その“顔のゆがみ”……放置はキケン!

突然の脳卒中サイン見逃さないで!3秒で見抜けるFASTチェック【50代の新常識】

突然の脳卒中サイン見逃さないで!3秒で見抜けるFASTチェック【50代の新常識】

公開日:2025年10月28日

突然の“脳卒中サイン”を見逃さないで!3秒で見抜けるFASTチェック【50代の新常識】

朝、鏡を見たとき「口角が片方、下がってる?」と思ったら、それは“脳からのSOS”かもしれません。寒暖差が大きい季節、50代女性が知っておきたい「FASTチェック」と命を守る行動を紹介します。

冷え込む季節に増える“突然の異変”

秋から冬へと季節が変わるこの時期、血圧の急な上昇や寒暖差による体調変化が増えています。実はその「冷え込み」が、脳卒中を引き起こすきっかけになることも。

脳卒中は、日本人の死因の上位に入る重大な病気。脳の血管が詰まったり破れたりして、意識障害やマヒを起こします。

「自分はまだ若いから大丈夫」と思いがちな50代女性も、ホルモンバランスや血圧変動の影響で発症リスクが上がる世代です。さらに、年末にかけて忙しくなる今こそ要注意。ストレスと寒さのダブルパンチが、体に負担をかけています。

「FAST」で3秒チェック!脳卒中の初期サイン

脳卒中は、痛みがないまま静かに進行するケースが多い病気です。だからこそ、“いつもと違う”小さな違和感を見逃さないことが大切です。

日本赤十字社が呼びかける「FAST」は、脳卒中を見抜くための4つのチェック法。どれか1つでも当てはまれば、すぐに119番通報を。

FASTチェック  

F(Face)顔:片側の口角が下がる、顔が歪む
A(Arm)腕:片手が上がらない、力が入らない  
S(Speech)言葉:ろれつが回らない、言葉が出にくい  
T(Time)時間:症状に気付いたら、発症時刻を確認し、すぐ通報

たった3秒でできるチェックが、命を守る第一歩。「寝不足かな」「お酒のせいかも」と思い込まず、迷ったら通報が正解です。

倒れた人を見たら──焦らずできる応急対応

倒れた人を見たら──焦らずできる応急対応
EKAKI / PIXTA

もし目の前で人が倒れたら、次の行動を落ち着いて行いましょう。

  • 無理に起こさず、水平に寝かせて保温する
  • ベルトやネクタイを緩め、呼吸を確保する
  • 嘔吐があれば横向きに寝かせ、気道を確保(回復体位)
  • 意識がなければ心肺蘇生・AEDを使用

初期症状を見逃さずに早く医療機関へ搬送し、後遺症を残さないようにすることが重要です。症状が見られる場合は直ちに119番通報するとともに「いつまで普通の状態であったか」という情報を救急隊員に伝えましょう。

この「発症からの経過時間」が治療のカギになります。治療が早いほど、後遺症のリスクを減らせる可能性があります。

電話でも気付ける!親世代の“声のサイン”

電話でも気付ける!親世代の“声のサイン”
nonpii / PIXTA

脳卒中は、自分だけでなく“親世代”にも身近な病気です。離れて暮らす親の異変に気付けるのは、あなたかもしれません。

電話で話していて、

  • 声がかすれている
  • 言葉がはっきりしない
  • 受け答えに時間がかかる

そんなときは、疲れや加齢(老化)ではなく脳卒中の前ぶれかもしれません。

「最近、血圧どう?」「顔の感じ、少し違う気がする」など、やさしく声をかけてみましょう。

参考記事|50代女性が知っておきたい「脳卒中を防ぐ生活習慣」を読む!> 

いざという時に“迷わない人”になるために

脳卒中は、正しい知識と早期対応で重症化を防げる可能性があります。

もしもの時に慌てないために、家族と「どう行動するか」を話し合っておくことも大切です。また、各地で行われている救命講習やAED体験会に参加しておくと、いざという時に落ち着いて動けるようになります。

知っていることが、誰かの命をつなぐ力になります。

“顔のゆがみ”“ろれつが回らない”――それは体が発しているSOSサイン。自分や家族にそのサインを見つけたら、ためらわずに動いてください。

3秒でできるFASTチェックを、今日から覚えて、家族に伝えるだけでも、誰かの命を救うきっかけになるかもしれません。

※本記事は医療・救命に関する一般的な情報です。症状に気付いた場合は速やかに119番通報し、医療機関の指示に従ってください。

参照:
日本赤十字社「脳卒中の症状と手当について」

ハルメクWEB「50代女性が知っておきたい脳卒中を防ぐ生活習慣」