50才からの転職(15)

未経験で不動産屋開業を考えている人たちへ

公開日:2021.09.16

2017年に業界未経験で不動産屋を開業した私。ここ最近、同じく未経験で開業しようかと迷っている方からメールをいただくことが数件ありましたので、今回はターゲットを絞って「未経験で不動産屋を開業」というテーマで書かせていただきます。

「不動産 未経験 開業」

「不動産 未経験 開業」で検索すると、ずーっと下のほうに私のハルメクの記事が出てくるのですね! いつのまにか自分が検索される側になっていることに驚きつつも、お役に立てればと思います。

気持ちすごくわかります! 私も開業を迷っていた頃、先駆者たちのブログを検索しまくりました。なので、あの頃自分が欲しかった情報は何だったかを振り返りながら、ミニマム不動産屋の話をさせていただきます。

経験者は語る、実務経験がないのは無謀です!

まず、まったくの未経験で開業はありか?

できないことはありません。私はなんとかやっています。ですが、できればせめて半年でもどこかで修行をすることをおすすめします。実務を知らないと心臓に悪いことまみれです!

経験者は語る、実務経験がないのは無謀です!
プレッシャーでしょっちゅうこうなっています……

宅建の資格があることと、実務はまったく違います。

言うなれば、ゴルフの道具を揃えて、動画で学んだだけでいきなりコースに出るようなものです。「良い子はマネしないでね!」と私は言いたいです。

不動産は売買となると扱う額も大きく、仲介業者の責任は重いです。4年を過ぎた今でも毎回新しい契約のたびに、プレッシャーは相当なものです。

身の丈に合った開業をおすすめします

身の丈に合った開業をおすすめします

次に私が4年以上継続できているのはなぜか? 大きくは2つあると思います。

一つ目は、私は最初から、不動産屋はこうあるべきという「常識」を取っ払って、経費をシビアに削減しています。

不動産屋には必須と言われるA3対応の複合機も、電話の転送機能もありません(メッセージで携帯番号をお知らせしています)。ホームページも、不動産協会の無料版のみです。

一般的な地方の街の不動産屋で、店舗を借りて従業員を一人雇ったら、毎月かかる経費は最低でも50万は必要らしいです。うちは自宅開業で私一人ですし、月の経費はその10分の1かと。

軌道に乗せるまでなるべく節約しようと試みたのですが、この4年間いろいろなものがなくても特に困らず、それで仕事がなくなったことも一度もありません。

二つ目は、まだ不動産屋としても、人としても未熟な私が言うにはあつかましいですが……。未経験で広告一つ出していなくても毎月仕事が途切れないのは、60年近く生きてきた生き様? と人脈かなと思ったりします。

ご縁を大切に

「あなただから」と依頼してくれるお客さまの信用だけはなくさないように、と肝に銘じています。私は目先の利益のために、嘘は絶対に言いません。

いろいろな人に助けられています!

そしてこんな初心者不動産屋が、致命傷を負わず継続できている最大の理由は、ひとえに周りのみなさんのおかげです!

初めてのことにぶちあたるたびに、先輩同業者に聞きまくり助けてもらっています。

いろいろな人に助けられています!
いつもお世話になっております!

前に仕事で一度しか面識のない大手のベテラン営業マンが、私が仕事でいっぱいいっぱいになっているときに、そっとうちの玄関先に資料を置いて帰ってくれたことがありました。涙が出そうになるほどうれしかったです。

いつか仕事で大きくお返ししなければと思いつつも、借りが大きくなるばかり……。

開業して、絶対にうまくいく保証はどこにもないけれど、自分で知恵を絞って、会社も自分自身も育てていくのが起業の面白味だと思います。心臓は間違いなく強くなりますよ(笑)。

感謝の気持ちを忘れずにがんばっていきたいと思います。

 

■もっと知りたい■

まつしたあやこ

まつしたあやこ不動産合同会社代表。53歳のときに契約社員の化粧品販売員から、まったくの未経験で不動産屋を開業。そして56歳で社会福祉士国家資格を目指して大学に編入と、50代からの挑戦ストーリー。「すべての女性をハッピーに」をモットーに、私なりに考え発信していきたいと思います!

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