エンディングノート(終活ノートと呼ばれることもあります)を使って葬儀やお墓の希望を生前に家族に伝える人が増えているようです。
重病になったら告知してほしい? どんなお葬式がいい? どこのお墓に入る?――こうした希望を一つ一つ書き込んでいくものが、エンディングノートです。
「誰でも突然の病気や事故で亡くなったり、意思疎通が難しい状態になる可能性があります。エンディングノートは、もしものときに自分の思いや希望を周囲に伝えるための大事な手段です」
そう話すのは、葬送や介護に関する情報提供や相談などを行っているNPO法人「ライフ・アンド・エンディングセンター(LEC)」理事長の須齋美智子さんです。
2004年にLECが会員向けに作った『もしもノート(R)』は、口コミなどで会員以外にも広まって、これまで25万冊(2018年)を売り上げる異例のロングセラーになっています。
エンディングノートが支持される理由について、須齋さんは「最期まで自分らしく生きたいと願う人たちが、ノートの必要性を強く感じているのでは」と話します。
現在、『もしもノート(R)』の他にも、たくさんのエンディングノートが市販されています。
ノートの中身には多少違いがありますが、自分のプロフィールから始まって、親類や知人の連絡先、財産の状況、そして医療、介護、葬儀、お墓の希望と続き、最後に相続の希望や残された人へのメッセージなどを書けるようになっているのが一般的です。
「よくエンディングノートを買ってきて、机にしまい込んでいる人がいますが、それではお守りにもなりません(笑)。どの項目からでもいいので、書けるところから埋めていくことが大切です。一度に全部書かなくていいし、自分にとって必要のない項目は空白のままでいいんですよ」と須齋さん。
実際に書いた人からは、「漠然とした不安が消え、気持ちが晴れた」「頭の中が整理できた」「家族に対し責任を果たせてすっきりした」という声が寄せられているそうです。
エンディングノートには遺言書のような決まった形式はなく、「普通のノートに好きなように書いてもらって構わない」と言います。ただしその場合は、大事な項目が漏れないように注意しましょう。
エンディングノートを書くときにおすすめの項目は、次のようなものがあります。
もしものときの連絡先
私の財産
医療のこと
介護のこと
葬儀のこと
お墓のこと
遺言のこと
※ライフ・アンド・エンディングセンター『もしもノート(R)』から主な記入項目を抜粋して作成
いざエンディングノートを書くとなると、自分のプロフィールなどは気楽に書けても、医療や葬儀の希望など重いテーマでは、なかなか筆が進まないかもしれません。
そこで「できれば夫婦や家族で話し合って書いてほしい」と須齋さんはアドバイスをします。
「終末期の医療や葬儀などの話は“縁起でもない”とされ、家族でも話題にしづらいもの。エンディングノートをきっかけに『今まで口にできなかったことをじっくり話し合えた』という声がよく聞かれます」
また、たとえ日頃から「葬儀はお金をかけず、簡素にしよう」と夫婦で話していても、紙に具体的に書いておかないと、他の家族との間で揉め事になる可能性も。
「ノートを書くことは、いさかいから家族を守ることにもつながる」と須齋さんは言います。
ただ、エンディングノートに法的拘束力はありません。特に遺産相続について希望があれば、別に遺言書の作成が必要です。
今一度、遺言書とエンディングノートの違いを確認しておきましょう。
遺言書
エンディングノート
須齋さんは「一人暮らしが増えている今こそ、エンディングノートの重要性が高まっている」と話します。
「一人暮らしの人は、自分が判断できない状態になったとき、誰に判断を任せるかを指定しておくことがとても大事です。頼れる親戚がいない場合は、日頃から信頼している相手と話し合い、その人に判断をゆだねる旨を記入しておきましょう」
人生の締めくくりを考えながらノートを書くことは、自分の“今”を見つめ直すことにつながります。もしもに備え、今を安心して生きるために、まずはペンを動かしてみては?
■教えてくれた人
須齋美智子さん
すさい・みちこ 1933(昭和8)年生まれ。95年、夫のがん発病をきっかけに葬送について学び、勉強会を開始。2000年NPO法人ライフ・アンド・エンディングセンターを設立。理事長に就任。04年、『もしもノート(R)』刊行。現在も葬送や介護などの勉強会を開催。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=石野明子(人物)
※この記事は、雑誌「いきいき(現ハルメク)」2013年3月号に掲載した記事を、再編集しています。
■もっと知りたい■
驚きの軽さ&使いやすさ!
1本で7つの効果ハルメクが厳選した選りすぐりの商品