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- 熟年離婚での財産分与はどうなる?退職金はもらえるか
弁護士の山下環さんに、長年連れ添った「妻」にはどんな権利があるのか、熟年離婚のキホンについて教えてもらう全3回。第2回目は、離婚時に最大の争点となる「財産分与」について教えてもらいました。退職金、年金の分割にも踏み込みます。
夫名義のものも対象に!財産分与の基本
「土地も家も貯金もほとんどが夫名義。自分の口座にはパート代と年金しかないし……」と熟年離婚を諦めてしまう人がいます。でも、ちょっと待って! 弁護士の山下環(やました・たまき)さんによれば、財産分与の対象が実は広いようです。
「法律では、婚姻期間中に得た財産は夫婦が協働で築いたもの=共有財産とみなします。離婚する際には、妻にも共有財産の分与を受ける権利があるのです。仮にずっと専業主婦だったとしても、夫が働いてお金を稼げるのは、妻の内助の功あってのこと。この内助の功が法的に認められていて、男女関係なく、<稼ぐ人:支える人は対等>で、原則として1:1なのです」
そのため、たとえ夫名義の財産でも、結婚後に二人で築き、得たものであれば、「共有財産」とみなされて、財産分与の対象となるのです。具体的には、下記のものがあります。
財産分与の対象となるもの
- 不動産
- 預貯金
- 有価証券や投資
- 保険(解約返戻金)
- 動産(車や貴金属・美術作品などで査定が付くもの)
- 夫がもらう予定の退職金
などが対象になります。反対に、財産分与の対象にならないものもあります。
財産分与の対象にならないもの
- 婚姻前から持っていた財産(例:独身時代の預貯金)
- 婚姻中であっても夫婦の協力とは無関係に取得した財産(例:実家の相続財産)
- 離婚前であっても、「別居後」に取得された財産
財産分与の対象が「家」の場合どうなる?
例えば、家を分ける場合。基本的な分け方を山下さんが解説してくれました。...