更年期の不調はホルモンより“栄養”がカギ!#3
【実践編】更年期の不調を整える!“食べる・避ける・補う”3ステップ
【実践編】更年期の不調を整える!“食べる・避ける・補う”3ステップ
更新日:2025年11月24日
公開日:2025年11月06日
教えてくれるのは、梶 尚志(かじ・たかし)さん
梶の木内科医院院長、七夕医院名古屋院総院長、医学博士。総合内科専門医、腎臓専門医として年間約5万人の患者を診察する中で、「体の不調」に栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行う。著書に『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』(あさ出版)など多数。
更年期をラクにする食べ物とは?日常で摂りたいおすすめ食材
第1回は更年期の不調に潜む“隠れ栄養不足”、第2回は見落としがちな「2大ミネラル」について紹介しました。今回は、実践となる食生活編を解説します。
エストロゲンの分泌が少しずつ減り始める更年期には、体の変化に合わせて日々の食生活を見直すことが大切です。
「これさえ食べていれば安心」といった万能の食材があるわけではありませんが、 大豆に多く含まれるイソフラボンは、女性ホルモンに似た働きを持つことで知られています。
そのため、納豆、豆腐、味噌、豆乳といった大豆製品を日常的に取り入れることで、更年期の不調をやわらげる効果が期待されています。
発酵食品で腸から整える!納豆・味噌・ぬか漬け習慣
中でも、納豆や味噌のような発酵食品には、腸内環境を整える働きがあり、更年期を支える心強い存在です。
腸の調子が良くなると、栄養の吸収がスムーズになり、免疫機能やホルモンバランスも整いやすくなります。
例えば朝は、納豆ごはんに具だくさんの味噌汁を組み合わせてみましょう。味噌汁の具材に豆腐や卵、わかめ、玉ねぎなどを使えば、タンパク質や食物繊維も摂ることができます。
味噌、ぬか漬け、納豆、甘酒などに含まれる発酵菌には、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
腸の調子が整うと、栄養の吸収がよくなり、免疫やホルモンのバランスも保ちやすくなります。便通が安定すれば、お腹の張りや不快感が軽くなり、肌や気分の変化にもつながっていきます。
また、更年期は、ホルモンや自律神経の影響で腸の働きが乱れやすい時期です。
「最近、お腹の調子が不安定」「なんとなく気分が落ち込みやすい」……そんな変化を感じているなら、日々の食事に発酵食品を取り入れてみてください。
朝は、ぬか漬けをひと品添えるだけでも十分ですし、塩麹や醤油麹を調味料として使えば、幅広く活用できます。また、無加糖の甘酒を豆乳やヨーグルトに合わせると、手軽に取り入れやすくなります。
実は不調を招く!? 更年期に控えたい食べ物
体に良いものを摂るのと同じくらい、「なるべく避けたいものを知っておく」ことも大切です。
特に更年期は、ちょっとした負担が不調につながりやすい時期。知らないうちに体に負担をかけている食材がないか、一度見直してみましょう。
中でも気を付けたいのが、「トランス脂肪酸」を含む食品です。これは加工油脂を作る過程で発生する脂肪酸で、動脈硬化や心疾患のリスクを高めることがわかっています。
欧米の一部では使用が規制されていますが、日本ではまだ表示義務がなく、気付かないうちに摂っている方も少なくありません。
見分けるポイントは、パッケージの原材料表示。「ショートニング」や「マーガリン」と書かれている食品には、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。
市販の菓子パンやクッキー、スナック菓子、冷凍ピザ、揚げ菓子などは、特に注意が必要です。また、「植物油脂」とだけ表示されている場合も、どのような油が使われているかがわからないため、気をつけたいところです。
すべてを完全に避けるのが難しいとしても、「なるべく選ばない」「食べる回数を減らす」といった意識を持つだけで、体への負担は少しずつ軽くなっていきます。加工食品を選ぶときは、「原材料ができるだけシンプルであること」「何が使われているのかがわかること」を目安にしましょう。
特に日常的によく食べるものは、一度パッケージを見て、どんな原材料が使われているのかを確認しておくと安心です。
食事だけでは足りない?不足しがちな栄養の補い方

毎日の体調管理のため、食事面では「何を摂るか」だけでなく、「どう選ぶか」も大切なポイントです。特に更年期の世代では、バランスの取れた食事を意識していても、必要な栄養素を十分に摂りきれないことがあります。
その背景には、現代の食環境の変化があります。
例えば、野菜に含まれる栄養価は、以前より少なくなってきています。中でも鉄分は不足しやすく、ほうれん草などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」は、土の状態によって含まれる量が左右されます。農薬の使用や栽培環境の変化により、土壌中の微生物のバランスがくずれ、ミネラルやビタミンの含有量が減っているという指摘もあります。
こうした理由から、「食事だけではどうしても足りない栄養素がある」という現実を、まずは知っておくことが大切です。
足りない栄養素を補う方法の一つとして、サプリメントを活用するのも有効ですが、基本は、できるだけ食事から摂ること。その上で、どうしても不足しがちな栄養素にかぎって、補助的に取り入れるのが理想的です。
市販のサプリメントの中には、品質や安全性に問題があるものも少なくありません。特に、海外から個人輸入した製品や、成分・含有量があいまいなものには注意が必要です。
利用する際は、医師や栄養カウンセラーなど信頼できる専門家に相談しながら、質の良い「メディカルサプリメント」を選びましょう。
※本記事は、書籍『更年期の不調の原因は栄養不足が9割』より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
■「更年期の不調はホルモンより“栄養”がカギ!」をもっと読む■
#1:【原因編】更年期の不調に潜む“隠れ栄養不足”
#2:【栄養素編】見落としがちな「2大ミネラル」
#3:【食生活編】 “食べる・避ける・補う”食事の整え方
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