広島雑遊

ダムの放流が見たい!

公開日:2023.06.21

先日の「立山黒部アルペンルートへセンチメンタルジャーニー(2023.05.06)」を読み返し、旅の余韻に浸っています。楽しい旅でしたが、黒部ダムの放流を見られなかったのが、やはり残念。そこで、広島県内のダムに足を延ばしてみました。

ダム放流見学のバスツアー

先日の旅では、日本一という巨大な黒部ダムに圧倒され、こんな大きなダムを作った人間の力に感嘆するばかりでした。

調べてみたら、広島県北西部の温井(ぬくい)ダムの放流見学ツアーがあることを知り、今度こそダムの放流を見ようと、参加することにしました。

ダム放流を至近距離から見られるように、4年ぶりに下流広場を開放するということで、期待がふくらみます。ランチとおやつ付きで4900円のワンデーツアー。プラス500円でバスの座席指定をしました。

圧巻! 温井ダムの放流

2001(平成14)年に建造された温井ダムは、建造物としては日本第6位の大きさを誇り、アーチ式ダムとしては黒部ダムに次いで第2位とか。

まずは放流を下から見学しようと、「下流広場」に向かいます。481段の階段を降りるか、エレベーターを利用するか、ということで、私は迷わずエレベーターを利用しました。そして200mくらいの長いひんやりしたトンネル廊下を歩いて下流広場に出ます。

放流は日に2〜3回、それぞれ10〜15分で、梅雨前(4〜5月)のダム湖の水位調節のために行われるとのこと。私が参加したのは5月の放流の最終日で、その日の最後の放流(3:00pm)でした。

圧巻! 温井ダムの放流

放流時間が近づくと、観光客が集まってきます。皆、色とりどりの雨合羽や傘で、子どもたちは雨靴も準備しています。いよいよ放流で「放流見学の心得」を納得しました。

迫力に圧倒されつつ、水煙やしぶきでマイナスイオンをたっぷり浴びることができました。今度は堤頂からダムを眺めることにして、エレベーターで引き返しました。

圧巻! 温井ダムの放流

高所恐怖症の私はエレベーター派ですが、階段派の添乗員さんは100mの高低差の481段(語呂合わせで俗称「しわい階段」)を休み休み15分かけて降りたとのこと(上りはエレベーター派に転向)。

「しわい」とは地元の方言で「しんどい」「苦しい」「つらい」という意味だそうです。それで481段に設定したのでしょうか。

圧巻! 温井ダムの放流
矢印の先に見えるのが「481階段」。提頂の両サイドにあります。

秘境・三段峡にも足を延ばす

温井ダムの底に沈んだ地域には、娘に化けた龍が住んでいたという伝説があり、その伝説にちなんでダム湖は「龍姫湖(りゅうきこ)」と名付けられました。

秘境・三段峡にも足をのばす
龍姫湖とイメージキャラクター龍姫さま(ダム展望台のある建物外壁に)

近くには、峡谷美が凝縮されていると言われる名勝「三段峡」があって、観光ルートに入っています。

私たちもダム見学の前に立ち寄りましたが、広島を代表する秘境と言われるだけあって、眼下に溪谷の流れを見ながらの森の散策で、五感をリフレッシュできました。 

秘境・三段峡にも足をのばす
三段峡への細道へ。眼下の石灰岩の間を流れる渓流。進行方向右手に赤滝をみて引き返しました

ただ、残念ながら、2018年7月の西日本豪雨による土砂崩れで今も通行止めの箇所があり、目的地の三段峡までは辿り着けませんでした。

この地域の水系は山あいを縫うように蛇行が繰り返され、大雨時の水位上昇が早いと言われています。

日本列島は梅雨季が始まりましたが、あちこちの記録的大雨被害のニュースが飛び込んできます。やはり治水は古今東西の最重要課題だということを、今回のバスツアーでも実感しました。

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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