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2024.12.122021年05月10日
チーフリーから江戸切子まで
美しいガラス工芸と生活
ガラスは眺めても、使っても、本当に美しいですね。あの限りなく澄んだ透明感、色付きのガラスも優しくてうっとりします。今回は国内外の有名なガラスについてご紹介します。
海外のガラス工芸
飾り気のないシンプルなガラスの花瓶に、季節の花を活けても似合います。ガラス越しに見える花の茎が「ああ、水を吸っているなー」とほほえましく思えます。切子の器でいただく料理は特別で、一層おいしく感じます。お部屋に一品でもガラスの装飾品があれば、やさしい気持ちになりませんか。
こんな風にして、予想外に、わたくしたちの身の回りはガラス製品に囲まれているかもしれません。
今回もシアトルの案内になりますが、シンボルのあのスペースニードルのすぐ近くに「チフーリー・ガーデン・アンド・ガラス」(Chihuly Garden and Glass) という、ガラス作品のミュージアムがあります。
展示の大部分は吹きガラスの技法での作品ですが、他にも大皿や箱型の作品もあります。屋外の庭の植え込みの中には、草花に合わせた作品がたくさん置かれていて楽しめます。
チフーリーの作品は花などのモチーフが多いのですが、これは彼が日本を訪れたとき、日本庭園と生け花に興味を持ち、その影響を受けたと語っています。州立ワシントン大学の分校のホールに、チフーリーの巨大なシャンデリアが天井から吊られているのは圧巻です。
世界各地にはそれぞれ特徴のあるガラス工芸が沢山あります。皆さんもよくご存じのエミール・ガレ(Emile Galle)も有名ですね。花瓶、ランプを多く作りました。
あとはベネチアンガラス(イタリア北部)や、クリスタルガラス (透明度が最高)、キュービックジルコニア(人工的にガラスを加工して、ダイヤモンドとして作り出されるもの)。ボヘミアンガラス(チェコ西部)は、無色透明のガラスに繊細な模様を入れるカットグラス、日本でも切子の名でよく知られています。高級な食器などに使われています。
日本でも展示会が開かれたフインランドの作家、アルヴァル アールト(Alvar Aalto)のシンプルな形が好きです。彼の作品は使いやすさと美しさの双方を兼ね備えた、フインランドの伝統と機能美を持っていると思います。これはフインランドの友人からのプレゼントで、アルヴァルの作品です。
日本のガラス工芸
日本の各地にも、近年たくさんのガラス工房ができ、若い方の斬新なデザインの作品に出会うことが多くなりました。それだけガラスの魅力が認識されてきたのでしょうか。ここでは一般的に名が広がっているものを、わたくしの勝手な思いで書かせていただきます。
日本で最も古いガラスは縄文時代末期のものがあるそうですが、初国産のガラスは弥生時代に入ってからとのこと。古くからビーズの首飾りがありましたね。
- 小樽ガラス
現在ガラスの街として、観光客の多くが訪れる名所になっています。古くは漁業用の浮き球や石油ランプを生産していましたが、今はグラス、皿などの食器やインテリア用品を作るようになりました。天狗山のすそ野にも、いくつかガラス工房があり、見学できます。
- 江戸硝子
昔から親しまれてきた、鏡、メガネ、かんざし、風鈴などを生産しています。
- 江戸切子
江戸硝子を使っています。光の反射が美しく、菊、麻など江戸模様を彫刻したものが多い。
- 津軽ビードロ
小樽と同じように漁業用の浮き球を生産しています。丈夫で色ガラスが特徴です。
- 肥前ビードロ
佐賀藩の薬瓶、酒瓶、ビーカー、フラスコなどの生産をしています。
- 薩摩切子
ガラスを重ねて成型するので、江戸切子よりも重いのが特徴。彫りの深さにより、また重ね削りにより、色彩の変化が実に美しいのです。薩摩の紅ガラスは何とも言えない優しい感じで、海外でも人気になっています。
- 琉球ガラス
駐留米軍の使用済みで不要になった色付きガラス瓶の再利用品です。透明感は少ないが、また違った味わいがあります。
いろいろなガラス製品が流通していますが、手作業で作るガラス製品はまったく同じものはなく、それが一品一品の味になります。ぐい飲み、椀、水指など、近年は色んな分野においてガラスを使う試みがされています。これから、どんなガラス製品が生み出されるか、楽しみです。
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