孤独のグルメで五郎さんが食べた台湾の鍋をご家庭で!
2024.01.242020年08月24日
現地に足を運ぶことで見えてくることがある
イギリスのライで見つけたカフェで幸福感に包まれる
いろいろな国へ旅するのが大好きな翠さん。今回は、イングランド南東部のイーストサセックス州にあるライを一人で訪れたときのストーリーです。一度目に訪れてから、1日置いて、またライを訪れた翠さん。この街がとても気に入ったようです。
ロンドンからの気ままなショートトリップ
地図を見ていたときに、「Rye(ライ)」という地名を見つけて、嘘を意味する「lie(ライ)」と似た発音の街に興味を持ったので、ロンドンからライに日帰り旅行をすることにしました。
ロンドンのセント・パンクラス駅から1時間半ほど列車に乗って、いかにもイギリスらしい景色の中を走り、降り立ったのがライという街。ライはかつては港町でだったといいますが、ある日地殻変動により海が2kmも遠ざかってしまい、港の機能をなくしてしまった街です。そして、交通の便が悪かったことで、今日にいたるまでその地形や昔ながらの風景を残したまま存在する街です。最近ではすっかり観光地化してしまったようです。
中世の面影をそのまま残すライの街を歩く
ライの駅に降り立つと左方向に進み、レンが造りのかわいい建物を見つけたので、店の中に入ってみました。そこは小さな毛糸ショップでした。色とりどりの毛糸が棚に並んでいるのを見て、手芸好きの私は店員さんのおすすめの毛糸を買うことにしました。手作業で染色をした毛糸だというので興味が深く見て、買い物を楽しみました。それから、店を後にし、通りの両側に木枠と白壁の古風な家並みが続く石畳の坂を上っていきました。
街中の坂道を登りきったところに小さな教会がありました。中に入ってみると、神聖な空気感の中に光が満ちあふれていて、ステンドグラスが美しかった。
素敵な雰囲気の小さなカフェでティータイム
教会を出ると、その前に小さくてローカルな雰囲気のカフェがありました。老婦人が二人できりもりしている感じのお店で、店内に座っている人たちもこの地域の住民のようでした。
店頭には大きなお皿に盛りつけられた焼き菓子や揚げ菓子、プリンなどが並んでいて、欲しいものを選んで指差すと、お皿に載せてくれて、コーヒーとともに運んでくれます。地元のマダムや紳士たちは、お茶を飲みながら静かに会話を楽しんでいました。店内は幸福感に満ちあふれていて、まるで時間が止まったように感じるかわいいカフェでした。私もその空間に身を置き、静かにお茶の時間を楽しみました。
もう一度ライへ
すっかりライの街が気に入った私は、一日置いてまたライの街へと向かいました。ロンドンからは列車を乗り継いでの小さな旅気分です。
この日、偶然にもライの街のお祭りに遭遇しました。なんてラッキーなのだろう!
教会前では水夫の服装をした男性たち、お腹に響く太鼓の音、石畳に振動するステップのリズムがなんとも素晴らしいお祭りでした。意味はわからずとも、雰囲気でかつての港町だった水夫たちの勇ましい祭りであることは十分に伝わってきました。それを感じ取ることができてうれしかった。
楽器の音色、人々の歓声、仮装した赤い服の男性、結婚式。もうおめでたいことがいっぱいの街のにぎやかさは、一昨日の静かなライの街とは大違いで、街のもう一つの表情を見ることができました。
この街を二度にわたって味わうことができたことに感謝しつつ、またいつか来ることがあるかもしれないと、ライの街を後にしたのでした。