八十路を歩く(11)

「山の日」に想う

公開日:2023.08.23

ハルトモライターの杉崎夕子さんの「富士登山ガイドになります」(2023.07.19)を読んで感銘を受けました。杉崎さんの足元にも及びませんが、私自身のいっときの山女歴(?)を思い出し、当時の記憶をたどりました。

「富士は日本一の山」

小学校唱歌の一節です。本当に稜線の美しさは日本一、いや世界一かも知れません。日本全国に「小富士」と呼ばれる山がいくつかあるゆえんでしょう。

その富士山に、私は1995年8月に登りました。50代前半のことで、随分若い時だったんだ、と写真を見ながらあらためて思いました。

当時、わがまちの「山歩きの会」に入っていて、そのメンバーの6名でパーティを組んで挑戦しました。

5合目までバスで行き、そこからいよいよ登山開始です。8合目の山小屋で仮眠をとり、ご来光を拝するために夜中の2時に起きて、頂上をめざしました。

私たち6名のうち3名が高山病に罹って8合目でご来光を拝し、下山しました。私とリーダーの男性とアメリカ人の女子大生の3人がなんとか頂上に立つことができました。

「富士は日本一の山」

ところが「行きはヨイヨイ 帰りは怖い」でしょうか、下山道は小粒の溶岩が砂利を敷き詰めたかのように転がっていて、滑って転んでしまいました。なんとか歩けるものの、5合目で待っているバスの出発の時刻に間に合いそうにもありません。

よくあることのようで、担架で運ばれていく人、倒れて担架を待つ人など、幾人も見かけましたが、私は馬に乗ることしました。手回しよく、馬が待機しているのです。そして無事下山しました。

広島市周辺の山々を歩く

広島市周辺の山々を歩く
『ふるさとの山歩き』中国新聞社
私のバイブルのような本。登る山、歩く山の情報を得ました

中国地方の山々は、鳥取県の大山(だいせん1710.6m)が最高峰です。3000m級の山々が連なる中部地方とは違いますが、どの山も皆美しく、特徴があって面白い。

例えば白木山(しらきやま)。広島市近郊随一の名山(889.9m)とかで、なかなかの難所でした。急勾配の山道をランニングスタイルで走っている人に出会いました。富士マラソンなどの山岳マラソン選手の練習場に、また国体登山の予選会場になる山です。

黒滝山(260m)・白滝山(340m)も印象深く思い出されます。黒滝山の1mほどの「幸福の鳥居」を通り抜けられると幸せになれるそうです。

広島市周辺の山々を歩く
黒滝山(竹原市)の「幸福の鳥居」、どうにかくぐりぬけられました
白滝山(三原市)の磨崖仏、黒滝山から1時間ほど歩いて拝します

山歩きをしていたのは、50代の7年間ぐらいでした。今や植物公園でもふうふうハアハア状態ですので、よくぞ登ったものだと思います。

広島市周辺の山々を歩く
前述の本の表紙の裏に、私の山歩きの記録を書き付けていました

憧れのエアーズロック

コロナ禍が始まって自粛生活を強いられていた頃、ハルトモ倶楽部ライターに編集部から課題が出されました。コロナ禍が明けたら何をしたいか、どこに行きたいか、と問われたのです。

私は「海外はエアーズロック、国内は白老町」(2020.09.10)を書きましたが、まだどちらも実現できていません。エアーズロックは豪州の登山制限と私の膝の具合から見てもう無理、でもせめて麓からでも眺めたい、と思っているのです。

憧れのエアーズロック

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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