退院後の体調不良を乗り越えて決めたこと

退院後の紆余曲折を経て、生み出した自分流

公開日:2019.03.13

更新日:2019.03.20

40代でC型肝炎が発覚。22年間の闘病と新薬での完治後、明るい未来へ心を弾ませていた私に脳出血という次なる病が—。その時の体の状況や家族の支えなどを振り返ります。今回は退院後の事件とリハビリについて語ります。

発症から2年目の秋~楽しいことが続く~

2018年秋、4泊5日の淡路島ステイに続く2泊3日の屋久島へのグループツアー。その屋久島旅行中に姉からメールが届いた。「11月15日、あなたの家に泊めてもらえる?」と。 私のワクワク感は最高潮❤

東京に住んでいる姉は、子育て時代の一時期を関西で過ごしていた。その頃のママ友と、年に一度の女子会が今も続いている。今年の2018年は、11月15日に大阪梅田周辺であるのだという。

私はすぐにOKの返事を出した。そして行動上の制約が多くなっている私と一緒でも、姉に楽しんでもらうには……と計画を立て始めた。5歳年上、73 歳の姉は、私と正反対のスポーツ系キャラ。ノリが良くて、私の提案にはほぼ100%乗ってくれる。

私の提案はこうだ――私がデイサービスに行く16 日は、地元の友人の協力を得て、私抜きで干し柿用の柿の実採りと皮むきの田舎体験。17 日は、一緒に近場のお寺を巡って、珍しく千の手が全部揃っている重要文化財の十一面千手千眼観音立像、更に国宝の十一面観音立像を拝観する。その後、ゆっくり散策して紅葉を楽しんだ後、地元野菜をふんだんに使った創作フレンチレストランで、 1週間遅れの夫の誕生会で〆 。

もちろん、姉は快諾。夫の誕生祝いだからと、息子が運転を引き受け、4人での秋晴れの日のお出掛けとなった。

「ひきこもりさえしなければ、70 歳になるころは、普通のおばあさんになれますよ」
――脳神経外科の先生の言葉が、また蘇る。
 

寿宝寺の十一面千手千眼観音立像

話は再び2017年2月~体の声に耳を傾けて~

退院間もなく、39度を超える発熱を繰り返すようになって3日目に、かかりつけ医を受診しました。その頃インフルエンザが猛威をふるっていたので、スワ!インフルエンザ!! と思ったのでしたが、検査の結果、インフルエンザウィルスは発見されず、インフルエンザの5倍もの炎症値が示されていたのでした。

私は、健康な体ではなくなっている、手厚く看護され設備も整えられている病院内にいたからこそ、元気になったと錯覚していたのだ、と思い知らされました。

(病院に帰りたい。病室の仲間に会いたい!)

この時ばかりは、夫の優しさも受け入れられず、「1人にしておいてほしい」と、和室にこもって泣きました。入院以来、初めて見る私の落ち込む姿に、我が家の優しい男性たちは、かける言葉もなく私以上に苦しんだのではないかと思います。

しかし、現金なものです。抗生物質が効いて熱が下がり始めるや否や、私はみるみる意欲を取り戻していきました。体調が精神状態を大きく左右するのだということを、身を持って学びました。「良い体調でいることが何よりも大切!」と、私は割り切って家事の全てを夫に任せ、したいことをし、無理のない範囲で、少しずつ少しずつ、リハビリを続けていこうと心を決めたのでした。~しっかりと、自分の体の声を聞きながら~
 

退院直後の体調不良も回復した2017年3月、入院中お見舞いに来てきてくださった方々に渡したメッセージ。

通院リハビリテーションと、自主トレメニュー

体調が回復して、予定より1週間遅れで、作業療法の通院リハビリテーションに、夫の運転で週2回通うようになりました。その内容は、家庭生活で筋肉の無理な動かし方をしていないか、筋肉の過剰な疲れはないかをチェックし、必要に応じてマッサージ。姿勢や行動へのアドバイス。そして書字訓練でした。

定期的に作業療法士さんにチェックしていただける安心感は、想像以上に私を元気づけてくれるものでした。それに、病院に行く度に一緒に入院していた患者さん、トイレやお風呂の世話をしてくださっていた介護士さん、療法士さん、先生etc...出会う方、出会う方みなさんが、笑顔で声をかけてくださるのです。人と会い、笑顔や言葉を交わすことの持つ、大きな力を知りました。

家では、私がしたくなるような新たな自主トレメニューを作り、気が向けばやるというスタイルで取り組むことにしました。
 

自主トレメニュー
屋久島の現地ガイドさんからいただいたハカラメ。たくましい生命力

 

 3月、ログの庭のモクレンが蕾を付ける頃、発症後初めてログハウスを訪れました。
 

2017年3月、蕾を付けたログハウスの庭のモクレン

 

次回からは、自分の体の声に耳を傾け、学びながら更新していった維持期の自主トレメニューのこと、維持期を緩やかな回復期に変える考え方、過ごし方について何回かに分けて書いていきたいと思います。

 

■harumatiさんの闘病記一覧はこちら

第1回 私のC型肝炎治療記 その1

第2回 私のC型肝炎治療記 その2

第3回 私のC型肝炎治療記 その3

第4回 人生の設計図を書き直す日 その1

第5回 人生の設計図を書き直す日 その2

第6回 人生の設計図を書き直す日 その3

第7回 C型肝炎完治から21日後、脳出血に襲われ

第8回 「かむい、かむい」-。脳出血急性期の入院生活

第9回 歩くことが難しい! 回復期のリハビリテーション

第10回 脳出血 目覚ましい回復 そして一時帰宅へ

第11回 いよいよ退院へ~維持期のリハビリは自宅でしたい!~

第12回 発症から3か月、維持期に入る頃退院へ。しかし……

第13回 退院後の紆余曲折を経て、生み出した自分流

第14回 1本の電話から始まった新しい歩み

harumati

45歳~66歳までC型肝炎と共生。2016年奇蹟とも思える完治から、今度は脳出血に襲われ右半身麻痺の大きな後遺症が残り身体障害者に。同居する息子と夫に家事を任せての暮らしにピリオドを打ち、2021年11月「介護付き有料老人ホーム」に夫と入居。「小さな暮らし」で「豊かな生活」を創り出そうと模索中です。

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