一度はしておきたい その10
娘と満喫した初めての能登旅
「死ぬまでにやっておきたい事にチャレンジしたい」と話す好奇心旺盛なとし古さん。少し前のことになりますが、2019年に初めて旅をした能登半島のレポートです。
千里浜なぎさドライブウェイ
帰郷ついでに、娘と能登半島へ
松本清張の小説やテレビのサスペンスドラマやなどの舞台によく出てくる能登半島は、私の故郷、富山県の側です。日本海側で最も突出面積が大きい半島ということですが、富山県側からは半島の付け根あたりの氷見までしか鉄道が通っていないため、子供時代の私には能登半島はほぼ秘境でした。
昨年(2019年)の晩秋、用事があって帰郷することになりました。娘も同行したので、用事が済むと、娘の運転するレンタカーで能登半島に出かけることにしました。故郷に近いからいつでも行けると思っていましたが、80歳近くになってようやく初めて訪れることになりました。
富山湾を右に眺めながら北上。途中の雨晴(あまはらし)海岸は懐かしく、子ども頃、海水浴によく連れてきてもらった海です。富山湾の遠景に3000m級の立山連峰の山々を望み、近景には義経岩。奥州に落ち延びる途中に義経が雨宿りをした岩として知られ、それが地名の由来になったとのこと。今や世界の名勝に数えられているようですが、四季折々さまざまな表情の景色を見せてくれます。私は、立山に雪かかった晩秋のこの景色が一番好きです。
サスペンスドラマでよく見る、あのシーン!
さて、サスペンスドラマでは、日本海の荒々しく打ち砕ける波を背景に恐々しい仮面をつけた人たちが打ち鳴らす太鼓がドラマを盛り上げるというシーンがよく見られます。
この御陣乗太鼓は「無形民俗文化財」に指定されているそうで、一度観てみたいと思っていました。輪島に一泊しましたので、夜、輪島キリコ会館前の広場で観賞しました。その昔、樹の皮で仮面を作り海藻を頭髪に見立て、太鼓を打ち鳴らしながら上杉謙信の軍勢に夜襲をかけ追い払ったとか。寒々しい夜の広場で怪物の夜襲を思わせる太鼓のリズムは迫力満点でした。
輪島名物の「朝市」や昼と夜の「白米千枚田」も見学。白米千枚田は棚田のことです。日本海に面して小さな田が重なり海岸まで続く絶景は、国指定文化財名勝に指定されています。
さらに、松本清張の『ゼロの焦点』の舞台となった「ヤセの断崖」で、日本海の荒波に侵食されたのか、複雑に入り組んだ海岸線や断崖を見渡してきました。その近くにある「義経の舟隠し」は、頼朝の追っ手から逃れる義経らが奥州へ下る途中、48隻の舟を隠したといわれているとても細長い入り江です。

旅の終わりは、娘が高校時代の修学旅行で行ったという「千里(ちり)浜なぎさドライブウェイ」へ。砂浜をドライブできる日本唯一の砂浜で、全長約8kmの海岸線です。
高校生がぎっしり乗った数台の大型バスが隊列組んで砂浜を走っている風景を思い浮かべるだけで楽しくなります。穏やかな日和の中、浜辺で釣りをする人もいます。浜辺の焼買店で、大きなハマグリを堪能しました。
富山県側の能登半島と日本海側の能登半島の対照的な景観を体感し、生まれて初めての能登半島の旅を満喫しました。
とし古
祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。
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