50代からの夫婦関係、見つめ直して幸せ老後に#3
岡野さん「夫婦の不満は『私スゴイ!』に発想転換」
岡野さん「夫婦の不満は『私スゴイ!』に発想転換」
更新日:2024年01月27日
公開日:2021年08月12日
夫に家事してほしいなら『賢く導く』

ー 夫婦の関係は十人十色。相手に家事の協力を頼みたい場合、どうしたらいいのでしょう?
岡野あつこさん(以下、岡野さん)
「『夫に家事を仕込んでいます』という人も、決して夫婦間のイニシアティブを妻側が握っている、というわけではないでしょうね。手の平で上手に転がす、おだててその気にさせる……。その方法は相手によってそれぞれでしょうが、上手に協力体制に持ち込むことができればしめたもの。とはいえ、熟年夫婦は長年連れ添ってきた分、お互いの本音や手の内がわかってしまっているのも事実。やはりここは、策を弄するよりも誠心誠意、という態度が大切なんだと思います。
今まで家族のために働いてくれた、そのことには心からありがとう。その上で、もう少し、手伝ってもらえたら助かるのよ、と謙虚に、かわいくお願いしてみるのがいいと思うのよ」
ーか、かわいく? 筆者は結婚20年超の50代ですが、同世代を代表して、いまさら「かわいく」にはちょっと抵抗を感じますが……。
岡野さん「いやいや、何もフリフリの服を着なさいとか、幼いふりをしなさいって言うんじゃありません。言い換えれば『かわいげ』かな。難しく考えなくても、
・素直で
・笑顔で
・憎まれ口と仏頂面を封印!
これだけ心掛ければOK。『言い方』に気を付けたり、言葉に気持ちを込めることはできるはず。夫の冗談に笑ってあげる、夫が愚痴を言うなら『あらまあ、大変ねえ』と同調してあげる。夫に頼んだ家事が思い通りでなくたって、最初から100%を期待しちゃだめです!」
A「これはここじゃないって言ってるでしょ!いい加減覚えてよ!」
B「このお皿はしょっちゅう出番があるから、出しやすいところに置いた方が何かと楽よ」
AでなくBのように言い換えるだけでも、角が立たなくなります。そして、どんなに小さなことでも「ありがとう」と伝える"誠意を持って""賢く"接すると心掛けるだけで、関係は変わると岡野さんは言います。
「私ってすごい!」と発想を転換して自分を輝かせる

岡野さん「そんなに忍耐強くできないわ、と思う人は、ちょっと発想を変えてみてください。夫が〇〇してくれない!と、相手のことばかり考えるのはちょっと置いておいて、『私ってすごい!』って、気持ちを自分に向けるのはどうでしょう。 夫の言うこと・することにイラッとしても『いつもありがとうね』とだけ口に出してみる。感謝している気持ちがウソじゃないのなら、口から取り出すのは『感謝』の方だけにしておく。そして心では『家事ができない夫にありがとう、って言える私ってすごい!』って自分をほめてあげればいいんです」
ー相手に迎合する必要はないということですね。
岡野さん「一方的に相手に合わせるなんて、ストレスになるだけですから。むしろ、自分で自分を『なりたい自分像』に近づけていく、ということです。憧れの女優さんとか、ドラマのキャラクターでもいい。『〇〇だったら何て言うかな?』と考える。
するとあなた自身が、夫はもちろん他人から見ても感じのいい人になっていきます。それが癖になれば、付き合いにくい夫と接するモチベーションも上がって『私ってすごい!』と、イキイキできる。夫をどうにかしようと思うより、キラキラした理想の姿になれるように、自分を変えればいいんです」
夫と共有する話題がない人はどうすべき?

ー読者アンケートの中には「共通の話題がなくなった」という、熟年夫婦特有の変化を感じるコメントもありました。
- 就学で子どもが家を離れる、結婚する、親を見送るなど、夫婦としてしないといけない事柄が片付くごとに、共通の話題もなくなった。一緒に暮らす必要性も薄れた。(Y.M 65歳 既婚35年以上)
岡野さん「もし共通の話題がないのが嫌なら、他に気を紛らわす何かを作るのが一番ですよね。ペットを飼う、というのもおすすめ。共通の趣味が持てればなおよし。話題がないなら自分から『作る』くらいのつもりでも」
ーとはいえ趣味もまったく違う、動物も好きじゃない、という場合はどうしたら?
「沈黙がつらいという人は結構いますが、相手がしゃべりたがっているとも限りませんよね。妻が無理して話しているのに、実は夫は負担に思っている場合も……。私もおしゃべりだから、黙ってるのって難しいんですけど(笑)。沈黙=不機嫌、とは限らないってことです」
ーこれは夫婦というよりは、各人の問題なのかもしれません。それぞれ、定年や子どもの独立で社会とのつながりが薄れた結果、話題がなくなってしまっているのかも。
岡野さん「伴侶がいようと・いまいと、自分の人生はあと何十年も続くのだから、何かしら社会とのつながりを持つことは、生きがいを持つ上で大切かもしれません。趣味でもボランティアでも、スマホの使い方を覚えてSNSに挑戦するのも、新しい世界が広がるきっかけになりますよ」
「自分」の評価軸を夫に置くのはしんどい

ー新しいことにトライしようとするとき「私なんか」と、つい頭に浮かぶことがありますよね。夫から「世間知らずのお前に何がわかる!」そんなふうに否定されて、自分を低く見る癖がついている人は要注意だと岡野さんはいいます。
岡野さん「その呪縛から抜け出すには夫以外の『自分を肯定的に見てくれる人』に会うことです。昔の友達でも、誰でもいい。自分には主婦経験しかないと思っていても、その経験や才能はきっとどこかで役に立つはず。夫が否定的なことを口にしても無視してよし!『夫の評価=あなたの価値』ではありません。自分自身の評価軸を夫に置くのはもうやめましょうよ」
夫婦関係を見つめ直すとき、まず大切にするべきは自分自身。自分の価値を自分で認めてあげるところから始めるのが、結果的に風通しのいい夫婦関係にもつながりそうです。
岡野あつこさんのプロフィール

おかの・あつこ 夫婦問題研究家。離婚診断士®️。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。
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