好奇の目・偏見にさらされても、変わらずいられた理由
2024.10.06
公開日:2023年11月03日
【シリーズ|彼女の生き様】山田詠美#5
50代で出会い、再婚。大切にしている二人のルール
お互いのことを面白がらないと ダメなんじゃないかと思うの。 私はいつもくだらない冗談を考えていて、 彼を待ちかまえているわけ(笑)
出会いは道端で、ハーモニカを吹きながら
――山田さんは2011年、51歳のときに10歳年下の日本人男性と再婚。恋愛は出合い頭の事故のようなものと語っていた山田さん、いかなる出会いがあったのでしょう。
私はいつも行きずりの感じで付き合い始めちゃうのですが、今の夫とは道でハーモニカを吹いていたときに出会いました。ふふふ。何それって感じでしょ?
あの日は新宿の文壇バーで20周年記念パーティーがあって、お店に入りきらなくて外の道に立って飲んでいたんです。冬の寒い夜でした。私がそこでハーモニカを吹いていたら、彼が話しかけてきたので「こんなところでは何ですから、うちに行きましょう」と。それからずっと一緒にいるんですけど(笑)。
出会った年、3月11日に東日本大震災が起きて、実はその日にプロポーズされました。ちょうど一緒に家でテレビを見ていたときに、突然すごい地震の揺れに見舞われて……。その後、彼から「結婚しようか」と言われたのです。
山田さんが書いた夫の似顔絵。リビングに飾って
明日死ぬかもしれないと思っているから
結婚して、もう10年以上がたちました。彼といると、心の底から安らぐの。出会った頃からその感覚は変わりませんね。
二人の生活にはルールがないんです。敢えて言えば、とにかく互いに空いている時間は一緒にい...