落語会体験記

落語自由自在 ~横濱小せん会~

公開日:2019.04.06

古き良き日本文化である落語を聴いて楽しく笑うことで、身も心も元気になることができます。今回は年2回開催される「横濱小せん会」をご紹介します。

落語自由自在 ~横濱小せん会~
落語自由自在 ~横濱小せん会~

前座「初天神」三遊亭歌つを

本日は、横浜にぎわい座で年2回開催される「横濱小せん会」です。師匠を応援する人々が集結する会で、今回はお弟子さんのあお馬さんが、2月11日に二つ目に昇進されたお祝いの会でもあり、楽しみに出掛けました。

落語自由自在 ~横濱小せん会~

歌つをさんは前座2年目ですが「初天神」というお馴染の演目を、ギャグも入れずに、しぐさだけで笑いをとります。小生意気な子どもが躍動して、なかなかの腕前でした。

「熊の皮」古今亭志ん吉

「歌つをが前座、私志ん吉が二つ目、そして小せん師匠が真打ちです。どの師匠に伺っても、やはり嬉しかったのは、前座から二つ目になった時と仰います。私もそうでした。と、しみじみ自身を振り返り、大勢のお客様の前でやらせていただけるのは、小せん師匠のお陰です」と言ってから「熊の皮」に入ります。

横町の医者から赤飯が届いたので、お礼に行くようにと女房に頼まれた甚兵衛さんが、悪戦苦闘する滑稽噺で、歯切れのいい口調が心地良かったです。
 

「盃の殿様」柳家小せん

「待ってました」の声があちこちから掛かります。

いよいよ師匠の登場です。

「弟子のあお馬が二つ目になりました。二つ目になる時が一番嬉しいというは、奴の人生は今がピークで」で拍手が起きます。

「浅草演芸ホールで只今披露目の最中で、寄席は休めないため、12時半降り(高座を降りる)なので、1時10分には伺えますって連絡がありましたが、そろそろ2時になろうとしているのに、まだ来てないのよ。浅草から横浜だからね、どう考えても時間の読み違え」と弟子への思いを吐露してから「盃の殿様」に入ります。昨日黒門亭でネタおろし(初めて客前で演ずる)した演目です。殿様役が似合い、なかなか堂に入っていました。

「祇園会(ぎおんえ)」柳家あお馬

初高座の時も横浜にぎわい座で、妙に小慣れた「道灌(どうかん)」を披露、客席は驚き息を飲みました。落ち着いた語り口に、並々ならぬ才能を感じた瞬間でした。

黒紋付姿のあお馬さん登場、本人が戸惑う程の万雷の拍手で迎えられ「師匠が、先程私のことを言ってくださったそうで、志ん吉兄さんに聞いたら、罵詈雑言のあらん限りで」で、笑いが起きます。「只今浅草で」で、またまた大笑い。事前に師匠があおっていましたのでね。

充分に温まった場内を見渡してから、おもむろに羽織を脱ぎます。ここが前座との大きな違いで、二つ目になったのだと、本人も客席も実感します。

古典落語「祇園会」の聞かせどころの祭り囃子、くちで篠笛・太鼓・鉦を真似て、見事に表現します。立派に育ちました、とアピールしていたかのようでした。

「御神酒徳利」小せん

落語自由自在 ~横濱小せん会~

小せん師匠は、この演目で2017年に花形演芸大賞金賞を受賞されました。長い噺をゆったりと楽しそうに語り、大阪からの道中付けも、鮮やかに決めました。ゲストと弟子が盛り上げ、師匠がじっくり語る緩急のある素敵な落語会、ふと気が付けば、あっという間の3時間、たっぷりと楽しめた「横濱小せん会」でした。

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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