日本語の美しさを感じる言葉

「大和言葉」に宿る癒やしの力

公開日:2024.10.28

普段の会話や手紙で使用している言葉を一部大和言葉に変えるだけで、あら不思議。温もりのある上品な表現に早変わりです。どこか懐かしい雰囲気を持ち、素朴でポジティブな気持ちにしてくれる日本古来の言葉に興味をそそられます。

日常使いできそうな言葉

日常使いできそうな言葉


この上なく(最上である)、心に留める(しっかり覚えておく)、たおやか(淑やかで上品)、思いのほか(案外)、今しがた(たった今)、なごむ(落ち着く)、心がときめく(可愛い)などは、普段の会話に取り入れやすい言葉だと思います。

具体例だと「苦手な人」は「気が進まない人」に、「ごまかして」は「うまくかわして」のような柔らかい表現になります。

私のお気に入りの大和言葉

私のお気に入りの大和言葉


メールや手紙で「お手すきの時に」「心待ちにしています」「お目にかかれる日を」「お心づくし」「かしこまりました」をよく用いています。ただ私の身近にはこの類の言葉を使う人はいなくて、思い当たるとすれば……。

大手新聞社を退職後に独立された方の元で、3年ほどご一緒させていただきました。講演会や本の執筆、社会情勢の記事などを幅広く手掛け、相手により言葉(漢語・外来語)を見極めて話される姿は今でも惚れ惚れします。

来客はもちろん、電話での応対でもいつも穏やかでユーモアたっぷりに話される会話が魅力的で、耳に心地良かったのを覚えています。

その素敵な響きは、いつしか私の言葉として刻まれていったのだと思います。

新たに取り入れたい大和言葉

・いえ、とんでもない →お買い被りを

過度にほめられた時にお礼を言うと自惚れに聞こえるし、かといって否定し続けるのも相手の気分を害するので、こんな時に重宝します。

・外せない用事があるので →よんどころない事情で

あなたと約束したいが、どうしてもやむを得ない事情があると聞こえます。

・私には無理です →私には荷が勝ちます

頼まれた役割が自分には重すぎるときに使うと、負担が重すぎることを強く伝えられます。

新たに取り入れたい大和言葉

他にも

・ようこそいらっしゃいました →ようこそお運びくださいました
・ほんの少しですが →ほんのお口汚しですが
・どういたしまして →行き届きませんで
・いえいえ、下手ですよ →いえ、ほんの手慰みで

大和言葉はネガティブなことを伝えたいときや曖昧な気持ちを表したいときなどの場面でも、相手を傷つけずにより思いに寄り添った絶妙な言い回しになります。

いろいろなシーンで、自分の思いを誰かの心に深く伝えられたら幸せです。

■もっと知りたい■

蒲池 香寿代

大分県生まれ。小学校の時に恩師の先生との日記を機に何かしら記録することが習慣になっていました。結婚後は家計簿日記と運動不足解消の体操が日課になっています。元気なうちに念願のキャンピングカーで日本全国を横断するのが夢です。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

注目企画