親のお墓に入る?自分のお墓を作る?お墓の選び方#2

先祖代々のお墓を「引き継ぐ」「墓じまいする」方法

先祖代々のお墓を「引き継ぐ」「墓じまいする」方法

更新日:2023年08月19日

公開日:2022年08月12日

00_先祖代々のお墓を「引き継ぐ」「墓じまいする」方法

自分が入るお墓の選択方法について、葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントの吉川美津子さんに教えてもらう企画の第2回。今回は、先祖代々のお墓がある方に向けた解説。お墓を引き継ぐ方法、墓じまいする方法、それぞれの具体的な手順についてです。

お墓を引き継ぐ?改葬・墓じまいする?

01_お墓を引き継ぐ?改葬・墓じまいする?

第1回目では、入るお墓があるかないかなど、ケースに合わせて、お墓を「守る」「新しく選ぶ(購入する)」「改葬・墓じまいする」という3つの方法から、どの道に進むべきかを確認しました。

今回は、入るお墓があり、「守る」もしくは「しまう」方法について、詳しく見ていきましょう。

先祖代々のお墓を「引き継ぐ」ときの注意

「先祖代々のお墓であっても、大きな石塔の下に複数の遺骨が入る今のお墓が普及したのは明治以降です」と話すの、は葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタントの吉川美津子(きっかわ・みつこ)さん。

「以前は一人一人の土葬が中心でしたが火葬率が上がり、石塔の下の納骨室に遺骨を入れる文化になりました。江戸時代以前から続くような家系を除けば長くても3代くらいなのですが、承継者がいない悩みは増えています」と吉川さんは言います。

故人やご自身、子・孫世代も、先祖からの墓に入り、将来守っていく意思が確認できているのであれば、承継の手続きに進みます。

02_お墓を引き継ぐ?改葬・墓じまいする?

「承継者は慣習により、故人の配偶者や長男がなることが一般的ですが、自動的に承継されるのではなく、関係各所への確認とさまざまな書類の準備、手続き、手数料が必要です」と吉川さん。 

その後、年間管理費の支払いや、お墓の手入れなどの義務が生じ、お寺の行事への参加などが求められることもあります。管理費は年間数千円から2万円くらいが相場。今後の家計に組み込むことも忘れずに。

お墓があっても承継者がいない場合は、改葬・墓じまいを検討することになります。

お墓を引き継ぐ場合に必要な4つの手順

03_お墓を引き継ぐ場合に必要な4つの手順

お墓を継承する手順1:お墓の権利、関係を確認

律上、お墓は誰が承継してもよいのですが、墓地によっては血縁者に規定しているところもあるので、早めに確認しましょう。

お墓を継承する手順2:菩提寺の宗派の管理費等を確認

名義変更の手続きには手数料がかかります。墓地によって異なり、寺院墓地の場合は、お布施、寄付金などが必要になる場合もあります。

お墓を継承する手順3:承継者を決め、名義変更を申請

慣習的には配偶者や長男が承継しますが、関係者の話し合いで、承継者を決めたら、墓地の管理者に名義変更を届け出ます。

お墓を継承する手順4:管理費等を支払う

承継者はその後、年間管理費の支払いや、お墓の手入れなどの義務が生じ、お寺の行事への参加などが求められることもあります。

お墓の名義を変更するのに必要な書類

  • 墓地使用権承継申請書
  • 旧名義人の死亡が記された戸籍謄本
  • 新名義人の住民票(本籍記載)
  • 墓地使用許可証(永代使用許可証)
  • 新名義人の実印、印鑑登録証明書
  • 遺言書、理由書、同意書など

先祖を大切にするからこその「改葬・墓じまい」

04_先祖を大切にするからこその「改葬・墓じまい」

「お墓が遠方にあったり、承継者がいないことで、改葬・墓じまいを検討する人は増えています」と吉川さん。

改葬は遺骨を移動させること、墓じまいはお墓を更地にして返すこと。「少し前までは改葬・墓じまいは歓迎されていませんでしたが、最近はそれも仕方がないという風潮になってきています」と吉川さんは言います。

「承継者に連絡が取れない、管理料が支払われない、などで放置されてしまい、無縁墓になってしまうケースもあります。なので墓じまいをしようと考えている方こそ、ご先祖を大事に思っている方だと思いますよ」と吉川さん。

改葬・墓じまいには関係者の同意や書類上の手続き、業者への工事の依頼があります。また墓じまいで終わりではなく、遺骨を移動する先が必ず必要です。具体的に必要な手続きを確認して、検討しましょう。

改装・墓じまいする場合に必要な5つの手順

05_改装・墓じまいする場合に必要な5つの手順

改装・墓じまいの手順1:家族・親戚と話し合う

故郷から現在住んでいる近くに移す場合、故郷のお墓に関係する家族・親戚の合意を得られないと進められません。

改装・墓じまいの手順2:寺院に相談

元の墓地の市区町村役場で「改葬許可申請書」「埋葬証明書」を入手し、寺院など元の墓地管理者から承認を得ます。

改装・墓じまいの手順3:新規墓地を契約

事前に新しいお墓を契約し「受入証明書」と、手順2で説明をした2の書類を元の墓地の市区町村に申請して「改葬許可証」をもらいます。

改装・墓じまいの手順4:現墓地から遺骨を出す

石材店に依頼して、お墓のふたを開け、お骨を取り出します。魂抜き(閉眼供養)と墓じまいを行います。

改装・墓じまいの手順5:現墓地を更地にする

石材店に元のお墓を更地にしてもらい、「改葬許可証」を新しいお墓に提出して納骨、開眼供養を行います。

「改葬」の4つの方法

06_「改葬」の4つの方法

  • 遺骨の一部を移動

いわゆる「分骨」に当たります。墓地の管理者から分骨証明書を発行してもらいます。改葬許可証は不要です。

  • 複数の遺骨の一部を移動

先祖代々のお墓から夫の分だけなどを移動する方法です。改葬する分の改葬手続きが必要になります。

  • 遺骨をすべて移動

納められている遺骨をすべて移動する場合は、それぞれに改葬許可証が必要。墓じまいする場合はその手続きも必要です。

  • 遺骨のすべてと石塔を移動

遺骨だけではなく、元のお墓の石塔も移動する場合は、新しいお墓に持ち込みが可能か確認しておきましょう。

入るお墓がある場合は、継承するのか、改葬・墓じまいをするのか。具体的な手続き方法などを踏まえ、検討してみましょう。

実際に家族の墓には入らず、樹木葬を選択した漫画家・みつかしちかこさんのインタビューもあります。参考にしてみてください。

取材・文=原田浩二(ハルメク編集部) イラストレーション=鈴木なるみ
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年11月号を再編集し、掲載しています。

■もっと知りたい■

■親のお墓に入る?自分のお墓を作る?お墓の選び方■

  1. お墓を承継…永代供養墓…ケース別自分のお墓の選び方
  2. 先祖代々のお墓を「引き継ぐ」「墓じまいする」方法
  3. 建てる?樹木葬?散骨?ペットは?新しいお墓の形
  4. 漫画家みつはしちかこさんが夫の墓を樹木葬にした訳
雑誌「ハルメク」
雑誌「ハルメク」

女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら