未来の笑顔は、今日のケアから
いつまでも“自分の歯”で食べるために。今日からできるお口ケア3つの秘訣
いつまでも“自分の歯”で食べるために。今日からできるお口ケア3つの秘訣
公開日:2025年11月25日
歯と歯ぐきの健康はこれからの人生を守ることにもつながる
歯や歯ぐきの健康は、食べること、話すことだけでなく私たちの体全体の元気に深く関わっています。なかでも大切なのが、歯を支える「歯ぐき」の存在です。
歯ぐきは歯を支える役割を担っています。ところが、この歯ぐきが弱ってしまうと、歯を十分に支えられなくなり、結果として噛む力が低下してしまいます。最悪の場合、歯がグラグラして抜けてしまうことも。歯ぐきの健康を維持することが、歯を長持ちさせるカギといえます。
また、「自分の歯で噛む」ということは、思っている以上に体全体の健康にとって大切なことです。歯が減ると食べられるものが限られてしまい、栄養が偏る原因にもなります。それが、体力や免疫力の低下につながっていく可能性があります。実際に、歯の本数が多い人ほど健康状態が良好な傾向があるとされています。
さらに、「噛む」という動作にはうれしい効果がたくさんあります。よく噛むことで唾液の分泌が促され、虫歯や歯周病、口臭を防ぐ「自浄作用」が高まります。最近では、歯の本数が多い人ほど認知症や転倒のリスクが低いことも明らかになってきました。歯の健康は、心身ともに健やかな生活を送るために欠かせない大切な要素です。
50代・60代は、まだまだ健康に過ごせる一方で、見えない変化が始まりやすい年代です。このタイミングでお口の健康を見直すことは、将来の大きな分かれ道になるといえるでしょう。
義歯やインプラントという選択肢もありますが、将来の自分のために「自分の歯をできる限り多く残す」という意識は大切です。今からできるケアを積み重ねていきましょう。
歯と歯ぐきの健康を守るために、今日から取り組みたい3つの習慣
健康な歯と歯ぐきを守るために大切なのは、毎日のちょっとした心がけです。特別なケアや高価なアイテムがなくても、日々の暮らしの中でできることは意外とたくさんあります。ここでは、歯と体の健康を長く保つために今日から取り入れたい3つの習慣を紹介します。
1. 歯垢リスクを放置しない
日々の歯ブラシを丁寧に行い、歯の汚れをためない習慣を意識しましょう。
歯の表面に付着する汚れ「歯垢(プラーク)」は、細菌が集まってできた菌のかたまりです。放置すると歯周病や虫歯の原因になります。
とくに歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目は歯垢が残りやすいため、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスを使って清潔に保ちましょう。
外出中などですぐに歯を磨けないときは、うがいをして、口の中を清潔に保ったり、むし歯の原因である「ミュータンス菌」を減らすキシリトール入りのガムを噛んだりすることもオススメです。
口のネバネバや口臭、歯ぐきの腫れや歯ぐきからの出血などが気になる方は、歯垢がたまっているサインかもしれません。こちらの記事から、自分の歯垢リスクをチェックしてみてください。
>> 認知症予防につながるお口の簡単セルフケア4つの実践方法
2. 食生活と噛む習慣で、歯ぐきの免疫力を整える
歯ぐきの免疫力を整えるには、「食生活」と「よく噛む」習慣の見直しが大切です。
栄養バランスのとれた食事は体の健康だけでなく、歯や歯ぐきの状態にも深く関わっています。特に50代以降は、ホルモンバランスの変化や加齢にともなって免疫力が低下しやすく、歯ぐきの炎症が起こりやすくなる時期です。
カルシウムやリンなどのミネラルは歯の強化に、ビタミンA・C・Dは歯ぐきの粘膜や骨の健康維持に欠かせません。また、タンパク質は免疫細胞を作る材料として重要です。毎日の食事で、これらの栄養素を意識的に取り入れましょう。
さらに、「よく噛む」ことも重要な習慣です。しっかり噛むことで唾液の分泌が促され、口腔内の自浄作用が高まり、歯垢の蓄積を抑える働きが期待できます。特におすすめしたいのが、キシリトールやユーカリ抽出物が配合されたガムを噛むことです。
キシリトール入りガムは、砂糖と同程度の甘みを持ち、噛むことでだ液の分泌を促しながら歯の再石灰化を助けます。また、ユーカリ抽出物入りのガムは、歯垢の生成を抑えたり、歯ぐきの炎症を軽減したりする効果が期待できます。
外出先や仕事の合間でも取り入れやすく、気分転換にもなるガムは、忙しい毎日の中でも無理なくできるセルフケアとして心強い存在です。また、噛むこと自体がお口の周りの筋肉を刺激し、口腔機能や脳の活性化のサポートにもつながります。毎日の小さなセルフケアとして、気軽に取り入れてみましょう。
3. 歯科でのメンテナンスを「当たり前」に
歯と歯ぐきの健康を長く保つためには、定期的に歯科でのメンテナンスを習慣にすることが何より大切です。毎日ていねいにセルフケアをしていても、歯垢や歯石を完全に取り除くのは難しく、少しずつ蓄積していきます。そこで欠かせないのが、歯科で受けるプロのクリーニングやチェックです。
虫歯や歯周病は、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんどありません。そのため、気づかないうちに進行し、症状が出たときには歯ぐきの組織がすでに破壊されていたり、歯を失うリスクが高まっていることもあります。
理想的なのは、痛みやトラブルがなくても3〜6か月ごとに定期検診を受けること。歯科医による早期発見・早期ケアに加え、専用の器具でセルフケアでは落とせない歯石や汚れをきれいに除去してもらえます。
また、定期的な通院は「健康意識のリマインダー」にもなります。オーラルケアの大切さを再確認しながら、日々のケアを続けるモチベーションにもつながるでしょう。信頼できる歯科医院を見つけ、気軽に相談できる関係を築いておくことは、将来の歯の健康を守るうえで大きな支えになるのです。
これからも大切な歯とともに生きるために
50代・60代においては、歯と歯ぐきの健康を意識したセルフケアを実践していくことが重要です。
いつまでも自分の歯で食べられることは、食事そのものの楽しさや、生きがいの維持にもつながります。一方で、歯ぐきの腫れや出血、歯のグラつきや口臭など小さなトラブルを放置してしまうと、歯を失うリスクが高まり、体調や気持ちにも影を落としかねません。
今回ご紹介した「3つの習慣」は、いずれも特別なことではありません。歯垢リスクを放置せず、栄養と噛むことを見直し、歯科でのメンテナンスを続ける。どれも日々の暮らしの中で、少し意識を変えるだけで始められることばかりです。
未来の自分のために、今日からできることを少しずつ。歯と歯ぐきの健康を守る新しい習慣を、これからの毎日に取り入れてみませんか。




