みなみ信州を巡る

発見と驚きのひな人形展

公開日:2023.03.24

長野県下伊那郡・阿智村で、今年(2023年)も『ひな祭り』が始まっていました。武田信玄終焉の地でもあり、【県歌・信濃の国】で「尋ねまほしき園原や」と歌われる、長い歴史のある村です。昼神温泉や、満蒙開拓平和記念館があります。

発見と驚きのひな人形展
阿智村・明治40年(1907)頃のお雛様

<中馬ぬくもり街道ひな祭>

中馬街道にちなみ開催されています。根羽村や平谷村など各所で見られますが、今回は阿智村の中心地・駒場の3か所を訪ねました。

<中馬ぬくもり街道ひな祭>
阿智村で見つけたザゼンソウ

<中馬ぬくもり街道ひな祭>

明治40年(1907)頃の内裏雛は、近代の段飾りや、村に残る古地図(パネルにしてある)写真などと展示してありました。品の良い顔立ちです。

<中馬ぬくもり街道ひな祭>
袖には刺しゅうがあり豪華な衣装

昔の銭湯で

昔の銭湯で
銭湯の入り口には御殿飾り

ここは、昭和45年(1970)まで営業していたという銭湯です。昭和の時代の物が置いてあります。

昔の銭湯で
中央に飯田町の文字・酒瓶と思われる

昔の銭湯で

女湯での展示で、面白く思ったのは当時のポスターです。

昔の銭湯で

昔の銭湯で

昔の銭湯で

男湯では、男性向けのポスターがありました。

昔の銭湯で

湯船と思われるのは、とっても小さく不思議な感じがします。どうやって入浴するのかと考えました。

昔の銭湯で
左の用途は分かりません           右は脱衣かご

そのうちに、気が付いたのは、「洗い場」と思われるスペースに蛇口がないことです。という事は、くみ上げた湯で洗ったのでしょう。

昔の銭湯で

小さい方は上がり湯でしょうか? でも湯の部分は、女湯の方とつながっています。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?
大正15年(1926)の内裏雛

銭湯の近くの旧料理屋さんには、大正15年(1926)の、お雛様などの展示がありました。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?

今まで見たこともない人形で驚きました。

まず、目に留まったのは馬に乗った武士。馬は首をかしげ、動きがあります。

内裏雛は風格がありますが、それよりも気になったのは、戦う気満々の美しい女武士、それも3人。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?
戦う女武士・1 弓と刀で

戦う女武士1は弓を持ち刀を携え、戦う女武士2は武器はもちろん、白い覆面をしています。なぜ?

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?
戦う女武士・2 覆面とマスク? と思ったら被り物が下がっている

そして、もう1人の戦う女武士3は、薙刀(なぎなた)のような物を持って、刀を携えています。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?
魅力的な戦う女武士・3

その美しい事! とっても魅力的な風貌です。

その前面には、凛々しい歌舞伎役者のような若武者もいました。張り切っている様子です。こちらは、大正6年(1917)の表示があります。綺麗に保存されています。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?

今までの、お雛様のイメージとはまるで違います。時代背景を反映しているのでしょうか?

次は、老練な大臣かな? 白髪が素敵です。ここで驚いたのは、左手に赤ん坊を抱いていることです。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?

この子の両親は誰? なんで抱いているの? と想像しながら、赤ん坊の顔を見た途端、私はふきだしてしまいました。とぼけたような表情です。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?

美しい戦う女武士や白髪の大臣とは、雰囲気が異なります。

赤ん坊を抱いた老練な大臣と戦う女?
掛け軸は明治13年(1880)のお雛様

それぞれ、個性があって楽しかったです。展示をする側と、観る人との信頼関係で成り立っている催しでした。ありがとうございました。

■もっと知りたい■

渡来夢

美しいものに触れたいとの思いから美術館に行ったり、植物を育てたり、きものリフォームなどの手芸を楽しんでいます。元気でいられるように、ピアノの練習やパンを焼くことにも挑戦しています。『やってみよう!』の精神で。日常こそ大切、工夫して、お金をかけずに楽しむこころ豊かな暮らしを目指しています。

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