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公開日:2025年04月07日
脳卒中は、認知症と並んで寝たきりや要介護の大きな原因となる病気です。また認知症を引き起こす原因になることも。でも、日頃の対策により防いだり、前兆を見逃さなければ症状を軽くしたりすることもできます。正しく知って脳卒中から身を守りましょう。
1987年佐賀大学医学部卒業。東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)を経て、96年に外来診療から訪問医療介護、さらに在宅看取りまで連続したサービスを提供できる専門機関として「つくしんぼ会」設立。著書に『身近な人が脳梗塞・脳出血になったときの介護と対策』(自由国民社刊)他。
「『卒中』とは『卒然(突然)に中(あた)る』という意味で、脳卒中は脳に突然起こる病気をいいます。日本では高齢化が進んだことで発症率は増加傾向にあります。またCTやMRIの普及で脳卒中を判別しやすくなっています」
こう説明するのは、長年、高齢者医療に取り組んできた医師の鈩裕和(たたら・ひろかず)さんです。
脳卒中は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」「くも膜下出血」の総称です(下図参照)。脳卒中を発症すると、血流によって運ばれる酸素や栄養が行き渡らなくなって脳細胞が死滅し、その部位に応じて、まひや感覚異常などの症状が生じます。重篤な場合には、突然死や寝たきりのリスクもある病気です。
□60歳以上
□高血圧
□脂質異常症
□糖尿病
□親族に脳卒中患者がいる
□脈が乱れることがある
□太っている
□多量の飲酒
□喫煙
□運動不足
□ストレスが多い
□濃い味付けが好き
あてはまる項目が多いほど危険度が高まります。
【脳梗塞】
脳の血管が詰まり、血流が行き渡らなくなり、時間がたつと脳細胞が死ぬことも
【脳出血】
脳の細い血管が破れ、出血した血液が固まって血腫となって脳を圧迫する
【くも膜下出血】
くも膜と脳の間にある血管が風船状にふくらんで脳動脈瘤ができ、そこが破れて出血する
「脳卒中の大きな要因といえるのが、生活習慣病や加齢によって動脈硬化が進み、血管が劣化することです。特に高血圧は動脈硬化を加速させ、すべてのタイプの脳卒中の発症率を高めることがわかっています」と鈩さん。脳卒中を防ぐには、生活習慣病をコントロールすることが重要です。
「高血圧は痛みを感じるような自覚症状がないため、病院を受診しない人や、途中で通院をやめてしまう人が多いのが実情です。放置して、血管のダメージを進めることは避けてください」(鈩さん)
他にも、親族に脳卒中の患者がいる人や、不整脈のある人も特に注意が必要です。
認知症の中でもアルツハイマー型認知症に次いで多い「脳血管性認知症」は、脳卒中が原因で引き起こされます。
「脳の血管が詰まったり破れたりすると、脳細胞に必要な酸素や栄養が運ばれなくなって認知機能の低下が起こりやすくなるのです」と鈩さん。
[初期]
[中期]
[末期]
脳卒中は、一度発症すると再発しやすい病気です。そのため、脳血管性認知症は、徐々にゆるやかに進行していくアルツハイマー型認知症とは違い、発作が起きるたびに一気に認知機能が低下するのが特徴です(上図参照)。
また、脳血管性認知症は、知らないうちに発症しているケースも少なくありません。
「脳梗塞の中でも、脳の細かい血管が詰まる『ラクナ梗塞』は症状が軽いことが多く、自覚症状が現れないこともありますが、繰り返すうちに脳血管性認知症が進行している場合があるため注意が必要です」(鈩さん)。“もしかして”と思ったら、早めに医師に相談しましょう。
次回は「脳卒中」の早期治療についてお伝えします。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、イラストレーション=ねもときょうこ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年9月号を再編集しています
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