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- 50代から日々是挑戦 ~「想い出返し」のススメ
長年手つかずのまま実家に封印していた過去の遺物。その最たるものは、大量の手紙と写真でした。退職とコロナ禍で有り余った時間、意を決してそれらに向き合ったことで、意外な楽しみを見つけました。
時間ができたら、一番やりたかったこと
長い会社員生活で、忙しさを理由に先延ばしにしてきたこと。その一つが、実家に置きっぱなしにした荷物の整理でした。父の単身赴任を機に、転勤生活から郊外の戸建て暮らしが始まると、荷物は加速度的に増えていきました。実家からの独立も遅かった私は、いつか結婚するときに片づければいいという漠然とした期限を考えていましたが、結局その日を迎えることなく(笑)、五十路にして学生時代からの大量の想い出と向き合うことになったのです。
机の引き出しやクローゼットの段ボールからは、大学の教材、成績表、入社時の書類や年度別の手帳、給与明細の束、そしてアルバムに収まることなく積み上がった写真と手紙の山が……。重ねた年月の重みと自分の無精ぶりに、しばし呆然としました。
手紙の山から見つけた“想い”
整理に最も時間がかかったのは、手紙と写真です。年賀状こそ数年で処分するものの、封書や絵はがき、誕生日カードの類は、後生大事に保管していました。特に絵はがきは、旅先の友人や家族から、海外在住の知人から、滞在先で自ら実家に宛てたものなど、その数100枚以上。あらためて眺める写真やイラストはどれも懐かしく、貼られた切手も珍しいものばかり。何より、旅の空から気持ちを込めて書いてくれたのだと思うと、それだけでちょっとウルっとします。
メールやLINEの出現で、人との距離はずっと近くなり、私たちの生活に行き違いや待ちぼうけは無くなりました。でもあの頃は今よりずっと言葉を選び、人に丁寧に“想い”を伝えていたような気がします。写真も同じで、旅先や友人の披露宴で撮影したら必ず現像し、想い出を形で共有していましたよね?
「想い出返し」というサプライズ
結局、見返す楽しみのある絵はがきは保管、写真はシーン別に最小限にして簡易アルバムに収め、残りは破棄しました。ただ、明らかに「焼き増し」の渡し忘れや、破り捨てるに忍びない写真の一部は、被写体本人に送り返してみました。「想い出返し」という口実の下、処分を本人に委ねるという、暇つぶしを兼ねたサプライズです。昔のレターセットや、つい郵便局で買ってしまう切手シートも持て余していたので、これ幸いと。
この作戦、思いのほか好評でした。30年近く前のひとコマを懐かしんで連絡をくれる人、写真を見た子どもに「ママ、可愛い」と言われ、「ステイホームに最高の贈り物」と返してくれた友人も。ポストに、DMやチラシとは違う「手紙」がまぎれていたら、やっぱりうれしいですよね? 写真の処分に困ったら、たまにはこんなサプライズ、おススメです。
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