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- 行動が行動を呼び踏み出した新たな一歩
障害を気にも留めずに受け入れてくださった先生との出会いによって、「退職後の趣味」としての朗読がスタートを切りました。2019年1月には朗読教室の生徒さんが集まって「読み初め会」が行なわれました。会場は、私が好きな雰囲気のワインバーでした。
暗闇に燃え立つ炎は祈りにも似て
2023年3月4日、「終の棲家」の眼下に広がるヨシ林で、3年ぶりの「ヨシ焼き」が行なわれました。夕方6時頃から近隣の人々が集まり始め、午後7時に点火。ヨシの束がたちまち燃え上がり、人々の顔が明るく照らし出されました。「終の棲家」の住人は2階バルコニーから見学です。
炎が立ち上った瞬間「祈り」という言葉が私の脳裏に浮かびました。春の芽生えへの祈り、コロナ収束への祈り、戦火の炎が世界中から無くなるようにという祈り。
―ヨシ焼きは 祈りにも似て 焔(ほむら)立ち―
自作詩を再び読んでもよろしいでしょうか?
2019年1月21日、先生との出会いから3回目の「朗読ライブ」となる読み初(ぞ)め会を前にして、私はまた先生にメールを出しました。―声を出すことすら少し苦しい状態ですが、やっぱり朗読は楽しいです。参加させて頂けたことうれしく思っています。―
続けて2つのお願いを書きました。―(1)先日読ませて頂いた自作詩を再び読んでよろしいでしょうか。やはり、滑舌、呼吸のタイミングなどがスムーズにはできません。それで、参加される方々に障害のことを知っておいて頂きたいと思っています。(2)次回のリレー朗読で、私が読むところをお知らせ下さい。何事にも時間がかかる身ですので、早目にお知らせ頂けますと幸いです。―
先生からはすぐに返事が返ってきました。―自作の作品はいろんなところで読んでください。リレー朗読は、7、17、27をお願いします。― その時のリレー朗読は、有島武郎の『一房の葡萄』でした。
当日の会場は、小さなワインバー。読み初めが終わった後、finger foodと呼びたくなるお洒落なおつまみとめいめい好きな飲み物を頂きながら、2019年に予定されている9つの発表会の第1次参加募集がありました。
踏み出した自作エッセー発表の第一歩
自宅に帰って、「2019年発表会」の予定を見ながら考えました。無理なく楽しく続けられそうなのはどれだろうかと。そして、滋賀県の門前茶屋で開かれる10人規模の一人5分間発表なら続けられそうだと思い、又々先生にメールを出しました。
―昨日は、初めての経験をさせて頂きありがとうございました。雰囲気の良いお店で、「そこにいるだけで幸せ」という感じでした。また、みなさんの朗読を聞かせて頂いて楽しかったです。美しい声の持ち主が多いなと思いました。2月第4水曜日の門前茶屋の5分間発表会に参加させて頂こうかと思います。―
先生からの返信メール―読み初めご参加ありがとうございました。自作詩の朗読、前回よりも聴きやすくなっているように思いましたよ。この調子で続けてください。2月27日に準備する物は1つだけです。5分ほどの作品です。ご自分の読みたい作品(著作権の切れている物)、もちろんご自分の作品でも構いません。―
これを読み、私はこの機会に自分の病気との向き合い方を見つめ直してみようと考え、「何の前触れもなく」の続きをエッセーに書いて聞いて頂こうと決め、ハルメク365編集部にメールを出しました。
時期を同じくして、ハルトモ倶楽部の読者ライターとして、脳出血の闘病記の連載を始めたばかりだったので、それをエッセーとして書き直して発表する許可を得るためでした。
ハルメク365編集部からは、すぐに許可が出て、私は、エッセーを書いて朗読するという新たな一歩を踏み出すことになったのでした。
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