特技は人のためならず

小さな特技でも誰かの笑顔を作れたら一人前

公開日:2022/04/15

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私にはひとつ特技があります。とは言え、自慢できるほどではなく、人と比べて秀でてもなく、それでも誰かの笑顔を作り出すことができる特技です。

小さな特技でも誰かの笑顔を作れたら一人前
毎年、着付けの帰り道はこの桜を眺めます

和文化の中に暮らす

私は、創業100年という老舗旅館の女将ということもあり、毎朝着物を着ることから仕事が始まり、夜までその姿で過ごしていました。着物生活の方にはごく当たり前の、自動車運転も自転車走行も、草履ダッシュもする、アクティブな着物夫人です。

女将でなくなった今、着物はすっかり趣味のもの。仕事で着なくなった分、娘と二人で行く着物姿のお出かけが、今の私にとって心の栄養になっています。

和文化の中に暮らす
毎年2月3月に着る娘の着物は枝のある桜

卒業シーズン、門出に華を

毎年3月になると「人づてに聞いた」人から着付けを頼まれ、何日か朝4時起きが続きます。

今年(2022年)は、大学卒業の娘の友人と、小学校の先生をしている近所のお二人に袴を着せました。無資格ですから、お代は頂戴しませんが、誰かの門出を朝一番で拝見できる袴の着付けは、それだけでこちら側が得した気分になります。

袴をまとったご本人も、そのご家族も皆うれしそうに笑ってくださると、誰かの役に立てた自分に拍手をしたくなります。人のためにしていることは、やはり自分に返ってくるものです。

卒業シーズン、門出に華を
市内の小学校の先生、3年連続で卒業生の担任

祖母から母へ、母から私へと受け継ぐ文化

着付け経験は46年。しかし資格はありません。あるのは、親から受け継いだ知識と経験だけ。

10歳で自分の着付け、10代後半には友人に着付けるまでになりました。幼いながらも着物を自分で着られると祖母も母もうれしそうで、私はその顔がうれしくて、というスマイル連鎖が起こりました。

私の想像では、100年くらい前の日本では着物が普段着。その時代、きっと私のような「親から受け継ぐ着付け」はごく普通の事だったのでしょう。

母や祖母のように、家での丸洗いや和裁まではできませんが、祖母、母から受け継いだ着物文化は、私の宝物です。視力が落ちないうちに、ちょっとした和裁にもチャレンジしようかと思案中。が、その前に娘への継承もしていきます。

祖母から母へ、母から私へと受け継ぐ文化
着付けの必須アイテムはずっと大事に使っています

 

■もっと知りたい■

千妣絽

老舗旅館に嫁いで33年。4人の子育てと女将業にひと息ついています。独身時代のライター経験を活かして「誰かの為に尽くしてきた時間」を、自分メンテナンスに使う「私のイキイキ術」を聞いてください。Instagram:chi1965du Twitter:@chi1965du

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