ふるさとを旅する

瑞泉寺と木彫刻を訪ねて井波町へ

公開日:2023.12.07

コロナ禍明けで4年ぶりに故郷で両親や夫の墓参りをしました。そして、その翌日、富山県の井波町(いなみまち)へ足を伸ばし、子ども時代に訪れた記憶をたどりました。ノスタルジックジャーニーです。

瑞泉寺と木彫刻を訪ねて井波町へ
バス停の案内版も井波彫刻

井波町へ

小学生の時に遠足で訪れた町です。瑞泉寺という大きなお寺があって、その広々とした境内、井波彫刻の工房が軒を連ねる門前通り、とおぼろげながら記憶があります。私の故郷の市に隣接する、越中平野の里山の麓町です。

以前は「東礪波郡井波町」でしたが、「平成の合併」で「南砺市井波町」に変わりました。町自体も、かつてよりもずいぶん観光地として栄えているようです。

瑞泉寺へ

瑞泉寺へ
瑞泉寺山門

瑞泉寺は、北陸最大の大伽藍として知られています。

「宮大工の(のみ)一丁から生まれた木彫刻井波」と言われるように、井波彫刻の原点です。見事な彫刻が至るところに施されており、同行した娘としばし見とれていました。学童時代の記憶は建物の大きさと広い境内だけでしたが。

瑞泉寺参道は面白い

石畳の瑞泉寺参道(八日町通り)は、道の側溝の蓋までオシャレです。街路灯の柱も様々な彫刻で飾られ、思わず見上げてしまいます。

店舗の前に置かれた丸太を掘り抜いた腰掛け、家の表札や店舗の看板、バス停の案内板なども見事な彫刻作品で、まさに彫刻満載通りです。

瑞泉寺参道は面白い
   側溝

瑞泉寺参道は面白い

瑞泉寺参道は面白い

さらに、参道全体で木彫り猫が30数匹いるらしく「猫探しmap」まであるのです。子どもたちが遠足で訪れたら、きっと夢中になるでしょうね。

瑞泉寺参道は面白い
自販機にまで……

また、井波は時代小説の大家・池波正太郎の父祖の町で、彼は足しげくこの町に通ったそうです。

通りの一画に「池波正太郎ふれあい館」という小さな博物館がありました。

生前の愛用品や数々の著書本を拝見しながら、昔、二代目中村吉右衛門主演でTVドラマ化された『鬼平犯科帳』を楽しみにしていたのを思い出しました。

瑞泉寺参道は面白い

総ヒノキの旧・井波駅舎

参道を少し離れると、風情のある立派な建物が見えてきました。どなたかのお屋敷かと思ったのですが、近づいてみると旧・井波駅舎でした。

総ヒノキの旧・井波駅舎

中央に楼閣があり、手の込んだ屋根や欄間彫刻のある総ヒノキの駅舎です。

昭和9(1934)年の建築物で、今や廃線となった旧加越線の駅舎として使われていましたが、現在は「井波町物産展示館」・バス停留所・タクシー常駐所として活用されているようです。

見事な造りに惚れ惚れしながら、建物の周りを歩きました。

井波彫刻総合会館へ

井波彫刻総合会館へ
ある家の外壁に欄間彫刻が展示されていて……

最後は、井波彫刻総合会館。長い歴史や伝統芸術を持つ木彫刻の数々を展示する会館が平成5(1993)年7月3日(い・な・み)に開館したことは知っていましたので、ずっと訪れてみたいと思っていました。

数年前には日本遺産に認定されたそうです。会館の敷地内には彫刻工房も数軒並んでいて、展示されている見事な彫刻とともに、伝統の技術を間近で見ることもできました。

井波彫刻総合会館へ
数件の工房が軒をならべています

数十年ぶりに訪れた井波。子どもの頃の記憶をたどりながら、故郷富山の良さをあらためて実感することができた旅でした。

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

注目企画