スナックママが55歳で社会福祉士の資格を取得!好奇心が大人になっても成長する秘訣
2025.01.28
更新日:2025年01月31日 公開日:2025年01月24日
長期的に稼げる「資格選び」に必要な視点とは
50代からの「資格」活用術2:「自分の強み」に合う資格の見つけ方
資格を取得すれば、即、収入に直結するわけではありません。長期的に稼ぐために大切なのは、「自分の強みに合った」資格選びにあります。第2回では、正しい資格を選ぶコツと、自身の強みや「軸」を見つける、“キャリアの棚卸し”の方法を紹介していきます。
解説は、高村祐規子さん
たかむら・ゆきこ 女性専門のキャリアアドバイザー&FP、人材育成コンサルタント合同会社キャリア&マネー協会代表。会社員、 シングルマザー、 起業を目指す女性など、 1万人以上のキャリア支援に従事するほか、大手外資系企業の女性向けキャリア支援プロジェクトや企業における女性社員向けキャリア研修の企画・運営なども行う。ライフイベントや社会変化を見据えたキャリアアドバイスに定評がある。 近著に『50代 ひとりでも一生お金に困らない「手に職」選び』(WAVE出版刊)
資格選びで収入が変わる?正しい資格の選び方とは

お金に困らない人生を送るためには、正しい資格選びが大切です。
日本には、3000種類以上もの資格があると言われています。そのような中で、「この資格さえ取れば一生安泰!」という魔法のような資格は残念ながら存在しません。
だからこそ、自分に合った資格を見つけることが大切なのです。
重要なのは、興味のある資格が
- これまでの自分の経験とどう結びつけられるか
- 不足しているスキルをどのように補っていくのか
という現実的な視点を持つこと。
また、需要の高い分野の資格を選ぶことも重要です。IT、医療系、マーケティングなど、ニーズの高い分野の資格を取れば、自分の市場価値が高くなる傾向にあります。
ただし、ここでも自分の強みとのマッチングが肝心。需要はあっても、自分には向いていない資格では、勉強も仕事も長続きしません。
難関資格を取得しても稼げるとは限らない

「合格率の低い難関資格を取れば、キャリアアップや収入アップが確約されるに違いない!」と思う方もいるかもしれません。
でも、現実はそう簡単ではありません。
例えば弁護士や税理士など、並大抵の努力では取得できない資格を取得しても、高度な知識が求められる分野のスキルや、専門性を持たないままでは高い報酬を得られません。厳しい競争にさらされて、安定した収入を得られないこともあります。
資格の真価は、それを「どう生かすかによって決まる」と言っても過言ではありません。
資格取得はゴールではなく、スタートです。その先は、資格を使って、いかに「自分の市場価値を高めていくか」にかかっています。では、「自分の市場価値を高め、稼げる資格」とは何でしょうか。
稼げる資格は、これまでの経験の延長線上にある

資格選びでよくやりがちなのが、「これまでとはまったく違った、新しい分野に挑戦しよう」とすることです。
新しい分野へのチャレンジは、もちろん大切です。でも、いきなり未知の分野に飛び込むのはリスクが大きいもの。「前職とはまったく違う仕事をしたい」という思いだけで、安易に資格取得を目指すのは賢明とは言えません。
というのも、実は多くの場合、あなたが本当に稼げる資格は、これまでの経験の延長線上にあるのです。
例えば、営業職として働いてきた人なら、「マーケティング関連の資格」がいい選択肢になるでしょう。営業で培ったコミュニケーション力やプレゼン力は、これらの資格でさらに磨きがかかるはずです。
事務職の経験があるなら、「MicrosoftOfficeSpecialist(MOS)」。ワードやエクセルの実務スキルを証明できるこの資格は、キャリアアップの強力な武器になります。資格を取得することで、「普通の一般事務」から「事務職としてのプロフェッショナル」へと、あなたの立ち位置を変えることもできるのです。
このように、これまでの経験を生かす資格を取得することこそ、キャリアアップの近道と言えます。
そのために大切なのは、自分の強みを客観的に分析し、その強みを最大限に生かすことができる資格を選択することであり、資格を「自分の武器」にするための最良の方法なのです。
自分の「強み」と自分に合った資格を見つけるには?

まずは自分の強みを見つけること。そこから自分に合う資格は何かを考えていきましょう。
ここでやってほしいのは、とにかく紙に書いていくこと。
自分の頭の中をどんどん整理し、ブラッシュアップしていくのです。せっかく、労力とお金をかけるのですから、事前準備はしっかりと行いましょう。
手順1:自分の仕事を振り返る

自分の強みを知るために、まずは「職務経歴書」を書いて、自分の過去の仕事を振り返ることから始めてみましょう。
転職経験のある方は1社目から順番に、「そこで何をしたか」「どんなことをやってきたか」を書き出します。文字化することで、自分のキャリアを客観視していくのです。
ここで大事なのは、それぞれの仕事で
- 具体的に何をしたのか
- どんな成果を上げたのか
- どんなことをやってきて、何ができるか
を挙げていくことです。
例えば、「経理を5年やりました」といっても親会社で5年経理をやってきたのと、子会社で経理を5年やってきたのとでは、業務の内容が少し違いますよね。
「こんなことも書いていいのかな?」という小さなことでも、思いつくままに書き出してみましょう。パートやアルバイト、ボランティア活動、趣味で行っていたことまで、細かく書けば書くほど、自分にできることが見えてきます。
仮に「クレーム対応で、お客様の満足度を90%まで引き上げました」なら、問題解決能力やコミュニケーション力があることがわかります。相手のために付き合う粘り強さを表すことにもなるはずです。
手順2:自分の「軸」となる経験を見つける

これまでの経歴や、やってきたことなどを時系列で書き出したら、次は共通点を探してみましょう。「軸」を見つけるのです。このプロセスは、自己理解を深める上で非常に効果的です。
もし、違う職種や業界を渡り歩いている人なら、「まったく関連性のない仕事ばかりやってきた」と考えやすいもの。でも、よくよく振り返っていくと、一本「軸」が通っていることがわかることがあるのです。
ここでCさんの事例を紹介しましょう。
Cさんは保育士、アパレルの販売員、雑貨店の販売員など、“脈絡なく”転職を10回ほど繰り返してきたといいます。
しかし、「なぜこの仕事を選んだのか?」という理由を掘り下げるうちに見えてきたのは、これまでの仕事に「人に接する仕事」という共通点があること。
Cさんは、無意識のうちに自分の「軸」に沿って仕事を選んでいたのです。
このように、仕事を棚卸ししていくと、自分の軸が自然と見えてきます。そして、自分が何を大事にしてきたかもわかってくるのです。
手順3:仕事から「大事にしていること」を探してみる

職務経歴書を書きながら、次のことも考えてみましょう。
- どのような仕事をしていたときに楽しかったか? やりがいを感じたか?
- 何をしているときに充実感を覚えたか?
- なぜこの会社を選んだのか?
- 当時は何を大事にしていたんだろう?
- やりたくなかったことって何だろう?
- 当時の仕事の中で、今でもやりたくないことは?
- やってみたら意外とうまくできたことは?
- リーダー的な役割は楽しかった? それとも苦痛だった?
- チームで仕事をする方が好きだった? それとも一人で仕事を進める方が好きだった?
これらを、職務経歴書の脇に色の違うボールペンで書き足していくと、自分のしたいことや仕事選びの基準、自分に必要なものなどが見えてきます。
私の場合、会社選びのポイントは「男女の給料が同じであること」で、やりたくなかったのは「飛び込み営業」。
やってみたら意外とうまくできたのは、数字に関する勉強でした。簿記2級の勉強をしたら意外と楽しくて、「数字って案外楽しいかも」と思えたのです。
キャリア相談ではお金の話がかかわってくることも多く、「それならFPの資格も取ってみよう」と思い、FP2級の資格を取りました。
と、このように自分を客観的に見ていくと、自分に合った資格の方向性がわかってくるはずです。
自分に合う資格の方向性が見えてきたら、今度は「どう生かしていくか」を具体的に考えていきましょう。次回は、「取得した資格を最大限に生かすための方法」について解説していきます。
※本記事は『50代 ひとりでも一生お金に困らない「手に職」選び』(WAVE出版刊)より、一部を抜粋して構成しています。
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#1:資格で「お金に困らない人生」を目指す
#2:「自分の強み」に合う!資格の見つけ方
#3:資格を「最大限に活かす」6つの強味
#4:資格で「収入アップ」する人の共通点
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