水中運動のすすめ(2)

水の恩恵で元気な体になろう!

公開日:2021.05.19

水泳指導歴30年の還暦スイマーが、陸上運動では得られない水中運動(水泳・アクアエクササイズ)のさまざまなメリットを紹介する第2弾です。

水は最適なトレーニングマシン

水は最適なトレーニングマシン
アクアビクス……楽しそうだな~ボクもやりたいな~~

前回の記事(水の効果で美と健康をゲット!)で水中運動には多くのメリットがあることをご紹介しましたが、まだまだ陸上運動では得られないさまざまな効果があります。

水の密度は空気の800倍以上です。ですから水中運動では、陸上にいるときと同じ動きをしても、多くの力が必要になります。例えば、腕を前後に動かす動作も陸上で行うのと水中で動かすのでは、当然水中のほうが負荷がかかります。

陸上運動ではダンベルやマシンの重さ、または自重によって体に負荷をかけてトレーニングすることが多いのですが、水中では主に運動のスピードで負荷を変えます。抵抗は運動スピードの二乗に比例して大きくなりますから、スピードが2倍になれば抵抗は4倍、動きを速くすればするほどエネルギー消費も飛躍的に増えます。

お風呂のお湯をかき混ぜるとき、ゆっくり行えば力はいりませんが、速くかき混ぜると腕に大きく負荷がかかります。また、水を手の平でしっかりとらえてかき混ぜると力がいりますが、手の平をひらひらと動かして水を逃がすようにすれば腕に負担がかかりません。

力が強い人は強いなりに、弱い人は弱いなりに、その人が出した力相当分の負荷が得られます。自分が出した力以上の負荷がかかることはないので、老若男女を問わず誰もが行えるのも水中運動のよさです。高齢者や障碍者のリハビリに水中運動が使われる一方、トップスイマーの逆三角形のマッチョな体も水中で作られたというのも、こうした水環境の特殊な効果があるからです。

水圧によって鍛えられる呼吸力!

水圧によって鍛えられる呼吸力!
還暦スイマーも肺活量には自信あり!?

私が水泳を始めてから20年ほどが経ち、50歳の健康診断で肺活量を測ったときのお話です。

測定した看護師さんが「あらっ? おかしいわね?」と言って再測定しました。50歳女性の肺活量平均は2700ほどですが、その時私は4000近い値が出たのです。「水泳をしています」と伝えると「なるほど、すごいですね」と肺活量を褒めてくれました(笑)。

水中では水圧の影響で横隔膜が引き上げられるため、腹式呼吸になりやすいといわれています。横隔膜を十分に使う腹式呼吸は、胸式呼吸と比べて50%以上も換気量が増大することが知られています。さらに水泳は陸上に比べて呼吸が制限されるので、呼吸筋が鍛えられ、スイマーは一般の人よりも格段に呼吸循環機能が高まるのです。

水圧の効果はまだあります。水圧は水深が10㎝深くなるにつれて1%ずつ増えます。推進1mのプールに立った時、足先には胸元より10%増しの圧力がかかるため、足先から心臓に戻る血液が増加して血流がよくなり冷え性などの解消に役立ちます。

水中運動を週に2回継続して行っていた人が「しばらくお休みしたら足がむくんで仕方がなかったけれど、水中歩行を再開したらすっきり解消した!」と喜んでいました。

実は今、東京都は緊急事態宣言でプールが閉鎖中です(2021年5月始め現在)。毎日プール漬けの私がもう1週間以上プールに入れていません。足のむくみや血流の悪さが気になってきました。体重も着々と増加中……。

早く水の恩恵が受けたくて、心も体もうずうずしています。

 

■もっと知りたい■

たちよみ

趣味も仕事も水泳、年齢別水泳大会に出場する還暦スイマーです。「100歳まで泳げる体と環境」を目指し、水泳の技術向上とトレーニングはもちろん、体力、筋力、コミュ力、財力など加齢にあらがう日々をお伝えします。私の趣味と仕事に欠かせないスポーツクラブライフは「楽しく、愉快に♪」がモットーです。

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