「60の手習い」始めました(12)

「鏡よ鏡よ鏡さん…」は魔法の言葉?

公開日:2022.07.27

日舞を習い始めて鏡を購入することに。鏡は、いろんな事や物を映し出してくれるものだと、実感しました。

「鏡よ鏡よ鏡さん…」は魔法の言葉?
鏡の中の自分をチェックすることで、踏み出せる何かがある

シールミラーを購入

シールミラーを購入
ネットの評判はさまざまでしたが、購入したものはゆがみもなくクリアでした

踊りに鏡は必須。というわけで、ちょっと奮発して鏡を購入しました。全身が映る縦150cm、横90cm。持ち運びなど考えて、シールミラーというものにしました。

薄い鏡面状のシールで、本物の鏡よりはゆがみが出るということでした。とはいえ、私の持っている安物の姿見は、鏡なのにゆがんでいるのです。

シールの状態で壁に貼るか、ちょっとお高いけれどきちんと枠に貼ったものにするか、価格がずいぶんと違ったので、かなり悩みましたが、結局、枠に貼ったものを購入。これは大正解でした。

何の問題もなくクリアな見え方。鏡に比べて傷がつきやすいのが玉に傷なのですが、とにかく軽いのです。そして割れないので安全。

これからだんだん重いものは持てなくなるだろうから、いい買い物ができたかな。

鏡から舞台へのお誘い?

鏡から舞台へのお誘い?
若かりし頃の舞台風景。今では、体も心もついていけないと思っていました

8月の最初のお稽古の日、「発表会に出ない?」と先生。

「いやいや、まだ始めて半年で、そんな恐れ多い……」

聞けば、日舞、ダンス、歌、手品などなんでもありのエンターテイメントの発表会。

「最初だからこそ、こんな舞台に立つといいのよ」「せっかく鏡を買ったのだから」と発表会のチラシを渡されたのでした。

いや、鏡を買ったのは発表会に出るためじゃないないのです。

この年で、今さら舞台に立つ気はしませんでした。

確かに舞台に立つのは楽しいのですが、それまでの集中力、舞台にかける情熱、終わった時の虚脱感、そういうメンタルの荒波に、この年で飛び込むのもなーと躊躇していました。

なにより、日舞を始めて半年。曲がりなりにも他人様に見せるような踊りができるはずもなく……。

鏡から舞台への挑戦

鏡から舞台への挑戦

他人様には見せられなくても、等身大の鏡を前に姿や動きをチェックする毎日となったのです。全身を鏡に写して自分の姿をまじまじとチェックしたのは何年ぶりでしょう……。

鏡の中の私は正直です。体型もかわって格好悪いです。けれど、がんばってる姿も見せてくれます。少しでも美しく見えるようにと気を遣うようになります。昨日までできない所作ができたら、少しずつ自信がついてきます。

鏡の中の自分の姿を見つめることで、少しずつ何かが変わり始めていました。鏡と向き合う事は、自分自身と向き合うこと。

「鏡よ鏡よ鏡さん……」それはきっと、一歩踏み出すための魔法の言葉なのかもしれません。

もう若くはないですが、「あの頃のように輝きたい」ではなく「新しい自分を見つけたい」という気持ちがどんどん高まっていきました。

そして、日々鏡と向き合いながら、私は舞台に挑戦する事を決めたのです。

 

■もっと知りたい■

くわい

60歳になり、子育て・介護も終え、人生最後のステージへ。今まで想像できなかった60代!意外に楽しめる年代なんだと実感。今までやれなかったこと、いろいろと計画中。昔から考えいてた「60の手習い」は、ちょっとハードルが高い日舞を無謀と言われつつ選択。人生初は人生の終わりまでつきあっていけるでしょうか。

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