八十路を歩く(7)

立山黒部アルペンルートへセンチメンタルジャーニー

公開日:2023.05.06

ふるさとの友人がメールで送ってくれた写真が、私を故郷の旅へ誘いました。立山連峰と桜、菜の花、チューリップの「春の四重奏」です。

立山黒部アルペンルートへセンチメンタルジャーニー
「春の四重奏」立山連峰・桜・菜の花・チューリップ

「仰ぎ見る立山連峰」

「富山県民の歌」の冒頭のフレーズです。

私が卒業した高校の校歌にも「高き立山天そそり」という一節がありましたが、故郷・富山県の風景に溶け込んだ、立山連峰の雄大な山々は望郷の念をかきたてます。 

「仰ぎ見る立山連峰」
富山湾の屏風のような3000m級の山々が連なる立山連峰、世界の絶景と評されています

私はふるさとのことをどの程度知っているのだろうか、と時々考えます。「いつでも行ける」と若い頃は思っていて、とうとう行けずじまいの場所もたくさんあります。

これまで、「一度は」「最後にもう一度」という思いで「能登の旅」(2020.4.30)や「瑞龍寺」(2020.2.4)の記事をハルトモ倶楽部に書かせていただきましたが、今回は「一度は」と「もう一度」の両方の思いで「立山黒部アルペンルート」ツアーに一人参加しました。

50数年ぶりの富山市

50数年ぶりの富山市
ガラス張りの建物と富岩(ふがん)運河を囲むような、豊かな水辺の富岩運河環水公園

ツアーの初日は15時ごろに富山入りしましたので、夕食までの時間を利用して「世界一美しいスターバックス」へ。もっとも、地元の人はほとんどそんな評判は知らないようでした。

50数年ぶりの富山市
富山市ガラス美術館(2015年オープン)

続いて、「富山市ガラス美術館」を見学。よくわからないながらも吃驚する作品を堪能しました。もともとデパートがあった場所にオープンした美術館で、ずいぶん街の様子も変わっていて、浦島太郎の気分でした。

大谷ウォーク

今回のツアーのメインは、豪雪の立山に春の訪れを告げる「雪の大谷ウォーク」。

1994(平成6)年に始まったそうです。豪雪に悩む地元民の発想ではなく、観光客の「雪の大谷」を見たいという希望が関係機関を動かして実現した、大きな観光資源です。

大谷ウォーク

観光客は、バスの3倍近くの高さの雪壁が両サイドにそびえる舗装路を歩きます。観光客の多いこと、とくにアジア系の観光客が多かったようです。

黒部ダム

突堤が日本一高いところにあるそうで、のぞくのが恐いくらい。こんな巨大な建造物をよくぞ造ったものです。1963年開業ですから、このダムは日本の高度成長とともに歩んできたのですね。

若い頃に観た映画『黒部の太陽』(1968年、主演・三船敏郎、石原裕次郎)を思い出しました。

黒部ダム

黒部ダム

ダムの放水は圧感だと聞いたことがありますが、放水は6月26日から10月15日の期間に実施されるようです。放水を見られなかったのは残念でしたが、この巨大なダムや深い谷から、放水のすごさは容易に想像できました。

トロッコ列車

2泊3日のツアーの最終日は、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車に乗って黒部峡谷観賞です。

深い谷、新緑の木々、遠景の残雪山、猿専用の釣橋などを眺めて、早春の黒部の大自然を体感しました。

トロッコ列車

この黒部峡谷には、子どもの頃に来たことがあります。

小学2〜3年生の頃、近所の同じ年頃の女児4人がその母親3人に連れられて、木の箱に腰掛けを置いたトロッコに乗って鐘釣まで行きました。谷底の河原に降りて、砂を掘り、石で囲うと露天風呂の完成。シュミーズ姿で、水遊びならぬお湯遊びをしました。

今回はトロッコの線路工事のため、鐘釣までは行けませんでしたが、そんな昔の懐かしい思い出に浸りながら、センチメンタルジャーニーを楽しみました。

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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