50代からの夫婦関係、見つめ直して幸せ老後に#5

熟年夫婦の「卒婚」肯定派は67%!実行中という人も

公開日:2021/08/17

更新日:2021/09/04

5

読者150人に聞いた「夫婦関係に関するアンケート」では、婚姻関係を続けながらも夫婦の距離を置く「卒婚」に肯定的な人が67%いました。その上、「卒婚実行中!」という声も。「卒婚」についてみんなどう考えているのか、お伝えします。

意外と多い「卒婚」肯定派!みんな何から始めてる?

「適切な距離感を保つ」は、ハッピー熟年夫婦の要件

卒婚のイメージ

※この記事は2021年6月、ハルメクのモニター組織「ハルトモ」の女性150人(50~54歳=14人、55~59歳=32人、60~64歳87人、65~69歳17人)を対象に実施した「『夫婦関係に関するインターネットアンケート」をもとに制作しています。

長年結婚生活を送る中、現在「既婚」「離婚経験あり、再婚」と回答した129人に、「夫婦関係で変化を感じることがあれば具体的に教えてください」と質問したところ、フリーコメントで「特にない」と答えた人が22人(17%)、102人(83%)の人が何かしら変化を感じていることがわかりました。

熟年夫婦が変化を感じたタイミングを分けると……

  • 子どもの独立
  • 定年・退職
  • 体の心配や年齢を感じること
  • コロナ禍での暮らし方の変化
  • 親の介護
  • 相手への気持ちの変化

子どもの独立や定年、暮らし方の変化を機に、「会話が増えた」「体をいたわりあうようになった」「感謝を言い合うことが増えた」「互いに関心が向くようになった」といった、プラスの関係性に変化したという声が集まりました。

その一方で、「言葉遣いに苛立つようになった」「うっとうしく感じる」「自由がない」「生活態度が嫌だ」とマイナスの関係性になってしまったという人の声も、ほぼ同数集まった結果に。

プラスの関係性に転じたという方のコメントを見ていると、どうやら「共通点」を持ちつつも、「ほどよい距離感」を保っている特徴が見えました。

  • 若い頃はいつも一緒が良かったが、今はお互い好きなことをして縛られず、食事や旅行に出掛けるときは一緒に。(M 65歳 結婚歴35年以上)
     
  • 子ども達がそれぞれ嫁ぎ独立してから8年くらいたち、 夫婦2人での生活が日常になってきた。夫婦共に仕事を持っているので、社会との繋がりもあり、会話も多々あるので今のところは変わりなく平和に暮らしている(わんちー 64歳 結婚歴35年目以上
     
  • 良くも悪くも、ある程度の距離感を持って接する同居人と考えるようになった。そのように考えれば穏やかに過ごせる。(Y.O 65歳 結婚歴30~34年)
     
  • 親の介護がお互い始まり、休日2人で行動することが多くなった。(Y.K 58歳 結婚歴25~29年目)
     

「卒婚」とは?「卒婚」に興味がある人が66.7%!

 夫婦は「二人」と、ひとくくりで語られがちですが、もとはと言えば「一人」+「一人」。

一個人同士に立ち返って、ほどよい距離を保ちながら、制度上の『結婚』を続ける、その一例として「卒婚」に興味がある人も多いようです。

「卒婚」とは、2004年に教育ジャーナリストであり、『卒婚のススメ』(静山社文庫刊)の著者、杉山由美子さんが造った言葉です。婚姻している夫婦が「互いに必要以上に干渉することなく、自由を認め合って、最低限のルールを守り、ゆるやかなパートナーシップを築いていく」という、新しい夫婦の形を表しています。

数年前には、大物芸能人や歌手が「卒婚宣言」をして、世の中に広まった感があります。気になる卒婚についてもアンケートでは質問してみました。

Q.「卒婚についてどう思いますか?」アンケート結果

卒婚についてどう思いますか?
卒婚についてどう思いますか?
※対象者は、「既婚」「離婚後、既婚」と回答した 129人
  • 実践中…15.5%
  • 実践したい…19.4%
  • まあまあ実践したい…31.8%
  • あまり実践したくない…9.3%
  • まったく実践したくない…12.4%
  • 理解ができない…11.6%

という結果に。「卒婚」肯定派が66.7%で、「卒婚」否定派を上回るということがわかりました。

卒婚実践派に聞いた実態とは

卒婚実践派に聞いた実態とは

肯定派の中には、すでに「実行中」という人が15.5%いることが判明! そのやり方は人それぞれで、別居(家を別々にした)という人もいれば、同居しながら部屋を分け、生活時間帯も別々に、という人も。

卒婚というと、夫婦お互いの生活に興味がありません! といった印象を持つかもしれませんが、「実行中」という方々の生活の様子を聞くと、お互いに自立しているという実感こそが大事なのだとわかります。


【卒婚を実行中】という人の声

  • 互いのやりたいことを尊重しています
    お互いのやりたいことを認めているし、応援しています。一緒にやりたいことがあれば話してみて、相手が乗り気なら一緒にやります。 (杏 64歳 結婚歴35年以上)
     
  • 仕事・家事はそれぞれ、食事は一緒にしています
    それぞれパートの仕事をし、趣味を持ち、家事も得意な事を分担し、食事は一緒に。会話の時間も大切にしています (Y.K. 64歳 結婚歴35年以上)
     
  • 互いに「好きなことをする時間」を大切に
    趣味のお付き合いで友人も多い夫。週末はほとんど、仲間とのお付き合いで過ごしています。生活費を使い込むことなく、お小遣いの範囲であれば全く問題なし。むしろ今まで会社でがんばってきた夫へのご褒美だと思って、生き生きと過ごしているのがうれしい。夫も、私にも好きなことはどんどんさせてくれます。趣味も興味もまったく違いますが、夫の好きな場所でコーヒーを飲みながら穏やかに話をする時間を大切にしています。好きなことができていると、お互いへの思いやりも自然に出ててくると思っています。 (ダブルK  59歳 結婚歴35年以上)
     
  • 夫はお隣にお住まいの紳士です!
    干渉し過ぎず「お隣にお住まいの紳士」というふうに接するように努めている。(Y.O. 65歳 結婚歴30~34年)

これはうらやましい!もちろん、どんなご家庭でもいいことばかりではないでしょう。問題だってあるかもしれませんが、距離をとることでお互いに相手を認め、尊重できるようになるのは素敵なことなのでは。
 

「卒婚に興味はあるけれど」という人は何から始めればいい?

「卒婚に興味はあるけれど」という人は何から始めればいい?

卒婚に興味がある(実践したい・まあまあ実践したい)人は、なんと半数にあたる51.2%でした!
卒婚に興味がある理由は、

  • 夫の世話から解放されたい。(ひめりんご  61歳 結婚歴35年以上)
  • 自立した生活を一人になって経験したいから。(ますぴょん 61歳 結婚歴35年以上)
  • 残りの人生はお互い自分の好きなライフスタイルで暮らしたい。(まる美 65歳結婚歴35年以上)

といった「自分の時間が欲しい」「好きに生きてみたい」ということが、主な理由のようです。。

卒婚をスムーズに実現するには、お互いよく話し合う必要があるでしょう。自分は快適でも、相手が居心地の悪さを感じたり、寂しく思うようでは、やはりうまくいきません。

どんなルールがいいのか、それは十人十色。あれこれ試行錯誤してみて、双方納得できる落としどころを見つけられれば、幸せな老後の形の一つ、なのかも。

離婚なのか。卒婚なのか。あるいは、これまで通りがいいのか。これまでとは違うライフスタイルを目指すのか。

「これが正解!」というものはありません。ただ、もしも今少しでも居心地の悪さを感じているのなら、この先の幸せのために関係性の「見直し」や「向き合い」の作業が必要なのかもしれません。

次回はそんな、「近くて・遠い?」夫との関係を、心理学から読み解きます。人気コメンテーターとしても活躍中の精神科医・名越康文さんがズバリ回答します。お楽しみに!
 

■もっと知りたい■

50代からの夫婦の関係見直し特集をもっと読む!■

  1. 夫婦「愛はある?」50代~150人の本音アンケ―ト
  2. 人生後半が幸せになるコツを「夫婦問題」のプロが伝授
  3. 岡野さん「夫婦の不満は『私スゴイ!』に発想転換」
  4. 熟年夫婦の離婚に対する本心は?150人アンケート
  5. 意外と多い「卒婚」肯定派!みんな何から始めてる?←今ここ!
  6. 向き合えない夫婦の問題に名越康文さんが回答!
  7. 名越康文さん「夫婦の問題はワークタスクとして解決した方が良策」
  8. 熟年離婚のメリット・デメリットとは?弁護士が解説
  9. 熟年離婚での財産分与はどうなる?退職金はもらえるか
  10. 「死後離婚」とは?「卒婚」の法律面からみた注意点も
  11. 老後のお金】熟年夫婦のための家計の見直しポイント
  12. 熟年夫婦の介護問題!事前に話しておくべきことリスト
  13. 熟年夫婦の介護問題!施設入居の希望をまとめておこう

浅野裕見子

あさの・ゆみこ フリーライター・編集者。大手情報出版社から専門雑誌副編集長などを経て、フリーランスに。AERAや週刊朝日、宝島社ムックなどに執筆中。インタビュー記事やノンフィクションを得意とする。子どもの頃からの大の猫好き。現在は保護猫ばかり6匹と暮らす。日本BBQ協会上級インストラクターでもある。

この記事をマイページに保存

\この記事をみんなに伝えよう/

ページ先頭へ