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- 「いり卵ふんわり黄色や秋時雨」木下富美子さん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクのエッセー講座。教室コースの参加者の作品から、山本さんが選んだエッセーをご紹介します。第2回の作品のテーマは「卵」。木下富美子さんの作品「いり卵ふんわり黄色や秋時雨」と山本さんの講評です。
いり卵ふんわり黄色や秋時雨
ズルズルズルッと息子が生卵ご飯を食べている。
仕事で3年間シンガポールに赴任していた。年に2回日本に帰ってくるといつも生卵ご飯を食べていた。それまでずっと朝は半熟の目玉焼きだったのに。
暑い国では卵の生食はできないと。
そりゃそうだわ。
フランス料理の名店オテルドミクニの話。
清三シェフがお店訪問で来たテレビ局の客に、最後のデザートとして出したのが……。あのステンレスの半球のかぶせ物の持ち手を取って開けると中には、炊き立てご飯と生卵のセットが置いてあったのだ。デザートは卵かけご飯。最後は当然、粋を集めた飴細工かなんかがのった芸術品のようなデザートが出てくるだろうという予想を裏切って。
しかも50回混ぜてくださいと。
納豆ご飯かっ⁉
コロナの昨今もときどき、神保町のランチョンで、ひとり、ビールを飲んでいる。
いつも蝶ネクタイのマスターがほわほわの泡をのせる。ランチを頼むとお腹がいっぱいになってしまうので単品にしている。ところが先日オムレツを頼んだらなんとも大きい。しかも私の大好きなエビがごろごろとのったソースがたっぷりかかっているのだった。とろり半熟のプロの技。とろけてしまうのは私のほうだ。聞けば卵を4つも使っているのだそう。
黄色の卵って、元気がでる。
また行こうっと。
夫が健康オタクで「体にいいんだってよ」と山盛り届いた「キクラゲ」。
キクラゲの卵炒めに挑戦するも炒り卵がなかなか色よくふんわり出来ない。iPadで見るとどの作り方も始めに卵を炒めてから取り出しておいて最後に混ぜるとある。
冷めちゃうじゃないの、しぼんじゃうし。3回目、ばっちり色よくふわふわの美味しいのが完成しましたよ。
コツは先にキクラゲを炒めておいて、後からごま油を多めにし、卵を作る。
最後にお皿にふわっとのせるでした。
なーんだ。
山本ふみこさんからひとこと
好きな先品です。
学ぶこともたくさん。
一番には、ひとり、というところでしょうか。ひとりでの楽しみ、ひとりで立つ覚悟、ひとりでいるさびしさ、ひとりを考える……、すべてひっくるめてひとり居の価値を知る書き手に、学ぶのです。
「木下富美子」という人は、コロナ禍にあっても、これまでと同じようにひとりで悠悠と泳いでいる。ような気がします。
ほんと、黄色の卵って、元気でる。
山本ふみこさんのエッセー講座(教室コース)とは
随筆家の山本ふみこさんにエッセーの書き方を教わる人気の講座です。
参加者は半年間、月に一度、東京の会場に集い、仲間と共に学びます。月1本のペースで書いたエッセーに、山本さんから添削やアドバイスを受けられます。
現在第6期の講座を開講中です。次回第7期の参加者の募集は、2021年12月に雑誌「ハルメク」の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。
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