30年経ったらこんなに違った妊娠出産事情

そしてばぁばになる(後編)

公開日:2022.12.20

チャイルドシートがないと自家用車に新生児が乗せられない、なんてことも知らなかった私。これから孫の成長とともに、ばぁばとして新しい令和の子育てを学び直しです!

ごめん、私の経験は役に立たない

ごめん、私の経験は役に立たない

娘としては、妊娠出産について母親の経験も参考にしたいものです。

ところが、私は3回出産して全部早産!

初産が2か月早かったため、2回目3回目は子宮口を縫合し、最長でも36週という普通ではない妊婦でした。

陣痛のタイミングを測りながら「それ病院へ!」という体験がないのです。

おまけに、つわりもそうひどくありませんでした。

お腹がグッと大きくなる前に生んだので、妊娠線もありません(これだけが唯一の自慢です)。

「お母さん使えない」ってさんざん言われました(ケンカ腰ではありません、念のため・笑)。

つわりで消耗する様子や、大きくなっていくお腹を心配しながら、母娘ともども初めての体験の日々を過ごしました。

おばあちゃんの知恵よりスマホ頼み?

おばあちゃんの知恵よりスマホ頼み?

そういうわけで、娘の頼みの綱はスマホでした。

つわりがつらい時は、SNSで似たような状況の人のスレッドを探したり、気になる症状があればすぐ検索。

昭和の家庭に必ずあった分厚い『家庭の医学』や育児本は、今の世代は知らないでしょうね。

妊娠出産に役立つアプリも数多くあるようで、妊娠中の体調管理に使っていました。

陣痛の間隔や時間を簡単に記録できるものもあります。

「お母さんの話って根拠のないことじゃなかったわ。スマホの記事に書いてある」と言うのですが、3人育てた経験をなめないで欲しいなあ。

買い物もスマホ中心です。おむつもミルクも、「ポチッ」で届きます。

前編で取り上げた便利そうな道具は、ネットの口コミなどで調べているようです。

外出用の「おしゃぶり収納ケース」のような「こんなのよく見つけたね」というものも、買い物をすると関連商品として出てくるので、つい買ってしまうとか。

「ついでのポチッ」については、人のことは言えませんが、そんな調子で毎日宅配便が里帰り中のわが家にやってきます。

知識をリセット、楽しく子育てサポート

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お昼寝中にささっとスケッチ

予定日から10日過ぎても陣痛が来ないので、入院することになりました。

促進剤を2日投与してもだめで、母子ともに危険な状態になったので、結局帝王切開で出産しました。3900g越えの大きな男の子で、産室がどよめいたそうです。

コロナ禍のため、孫とは病室入り口のガラス戸越しの対面でした。面会も禁止です。

かわいいというより、こんなに大きいのがお腹にいたんだ、大変だったね というのが初対面の感想です。

8日後退院し、しばらくわが家で暮らすことになりました。

驚いたのは厳格な授乳管理です。

体重計も購入して、授乳前後の体重を測り、飲んだ量や体重の増減をきっちり記録しています。

「母乳をこれだけ飲んだからミルクを○○cc足して…」ということを毎回行っている姿に、「私の時は泣いたらお乳をあげるだけで、そんなに量とか体重とか気にしなかったけどなぁ」とつい口に出してしまいます。

そのほかに、「いまは体温調節のため、あまり靴下ははかせないのよ」と言うし、ケアの方法も、少しずつ違っているようなので、まずは娘のやり方を見てから手伝うようにしています。

でも、寝かしつけは私のほうがうまかった!

「ばぁばの神の手」と言われ、まんざらでもないのですが、待てよ、これは娘のおだて作戦かしら。

今は自宅に帰って、若夫婦で子育てをがんばっています。

家にいたときには、食事や洗濯物の量が倍以上になって、早く帰って欲しいと思うこともありましたが、帰ってしまうと寂しいです。「来て良し、帰って良し」は本当ですね。

でも大丈夫です。いまは便利なアプリがあって、娘がアップした写真や動画をスマホで見られるのです。

毎日たくさんの画像を上げてくれるので、離れていても成長の様子が手に取るようにわかります。本当に便利な時代になりました。

おまけにこのアプリ、アクセス記録がわかるので生存確認にもなるのですって。

そういうことなら、せっせと孫の顔を見ることにしましょう。

「ばぁば、生きてるよー」

■もっと知りたい■

K・やすな

漫画、アニメ、映画鑑賞、読書が趣味の自称「オタクな主婦」。子どものころは考古学者か漫画家志望。美術館めぐりや街歩きも好きだが、基本的に単独行動。なぜか、どこへ行っても道を尋ねられる。好きな花はカワラナデシコ。

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