落語体験記

「落語自由自在12~第8回 ハルメク落語会~」

公開日:2019.08.09

落語鑑賞が趣味のさいとうさん。毎回臨場感たっぷりのレポートを届けてくださっています。今回は6月下旬に東京・神楽坂で開催された、ハルメク主催の落語会の様子です。

「饅頭怖い」 三笑亭夢丸 

「ハルメク落語会」へ行ってきました。会場は神楽坂のアグネスホテル東京です



「万才くずし」という陽気な出囃子で、「ハルメク落語会」では毎回お馴染の夢丸師匠の登場です。

第8回ハルメク落語会です。盛大な拍手が沸き起こります。

「先程、女性に声を掛けられました。嬉しいものですね。お声をかけていただけるなんて。着物で歩いていましたので、分かったのだと思います。 『ハルメク落語会ですか?』 『そうです。ハルメクをお読みいただきありがとうございます。』『今日だったのね。 私は行かないけど』って言われて、がっかりしました」。 間を置いてから、会場を見渡し「こんなに沢山の方々にお越し頂き、ありがとうございます。」と軽く頭を下げます。

「先日福島に行きまして、 福島といっても郡山の近くで、郡山もどきの所ですが、お土産を頂きました。『何ですか?』って伺ったら『名物の草履パンです。』わらじトンカツとかは知っていますが、草履と言うとあまり美味しそうには感じませんで『美味しいんですか?』って思わず聞いてしまいました。贈り主が『私は好きではありませんが……』」。

ここで爆笑です。「甘すぎます、周りの砂糖を落とせば、食べられますが……。何かいかにも、体に悪そうなお土産でした」と言って場内を沸かせてから「饅頭怖い」に入ります。

この噺は登場人物が多くて大変ですが、笑う箇所も多く、夢丸さん手慣れた感じで噺をすすめます。「渋いお茶が一杯怖い」のサゲまで安心して聞けました。
 

漫才 宮田陽・昇

「夢丸師匠に誘われて、闇営業でやってきました。」と、いきなり笑わせます。「闇ではありません。」と突っ込み担当の昇(しょう)さん。このコンビはいわゆるしゃべくり漫才なので、分りやすくて好感がもてます。

お得意の地名を北海道から順に手で示しながらたどったり、陽(よう)さんが秋田出身で、昇さんが広島出身ですので、互いにふるさと自慢をしたりで、25分間たっぷり笑わせてくれました。

普通漫才は10分~15分ですので、こんなに長い時間楽しめるのはハルメクだけです。

「厩火事」 夢丸

5代目圓楽師匠や志ん朝師匠の演ずる「厩火事」では、髪結いのお崎さんがお仲人に「にいさん」と呼びかけますが、歌丸師匠のお崎さんは「だんな」と言っています。夢丸さんも「だんな」でした。落語協会と落語芸術協会の違いでしょうか?

お崎がマシンガンのように自分の不満をまくしたてるのが、まずは前半の聞かせどころです。話を聞いた仲人は、孔子が弟子の不手際により大切な白馬を火事で失った時、それを咎めず、弟子たちの体を心配して信頼を得たという話をします。

次に、それとは対照的に、瀬戸物を大事にするあまり家庭が壊れた武家の話をします。その大切なアドバイスの途中で、お崎がくだらない突っ込みをするのも聞きどころ、笑いどころです。そして家に帰ったお崎は、夫が大事にしている瀬戸物を割り、その反応をみますが、さて結末は?

お崎と一緒に聞き手はドキドキしますが 「怪我でもされたら、明日から遊んでて酒が呑めねぇ」のサゲに、笑いとため息が混じりました。
 

落語漫才 宮田陽・昇

夢丸師匠が演じた「厩火事」を、更にパワーアップした「厩火事」が、宮田陽・昇の二人で繰り広げられます。昇さんの奥様は柳亭こみちさん、史上初のママ落語家で真打です(こみちさんはテレビの若手大喜利でも活躍されました)。そのせいでしょう。陽さん昇さんともに、かなり落語には詳しいようで、お崎とだんなのやり取りがおかしくて、場内に笑いが弾けました。

次回の「第9回 ハルメク落語会」は、8月28日(水)です。会場はアグネスホテル東京です。
皆様、是非お出掛け下さい。一緒に笑いましょう。
 

■「ハルメク 旅とイベント」スタッフが、動画でこのイベントについてレポートしています。こちらの記事をご覧ください「三笑亭夢丸さんの古典落語とイチオシの漫才を楽しむ

さいとうひろこ

趣味は落語鑑賞・読書・刺しゅう・気功・ロングブレス・テレビ体操。健康は食事からがモットーで、AGEフードコーディネーターと薬膳コーディネーターの資格を取得。人生健康サロンとヘルスアカデミーのメンバーとなり現在も学んでいます。人生100年時代を健康に過ごす方法と読書や落語の楽しみ方をご案内します。

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