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指導者のひとりとしてデビューし、お仕事を始めて1年が過ぎようとしています。日々の葛藤と、子ども達とのふれあいのなかで学んだこと、気付いたことについてお伝えしたいと思います。
子どもはかわいい?
学んだことを学んだというだけで終わらせたらもったいないと、仕事を始めた私でしたが、長期休職後、久しぶりに仕事をするということがこんなに大変だとは思いませんでした。
まず最初に、子どもたちの名前と顔を覚えるのに一苦労しました。自分の勤務の曜日の午前午後、全部で4つのクラスの子どもです。名前がわからなければ、呼びかけることもできないので、間違いなく把握できた時はほっとしました。
子どもが心を開いてくれなければ、こちらの声かけや指導を、受け止めることができません。ましてや「あっちへ行って」「この先生きらい」「いや」なんていつも言われれば、大人だって凹みますし、やるせなくなることもあります。
その度に気持ちを入れ直して、精一杯真剣に向き合いました。
子どもは悪魔だ!
1年間がんばったものの、最後の最後まで心を開いてくれないお子さんがいて、最終日には無視されて、『あーこの子にかけてきた私の想いは、届かなかったなあ』と残念に思いつつ、それでも「GOOD-BYE」とその子を見送りました。
小学生になったから、ここへはもう来ないし、忘れてしまえばいいと思っていました。そしてちょっと傷ついた自分の心を封印して、新年度を迎えました。
新年度の午前のクラスが終わり、他の先生方と昼食を摂り、日誌をつけたり工作の材料を準備していました。入り口で子どもの声がして、「あ、○○君だ」と何人かの先生が出て行かれました。入学式が終わり、ランドセル姿を見せに来たようでした。
私にとっては忘れたい○○君とわかり、ここで出て行ってまた無視されるのも忍びないと、作業を続けていました。すると足音がして「せんせい!」と○○君が私を呼びに来てくれたのです。呼ばれるままに出て行くと、ピカピカのランドセルを背負っている○○君の笑顔がありました。
教えられているのは私だった
瞬間に先ほどまで凍り付いていた自分の心、その中に閉じ込めていた澱のような気持ちが、溶けて消えていくのを感じました(澱 おり:液体の底に沈んだかす。すっきりと吐き出されないで、かすのようにして積もりたまるもの)。
そして、子ども達はかけただけのものを返してくれること、教えていると思っていたけれど、教えられているのは私だったことに気がつきました。そしてあれは私の姿だったと思うと愕然としました。同時に、人生いくつになっても学べることは素晴らしいと感じる出来事でもありました。
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