山本ふみこさんが選んだエッセーの紹介とQ&A動画

山本ふみこさんエッセー通信講座第6回参加者の5作品

公開日:2021.09.29

更新日:2021.09.29

随筆家の山本ふみこさんが講師を務めるハルメクのエッセー通信講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーを紹介します。半年間の講座の最終回となる今月の作品のテーマは「そうだったのか」。集大成の5本と、山本さんの動画をお楽しみください。

山本ふみこさんエッセー通信講座第6回
山本ふみこさんエッセー通信講座第6回参加者の5作品

山本ふみこさんが選んだ5つのエッセー

クリックすると、作品と山本ふみこさんの講評をお読みいただけます。

「エヌコロチロ」板谷越りんさん
リタイア後、私は家系図づくりを始めた。まずは、実家の父方と母方の……

「いま。」きたのふみさん
好物をさいごにとっておくとか。夏休みの宿題のプリントはそうそうにやっつけて……

「あなただったんだ」馬場佳子さん
私の背中をずっと摩るごつい手の主はあなた。激しい吐き気に「辛いだろう……

「母と姉とわたしと」堀口時美さん
今でも、その日付けを覚えています。2016年11月29日、火曜日。……

「はじまりはパンだった」三澤モナさん
「パンの大サービスです。無料です」男性が声を張り上げている。休日の……

 

エッセーに関する質問・お悩みに動画で回答


通信制エッセー講座の参加者から寄せられた質問やお悩みに、山本ふみこさんが動画で回答します。

 

今月の質問「これまでは機嫌よく書いていたのに悩みが出てきました。これがスランプでしょうか?」

山本さん:書いていく上で調子が落ちることをスランプと言いますが、スランプになったら私は「おめでとう!」という感じなんです。スランプというと、頭を抱えてうんざりしている姿が目に浮かぶと思いますが、違います。人はいつも同じ調子で書いていけるわけではなく、進化していきます。その途中にスランプがあるんです。

物の見方、捉え方が変わっていき、それが周りに影響を与えるほどのものになっていくんだと思うと、淡々と歩いていけるはずがないと思いませんか? そういうときに「何かうまく書けないぞ」ということが起きるんです。

調子が悪いときは、焦らず、書くことを考えないで、ブラブラするとか、おいしいものを食べるとか、グーグー寝るとか。見ようと思っていた映画を見るとか、昔読んだ児童書や、若きに日涙した本を取り出すとか。うまくスランプと付き合ってください。そうして、また書くと、グッといい作品が生まれます。

今回は、山本さんからのアドバイスも2つありました。

山本さんのお話(1)「調べものがあるときは」

山本さん:調べたいことがあるとき、昔だったら図書館に行くとか、詳しい人に聞くという感じだったけれど、今はパソコンで検索すると思います。検索が悪いという話ではないけれど、気を付けなくてはいけないことがたくさんあります。

まずは、その情報は本当に正しいか。確かなところで調べることは大事で、例えば外国のことを調べるときは、大使館のホームページなど公式なところに行きますよね。また、例えば「お盆」について調べるときは、検索して出てきたものの中から、読みつきやすいものを選んでしまうけれど、「お盆」一つとっても、地域によってや、その家によって違います。

だから、自分の考えとすり合わせることや、鵜呑みにしないということも大切です。文章をそのまま写すのもまずいです。その場合は出典を書く必要があります。

山本さんのお話(2)「誰に向けて書くか」

山本さん:「山本先生の他に読み手がいると思えない」とお便りをくださる方がいます。実際には、私の他にハルメクのスタッフが読むし、ハルメクのホームページでの発表もあるし、いつか申し上げたように「未来の自分」がもう一度読むと思います。だから、どこで、いつ読むかはわからないけれど、読者は必ずいます。

他人のことを気にして体裁を整えて書くという話ではなくて、書くときも、話をするときも、心を込めて。言葉との付き合い方が変わるのが、この講座の一番の意味かもしれません。

半年間続いたエッセー講座 第2期の動画は、今回で終わりです。最後に「作品を通して、参加者のみなさんの変化を目の当たりにした幸せに浸っています」と話した山本さん。

来月から新たな参加者を迎え、第3期が始まります。

■もっと知りたい■

随筆家・山本ふみこさんのプロフィール

「エッセーの書き方講座」講師の山本ふみこさんとは?

1958(昭和33)年生まれ。出版社勤務を経て随筆家に。ハルメクでは連載「だから、好きな先輩」やエッセー講座(会場開催と通信制)の講師でおなじみ。著書に『朝ごはんからはじまる』『まないた手帖』(ともに毎日新聞社刊)『おとな時間の、つくりかた』(PHP文庫刊)『暮らしと台所の歳時記 旬の野菜で感じる七十二候』(PHP研究所)『こぎれい、こざっぱり』『台所から子どもたちへ』(ともにオレンジページ刊)『家のしごと』(ミシマ社刊)ほか多数。公式ブログは http://fumimushi.cocolog-nifty.com/

 

ハルメクの通信制エッセー講座とは?

全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は毎月1回出されたテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けます。講座の受講期間は半年間。

第3期の募集は終了しました。次回第4期の参加者の募集は、2021年12月に雑誌「ハルメク」の誌上とハルメク旅と講座サイトで開始予定。募集開始のご案内は、ハルメクWEBメールマガジンでもお送りします。ご登録は、こちらから。

ハルメク旅と講座

ハルメクならではのオリジナルイベントを企画・運営している部署、文化事業課。スタッフが日々面白いイベント作りのために奔走しています。人気イベント「あなたと歌うコンサート」や「たてもの散歩」など、年に約200本のイベントを開催。皆さんと会ってお話できるのを楽しみにしています♪

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