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- 熟年夫婦の「卒婚」肯定派は67%!実行中という人も
最近よく聞く「卒婚」、どう思いますか? 読者150人に聞いた「夫婦関係に関するアンケート」では、婚姻関係を続けながらも夫婦の距離を置く「卒婚」に肯定的な人が67%も。「卒婚何から始めるの?」「ただ今実行中!」というリアルな声をお届けします。
卒婚で「適切な距離感を保つ」!ハッピー熟年夫婦の要件
※この記事は2021年6月、ハルメクのモニター組織「ハルトモ」の女性150人(50~54歳=14人、55~59歳=32人、60~64歳=87人、65~69歳=17人)を対象に実施した「『夫婦関係に関するインターネットアンケート」をもとに制作しています。
長年結婚生活を送る中、現在「既婚」「離婚経験あり、再婚」と回答した129人に、「夫婦関係で変化を感じることがあれば具体的に教えてください」と質問したところ、フリーコメントで「特にない」と答えた人が22人(17%)、102人(83%)の人が何かしら変化を感じていることがわかりました。
熟年夫婦が変化を感じたタイミングを分けると……
- 子どもの独立
- 定年・退職
- 体の心配や年齢を感じること
- コロナ禍での暮らし方の変化
- 親の介護
- 相手への気持ちの変化
子どもの独立や定年、暮らし方の変化を機に、「会話が増えた」「体をいたわりあうようになった」「感謝を言い合うことが増えた」「互いに関心が向くようになった」といった、プラスの関係性に変化したという声が集まりました。
その一方で、「言葉遣いに苛立つようになった」「うっとうしく感じる」「自由がない」「生活態度が嫌だ」とマイナスの関係性になってしまったという人の声も、ほぼ同数集まった結果に。
プラスの関係性に転じたという方のコメントを見ていると、どうやら「共通点」を持ちつつも、「ほどよい距離感」を保っている特徴が見えました。
- 若い頃はいつも一緒が良かったが、今はお互い好きなことをして縛られず、食事や旅行に出掛けるときは一緒に。(M 65歳 結婚歴35年以上)
- 子ども達がそれぞれ嫁ぎ独立してから8年くらいたち、 夫婦2人での生活が日常になってきた。夫婦共に仕事を持っているので、社会との繋がりもあり、会話も多々あるので今のところは変わりなく平和に暮らしている(わんちー 64歳 結婚歴35年目以上)
- 良くも悪くも、ある程度の距離感を持って接する同居人と考えるようになった。そのように考えれば穏やかに過ごせる。(Y.O 65歳 結婚歴30~34年)
- 親の介護がお互い始まり、休日2人で行動することが多くなった。(Y.K 58歳 結婚歴25~29年目)
「卒婚」とは?「卒婚」に興味がある人が66.7%!
夫婦は「二人」と、ひとくくりで語られがちですが、もとはと言えば「一人」+「一人」。
一個人同士に立ち返って、ほどよい距離を保ちながら、制度上の『結婚』を続ける、その一例として「卒婚」に興味がある人も多いようです。
「卒婚」とは、2004年に教育ジャーナリストであり、『卒婚のススメ』(静山社文庫刊)の著者、杉山由美子さんが造った言葉です。婚姻している夫婦が「互いに必要以上に干渉することなく、自由を認め合って、最低限のルールを守り、ゆるやかなパートナーシップを築いていく」という、新しい夫婦の形を表しています。
数年前には、大物芸能人や歌手が「卒婚宣言」をして、世の中に広まった感があります。気になる卒婚についてもアンケートでは質問してみました。
Q.「卒婚についてどう思いますか?」アンケート結果
- 実践中…15.5%
- 実践したい…19.4%
- まあまあ実践したい…31.8%
- あまり実践したくない…9.3%
- まったく実践したくない…12.4%
- 理解ができない…11.6%
という結果に。「卒婚」肯定派が66.7%で、「卒婚」否定派を上回るということがわかりました。
卒婚実践派に聞いた実態とは
肯定派の中には、すでに「実行中」という人が15.5%いることが判明! そのやり方は人それぞれで、別居(家を別々にした)という人もいれば、同居しながら部屋を分け、生活時間帯も別々に、という人も。
卒婚というと、夫婦お互いの生活に興味がありません! といった印象を持つかもしれませんが、「実行中」という方々の生活の様子を聞くと、お互いに自立しているという実感こそが大事なのだとわかります。
【卒婚を実行中】という人の声
- 互いのやりたいことを尊重しています
お互いのやりたいことを認めているし、応援しています。一緒にやりたいことがあれば話してみて、相手が乗り気なら一緒にやります。 (杏 64歳 結婚歴35年以上)
- 仕事・家事はそれぞれ、食事は一緒にしています
それぞれパートの仕事をし、趣味を持ち、家事も得意な事を分担し、食事は一緒に。会話の時間も大切にしています (Y.K. 64歳 結婚歴35年以上)
- 互いに「好きなことをする時間」を大切に
趣味のお付き合いで友人も多い夫。週末はほとんど、仲間とのお付き合いで過ごしています。生活費を使い込むことなく、お小遣いの範囲であれば全く問題なし。むしろ今まで会社でがんばってきた夫へのご褒美だと思って、生き生きと過ごしているのがうれしい。夫も、私にも好きなことはどんどんさせてくれます。趣味も興味もまったく違いますが、夫の好きな場所でコーヒーを飲みながら穏やかに話をする時間を大切にしています。好きなことができていると、お互いへの思いやりも自然に出ててくると思っています。 (ダブルK 59歳 結婚歴35年以上)
- 夫はお隣にお住まいの紳士です!
干渉し過ぎず「お隣にお住まいの紳士」というふうに接するように努めている。(Y.O. 65歳 結婚歴30~34年)
これはうらやましい!もちろん、どんなご家庭でもいいことばかりではないでしょう。問題だってあるかもしれませんが、距離をとることでお互いに相手を認め、尊重できるようになるのは素敵なことなのでは。
「卒婚に興味はあるけれど」という人は何から始めればいい?
卒婚に興味がある(実践したい・まあまあ実践したい)人は、なんと半数にあたる51.2%でした!
卒婚に興味がある理由は、
- 夫の世話から解放されたい。(ひめりんご 61歳 結婚歴35年以上)
- 自立した生活を一人になって経験したいから。(ますぴょん 61歳 結婚歴35年以上)
- 残りの人生はお互い自分の好きなライフスタイルで暮らしたい。(まる美 65歳結婚歴35年以上)
といった「自分の時間が欲しい」「好きに生きてみたい」ということが、主な理由のようです。
卒婚をスムーズに実現するには、お互いよく話し合う必要があるでしょう。自分は快適でも、相手が居心地の悪さを感じたり、寂しく思うようでは、やはりうまくいきません。
どんなルールがいいのか、それは十人十色。あれこれ試行錯誤してみて、双方納得できる落としどころを見つけられれば、幸せな老後の形の一つ、なのかも。
離婚なのか。卒婚なのか。あるいは、これまで通りがいいのか。これまでとは違うライフスタイルを目指すのか。
「これが正解!」というものはありません。ただ、もしも今少しでも居心地の悪さを感じているのなら、この先の幸せのために関係性の「見直し」や「向き合い」の作業が必要なのかもしれません。
次回はそんな、「近くて・遠い?」夫との関係を、心理学から読み解きます。人気コメンテーターとしても活躍中の精神科医・名越康文さんがズバリ回答します。お楽しみに!
※この記事は2021年8月の記事を再編集して掲載しています。
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