50代一人暮らし、まさかの救急搬送で気付いたこと

おひとりさまの救急搬送!退院後、私が“命の連絡先”を見直した理由

おひとりさまの救急搬送!退院後、私が“命の連絡先”を見直した理由

更新日:2025年10月31日

公開日:2025年10月29日

おひとりさまの救急搬送!退院後、私が“命の連絡先”を見直した理由

突然の頭痛で救急搬送された50代女性の体験談。救急隊員に「緊急連絡先は?」と聞かれて絶句。家族は遠方、番号は覚えていない――。その経験から見直したスマホ管理と“命の備え”4つの方法をご紹介します。

救急車の中で「緊急連絡先は?」と聞かれて

救急車の中で「緊急連絡先は?」と聞かれて
IYO / PIXTA

ある晩、突然、頭を突き刺すような痛みが走りました。「これは普通じゃない」と思い、震える手で119番。駆けつけた救急隊員に「ご家族の連絡先を」と言われた瞬間、私は言葉を失いました――。

東京で一人暮らし。実家は新幹線で3時間半。家族の番号なんて、もう何年も“スマホ任せ”です。痛みで頭が回らず、なんとか思い出せたのは実家の固定電話だけ。

「都内に親戚はいますか?」と聞かれても、「いますけど……番号までは……」

そのとき初めて、“誰にも連絡を取れない自分”に気付きました。

スマホに緊急連絡先を登録していたのに……

スマホに緊急連絡先を登録していたのに……

スマホはアイフォン。”メディカルID”に緊急連絡先を登録していました。

「緊急連絡先に登録してあります」と伝えると、救急隊員さんが画面を見ながら首をかしげます。「この機種、表示の仕方が違うみたいで……」という一言に、背筋が冷たくなりました。

機種やOSによって表示が異なるため、すぐには見つけられなかったのです。

もし手術が必要だったら、家族の同意が要る場合もあると聞き、実家から来るまでの3時間半が恐ろしく感じました。

あの日、スマホの便利さが“頼りなさ”に変わった瞬間でした。

「電話帳の名前」が命綱になることも

「電話帳の名前」が命綱になることも
pearlinheart / PIXTA

退院後、母に話すと、こんなことを教えてくれました。

「叔父さん(父の弟)が倒れたとき、連絡をくれた人は“電話帳で同じ苗字”を見てかけてきたのよ」

つまり、電話帳の名前の付け方や通話履歴が、いざという時の“命綱”になることもあるというのです。私のスマホは親しい間柄ほど「〇〇(名前)」だけの登録ばかり。誰が家族なのか、外から見てもわかりません。

“登録してある=安心”

そう信じていた自分の危うさを痛感しました。

退院後に始めた“命をつなぐ準備”4つ

退院後に始めた“命をつなぐ準備”4つ
玄武 / PIXTA

この経験から、私はすぐに行動しました。今日からできる“命を守る備え”です。

1:緊急連絡先設定と表示方法を確認

登録しただけで満足していたので、いざというときにすぐ表示できるよう、表示の仕方まで復習しました。

アイフォンの設定方法>※2025年10月現在

2:電話帳に関係性を明記

「父・〇男」「母・〇子」「妹・〇美」「叔母・〇恵」と修正。救急の現場で誰が見ても家族とわかるようにしました。

3:月に一度は家族と通話して履歴を更新

忙しいと連絡が滞りがちですが、お互いの近況を確認する意味も込めて。通話履歴は“最近連絡を取った人”として手がかりになります。

4:緊急連絡先を紙に書いてスマホに保管

ロックがかかっていても見られるように、「父・母・妹・都内の叔母」の番号をメモに書き、常にスマホケースに挟んで持ち歩いています。

スマホに頼りすぎない!50代の私が見直した“命の備え”

あの日の救急搬送で痛感したのは、「まだ元気だから大丈夫」は、全然大丈夫じゃないということ。家族は遠く、友人はいても、都会のおひとりさま。いざというとき、私を助けるのは“今の私の準備”だけです。

「スマホがあれば大丈夫」ではなく、“スマホが使えなくても大丈夫”にしておくこと。

意識を失えば、誰もスマホを開けません。だから今は、紙に書いた連絡先と、見直した電話帳がもう一つの命綱。「もしものとき、誰に頼らなければいけないのか?」その答えを、今日のうちに書いておくこと。それが、私が学んだ“命を守る備え”でした。

HALMEK up編集部
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