女ひとり旅を楽しむヒント

旅先で素敵なバーを楽しんでみませんか?

公開日:2020/10/09

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国内外問わず、ひとり旅が大好きな翠さん。今回は、長野県松本市を訪れ、バーでのひと時を楽しんだそうです。女性が一人でバーに入るのは難しくないのでしょうか? 翠さん流のバーの楽しみ方とは?

バーの楽しみ方

ひとり旅の楽しみは、夫おすすめのバーに行くこと

今回ご紹介したいのは、バーの楽しみ方です。夫は日本中のバーを何百軒と巡り、毎年行われる日本一のバーテンを決めるコンテストに足を運び、好きなバーデンダーの応援をするほどのバー好きです。その影響を受けて、夫おすすめの日本一のバーテンさんのいるお店へ行くのが、今回の私のひとり旅での楽しみでした。

 

女ひとり、バーで味わう至福の時間

旅好きな私には、日本国内にもいくつも好きな街があります。長野県松本市もその一つです。何といってもいいのは、城があり、温泉があるところ。お菓子がおいしいのも魅力です。そして、外せないのが、松本には日本一のバーテンさんがいること。

松本にある「バー・コート」は、蔵造りの落ち着いた建物の2階にあります。ドアを開けると木製の階段があり、それを2階まで登ります。その先のドアを開けると、ほの暗い中にも気品ある調度と灯りの空間が広がります。

カウンターに並ぶ肘掛け椅子に腰かけると、温かいおしぼりとともにバーテンさんの穏やかな表情が迎えてくれます。

私は、季節感のあるカクテルをお願いしました。今夜は、洋梨のフローズンカクテルでアルコールは少なめに。

カクテルができる前にスッとお通しのポタージュが運ばれてきました。ほのかにマッシュルームの香りがして、口に運ぶと気持ちもほころんでくるようです。胃壁を優しく温かいポタージュが守ってくれる感じ。

私がポタージュを楽しんでいる頃、カクテルがつくられていました。日本一のバーテンダーは指先まで一分の乱れもない立ち姿で、カクテルを作るときの美しく見事な所作は、まるで茶道のお点前を見るように少しの無駄もなく、しかも合理的な動き。

氷がグラスの中で触れ合う音、スクリューキャップの微かな開け閉めのかすれた音さえも、小道具の一部になり、カクテルが出来上がりました。真っ白いシンプルな布コースターの上に載せ、スッと目の前に差し出されるグラスの中では、柔らかな光の中に小さな宇宙が出現するのです。

そのバーテンダーは、女一人で松本に来て、それも数年に一度くらいしか現れない私のこともしっかり覚えていてくれて、静かに話し掛けてくれるのです。踏み込み過ぎず、遠く感じさせない会話の絶妙な内容のやり取りは、「サービス」というものの精神的な極みであると、私は常々思っているのです。このバーテンさんほどの巧みな高いレベルに達したサービスはなかなか味わえないのではないでしょうか。私がバーで過ごしている間、他の席の方にもしっかり気配りがされているのも伝わってきました。

ゆっくりと時間も空間も会話も楽しみながら、カクテルのグラスが空になり、2杯目はジントニックを注文しました。棚から取り上げたグラスを丁寧に氷で冷やし、さっと氷を空にして白い布でくるりとグラスを拭きあげ、柑橘類をシュッと絞り込んで、新たに氷を加える。その手さばきを見ていると、見事としかいえないのです。ジントニックを味わうのはもちろんなのですが、それまでの過程のすべてが味わいそのものなのです。アルコールに弱い私に合った適量で作られるジントニックは、最高の至福の時間をもたらしてくれました。

さあ、みなさんも素敵なバーという空間に出掛けてみませんか。

 

バーでの注文はあなたの好みのままに

バーでの注文

バーに一人で入るには、初めは勇気が要りますよね。私もそうでした。でも、「N.B.A」という看板を出しているバーは、決して怖くはありません。「一般社団法人日本バーテンダー協会」に所属しているしっかりしたバーテンさんがいるお店なのです。

そもそも、日本にバーができたのは、戦後になってからだといわれています。GHQ(連合国最高司令官総司令部)が乗り込んできて使用していた場所、そうです、マッカーサーなどが使っていた「旧東京會館」が始まりです。アメリカ軍の将校たちが昼間からお酒を飲む際に、体にも優しいようにとジンフィズにミルクを少し加えたものを飲んでいたようです。ミルクを分離させずに作るこの東京會館スタイルのジンフィズは、シェーカーの腕を試されるのです。その頃、東京会館で腕を振るっていた方が、日本のバーテンさんの先駆けだそうです。

北海道札幌市にある「バー・やまざき」にはそんな名人級の方が存在していました。(残念ながらお亡くなりになりましたが)切り絵が上手な方で、私の横顔もはさみでささっとシルエットを作ってくれました。我が家には、その方が作ってくれた、夫・私・次男坊の横顔の切り絵が額に入れて飾ってあり、旅先でのよい思い出の一つとなっています。

また、バーではノンアルコールでも少し弱めでも、自分の好みをいえばどのようにでも作ってくれます。我が家の娘などは、生意気にも大学生のころに「秋の色で何か作ってください」などど、いろいろ注文していました。

勇気を出して一人でドアを開けて、サッと座って、何か注文してそのバーの雰囲気や調度のしつらえ、会話などを楽しんでみるのはいかがでしょうか。しかし、くれぐれもグループで行き、雰囲気にそぐわない音量での会話や、長居は控えてください。できれば、一人か二人で、静かに時間を楽しんでほしいと思います。そして、2杯くらいでスッと切り上げて、帰ればよいのです。

数軒のバーを試してみると、きっとお気に入りのバーに出会えると思います。この秋、お気に入りの街で、お気に入りのバー探しをしてみませんか。

 

翠さんの記事

富士山の見える町で暮らす元気な65歳。半日仕事をし、午後はジムで軽く運動。好きなことは絵画を見ることと針仕事。旅先の町で買い求めた布でポーチやバッグを作っています。雨の土曜日は映画を観て、晴れた土曜日には尾根道を3時間ほど歩く。楽しいことが大好きです

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