東大卒ピアニスト角野隼斗(かてぃん)のオンリーワンな音楽論
2025.03.07
公開日:2025年02月12日
一体どんな敵が来るのか
【敵】
現代社会の今へ、問題提起でしょうか。吉田監督、筒井作品にドはまりしました。広すぎる家に住んでる、おかしいけど、笑えないわが身に通じるから。急いで片付けなければ……。
映画【敵】
モノクロの映画をみました。
原作:筒井康隆 監督:吉田大八 主演:長塚京三
年老いたフランス近代演劇史を研究してる元大学教授、一人住まいの男の悲哀が良く描かれている作品です。
丁寧にきちんと料理を作ったり、麵類が好きな設定みたいです。おいしそうに蕎麦をすすります。
思わず食べたくなるほど……です。
女性、男性の教え子が家に訪ねて来たり、出版社の教え子も。彼は恵まれた環境です。執筆が継続できなくなったと告げられた時、本当は失意なのに相手を傷つけないよう気を使います。
しかし仕事がなくなった後の悲しみ、喪失感、ベッドを使い首に紐を巻き自死を試みるが果たせません。

この作品には、素晴らしい実力派俳優が出演してます。瀧内公美、黒沢あすか、河合優実、松尾諭、松尾貴史他。彼ら、彼女らも共に何とも言えない雰囲気の作品を創り上げているんです。
実際は有り得ないはずの亡くなった妻とお風呂に入ってるシーンあり、しかも彼女は天井から見ていたように話しまでします。ここはグッときます。まるで生きて傍にいるかのように。筒井作品の面白さに引きずり込まれます。
想像と妄想、我が身を思い身に沁みます。男も女も老後どう生きればいいのでしょうか?

親から引き継いだ納屋付き、井戸付きの広すぎる家、いつも使わないものでも捨てられない。その気持ちがよくわかります。何十年もそこにあるもので、あふれています。
以前マンションに住むという選択肢もあったけど、一人穏やかに古い家に住む方を選んだんですね。
一体どんな敵が来るのか
彼に忍び寄る不穏なパソコンに来るメール、敵が押し寄せてくる、一体どんな敵が来るのか?

老いや死についての恐怖心が和らぐような、知らず知らずのうちに向き合う準備ができるようなものにしたという吉田監督。公開前に賞がもらえた本当に話題の映画です。
知らぬ間に老後、真っ只中です。当然体力は落ちています。身体能力も上がる可能性は少ないです。
高い所に物を置かない、物を減らすことも大事ですね。
■もっと知りたい■
こんにちわ、同じライターをしている翠です。昨日、この映画を見てきました。ちょっと不可思議な,老いるということってこんなかな?と、考えさせられる映画でした。