広島雑遊

安芸の小京都で人生の一服

公開日:2024.01.20

〇〇の小富士が全国にいくつかあるように、小京都も各地にあるようです。広島県ですと、尾道・竹原・三次(みよし)などが小京都と呼ばれています。正月に帰省した娘を誘って八十路のゆっくり旅に出ました。目的地は、安芸の小京都“竹原”です。

安芸の小京都で人生の一服
安芸の小京都・竹原市の町並み保存地区

『マッサン』の竹原

「マッサン」の竹原
歴史民俗資料館の前庭に設置されたマッサン夫婦の像

竹原は広島県の東部に位置し、10年前のNHKの朝の連続テレビ小説『マッサン』の舞台となった町です。

『マッサン』は日本で初めてウィスキーを醸造した竹鶴政孝さん(ドラマでは亀山政春)の偉業と夫婦愛のストーリーですが、外国人の女性が初めて朝ドラのヒロインになったと話題を呼びました。私はそのヒロインの美しさにも魅せられて、毎朝欠かさず見ていました。

『たまゆら』の竹原

「たまゆら」の竹原

竹原はアニメ『たまゆら』の舞台になった町としても知られています。アニメのなかの街並みの美しさに憧れて移住してくる若者やカメラを片手に訪れる若者が多いと、最近のTV番組で見ました。

小京都の名にふさわしい古い街並みや風情が万人の心に染みるのでしょう。四角いコンクリートの建物ばかりを見慣れていると、昔見た大屋根の家や格子のある家は懐かしく、心が落ち着きます。

寄り道・戻り道

目的地は「竹原」ですが、東に車を走らせるなら福山まで行って「福山城」見学もいいな、と考えていました。

途中で、以前食べた牡蠣のフルコースをもう一度食べようと尾道ワーフに立ち寄りました。おいしいランチを食べて「福山」はいつか次回に、ということにして竹原を目指す戻り道にコース変更しました。

寄り道・戻り道
尾道水道を眺めながら

「人生山あり谷あり」といいます。

私の人生にはそれほど高い山も低い谷もなかったように思いますが、人生の岐路や寄り道戻り道は、特に意識していませんが、思い返すと数多くあったようです。

安芸の小京都・竹原

国の重要伝統的建造物群保存地区があり、庶民の家とは程遠い立派な家屋です。遺されている家具も立派でした。粗末ながらよく似た家具も子どもの頃の我が家にありました。「小京都」とは誰にとっても「こころの故郷」なのですね。

『マッサン』の実家の蔵元があり、また、レトロな洋風建築の歴史民俗資料館ではマッサン夫婦に出会えます。「マサタカさんは大きな夢に生きていらっしゃる。私もその夢のお手伝いをしたいのです」というリタ夫人の印象的な言葉がありました。

安芸の小京都・竹原
マッサンの生まれた家、蔵元です

安芸の小京都・竹原

竹林が多いというこの地は、その名にちなんでか竹細工も盛んなようです。

なんと、泊まった旅館のロビーには酒どころ竹原の酒の無料試飲コーナーがあり、早速、飲み比べてみました。

安芸の小京都・竹原

そして、その晩は温泉であたたまりました。ゆったり温泉に浸かり、上げ膳据え膳の一日は、私にとって何よりのビタミン剤です。

2日目は広島への帰り道途中に広島の酒どころ西条に寄り、酒蔵めぐりを楽しみました。その話は次回で。

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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