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- 4本の映画から「どう生きるか」を考える
信長時代の「人生50年」から、今や「人生100年」。この言葉もすっかりなじんできました。さあ、これから「どうする?」。映画好きな私ですが、今年観た映画にも「どう生きるか」のヒントがいくつもありました。
『生きる Living』(英国)
黒澤明監督の不朽の名作『生きる』を、ノーベル賞作家カズオイシグロの脚本でリメイクしたイギリスの映画です。
『生きる』の主演の志村喬がブランコに腰かけて「いのち短し恋せよ乙女」と口ずさむシーンが脳裏に焼き付いています(多分映画館で見たのではなく、後年TVで観たのだと思います)。
『Living』では、「ナナカマドのうた」(スコットランド民謡)になっていて、哀愁ただよう名シーンでした。
主人公は、定年を間近に控え、しかも癌の宣告受けた市役所職員。無気力になりがちな生活の中で、長年住民の願望であった公園の整備に精一杯取り組んで、まさに、死を前に「生きる」を実践した映画でした。
『オットーという男 A Man Called Otto』(米国)
妻を亡くして孤独と絶望を抱え、何度も自殺を試みる男オットーが主人公。お向かいに若い家族が越して来て、その奥さんのマリソルのお節介とも言える交流で、オットーが人生を再生していくストーリーです。
コメディタッチで人種や世代の多様性を描いた映画でした。
『キャロル オブ・ザ・ベル Carol of the bells』(ウクライナ・ポーランド)
戦時下、ポーランドに越して来たウクライナ人家族と同じアパートに住むポーランド人家族・ユダヤ人家族の生活を描いた映画。ドイツやソ連の支配下での3家族の苦難の物語です。
戦時下の押しつぶされそうな恐怖の中で、ウクライナ人の妻ソフイアの悲しみ・怒り・優しさに涙しました。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を先取りしたような映画で、その前年に製作された作品です。現実の戦争の悲惨さと重なります。
『君たちはどう生きるか』(日本)
宮崎駿監督のアニメ映画。母を亡くして喪失感にひたる主人公の少年真人が擬人化されたアオサギ・インコ・ペリカンが繰り広げるファンタジーの世界で義母(亡母の妹)を探す冒険物語です。
吉野源三郎著の小説『君たちはどう生きるか』は、主人公の少年が叔父のアドバイスで成長していく過程を描いていますが、宮崎アニメ『君たちはどう生きるか』は、少年の成長物語という点は同じですが、それ以外はほぼ別物です。
映画のファンタジーの世界にひたりながら、「どう生きるか」という言葉の重みを噛みしめました。
これからどうする?
「人生100年時代」の到来です。
体力・知力が下降線を辿るなか、「どう生きるか」という長期的なビジョンも大切ですが、まずは毎日を「どう過ごすか」を前向きに考えながら、八十路を歩いていきたいです。
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