生姜湯とは?効果・作り方・よくある質問【医師監修】

生姜湯とは?効果・作り方・よくある質問【医師監修】

公開日:2025年09月30日

生姜湯とは?効果・作り方・よくある質問【医師監修】

「冷え性がつらくて、何か良い飲み物を探している」 「生姜湯が良いと聞くけれど、いつ、どうやって飲むのが効果的なの?」 そんな50代60代のじょせいのみなさんへ。内科医の林裕章先生の監修のもと、生姜湯について、丁寧にお答えしていきます。

林裕章
監修者
林裕章
監修者 林裕章 林外科・内科クリニック

この記事3行まとめ

✓生姜湯は漢方では「生姜(ショウキョウ)」と呼ばれるものを薄めた成分と考えられ、これは体を温め、悪心緩和が期待できます
✓50代・60代女性は、胃腸への刺激に注意し、1日1〜2杯が目安
✓はちみつや葛粉を加えるなど、おいしく効果的に続ける工夫を

※生姜湯は、成分としては漢方における「生姜(ショウキョウ)」に該当しますが、「生姜湯」そのものは家庭で作る温かい一般的な飲み物になります。「生姜(ショウキョウ)」としては加工・濃度・量が不定で標準化されておらず、薬効や用量は一定しないため、ここでは「生姜(ショウキョウ)」としての一般的な可能性を念頭にご説明します。

生姜湯とは?

鳥居哲也 / PIXTA

生姜湯(しょうがゆ)とは、その名の通り、すりおろしたり、刻んだり、乾燥させたりした生姜にお湯を注いで作る、日本の伝統的な飲み物です。古くは平安時代の貴族も風邪の予防に飲んでいたとされ、まさに「飲む民間療法」として、古くから日本人の健康を支えてきました。

漢方における「生姜(しょうきょう)」を薄めた飲み物に該当し、それは単なる気休めではなく、生姜に含まれる「ジンゲロール」や「ショウガオール」といった有効成分が、体表温や温感を高める報告があります。これらの成分により体がポカポカと温かく感じられます。

なぜ今、50代・60代女性にこそおすすめなの?

年齢を重ねるにつれて、私たちの体にはさまざまな変化が訪れます。

  • 基礎代謝の低下:筋肉量が減少し、熱を生み出す力が弱まります。
  • ホルモンバランスの変化:女性ホルモンの減少は、自律神経の乱れを引き起こし、血行不良や体温調節機能の低下に繋がります。
  • 胃腸機能の低下:消化吸収能力が落ち、食欲が落ち気味になることがあります。

これらの要因が重なり、若い頃よりも「冷え」を強く感じるようになるのです。生姜湯は、そんな50代・60代女性の体に優しく働きかけ、内側から温かくなることで、さまざまな不調の助けになることがあります。

よく見られる身体的症状への効果

「手足が氷のように冷たい」「夕方になると靴がきつく感じる」「なんだか胃が重たい」 こんなお悩みはありませんか?生姜湯は、「生姜(ショウキョウ)」の成分により体感的な温まりや冷え性の改善・悪心緩和につながることがあります。

心理的な変化への効果

体の冷えは、知らず知らずのうちに心の健康にも影響を与えます。気分が落ち込んだり、些細なことでイライラしたり……。そんな時、温かい生姜湯をゆっくりと飲む時間は、張り詰めた心をほっと和らげる、大切なリラックスタイムになります。立ちのぼる湯気と生姜の爽やかな香りが、あなたを優しい気持ちで包み込んでくれるでしょう。

なぜ?生姜湯がもたらす、うれしい効果とその科学的根拠

marucyan / PIXTA

主な3つの効果

生姜湯がもたらすうれしい効果は、主に以下の3つに分けられます。

1. 「温め効果」

生姜の最も代表的な効果です。生の生姜に多く含まれる辛味成分「ジンゲロール」は、手足の冷えを和らげることが報告されています。そして、このジンゲロールが加熱によって「ショウガオール」という成分に変化すると、辛味刺激(TRPV1作用)が強くなり、悪心の軽減や胃運動の賦活、温感の増加に寄与している可能性があります。

つまり、生姜は「加熱」することで、体の芯から温める力がさらにパワーアップするとも言えるのです。この作用により、冷え性はもちろん、血行不良が原因で起こる肩こりや腰痛を緩和する可能性も期待できます。

2. 胃腸の「消化サポート効果」

生姜の辛味成分(特に加熱で増えるショウガオール類)は、消化管の感覚神経を活性化し、結果として胃腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、胃排出や“温感”に影響することが知られています。これにより、食べ物の消化吸収がスムーズになり、食欲不振や胃もたれの改善に繋がることがあります。

さらに、乗り物酔いや二日酔い、つわりなどによる吐き気を抑制する効果も、古くから知られています。

3. 体を守る「免疫サポート効果」

「風邪をひいて熱があるときにむやみに熱を下げないほうがいい」という話を聞いたことはありませんか? 体を温め、血行を良くすることは、血液中の免疫細胞(白血球など)が体の隅々までパトロールしやすくなることに繋がり、免疫機能を正常に保つ上で非常に重要です。

風邪のひきはじめに生姜湯を飲むのは、体を温めて免疫細胞の働きを後押しするという、理にかなった先人の知恵なのです。

効果のメカニズム

生姜湯の働きは、辛味成分のジンゲロールや加熱で生じるショウガオール、芳香成分のシネオールなど複数の成分が相補的に関与すると考えられています。

これらは主に消化管機能への影響(胃の動きや悪心の軽減)や、軽度の抗炎症作用を通じて「温かく感じる」「胃が楽」といった体感につながることがあり、生姜湯は体調管理の一助として位置づけられると言えるでしょう。

リスク要因(飲む際の注意点)

生姜湯は多くの人にとって安全ですが、量や体質、併用薬によっては不都合が起きることがあります。抗凝固薬・抗血小板薬・糖尿病薬を内服中の方、胆石・逆流性食道炎のある方は、開始前に主治医とよくご相談ください。妊娠中は乾燥生姜換算で1g/日程度までを上限目安にし、体調に応じて中止を。

漢方の“証”で言えば:

  • 向く体質:冷えが強い、悪寒、胃内停水(ムカムカ・吐き気)、水様性鼻汁。
  • 控える体質:ほてりやすい・口渇・のぼせ(陰虚/内熱傾向)、活動後のほてりや寝汗が目立つ→症状増悪の可能性。

飲む前に確認!生姜湯を安全に楽しむための注意点

freeangle / PIXTA

飲むのを避けるべきタイミング

以下のような場合は、生姜湯を飲むのをお休みするか、医師に相談することをおすすめします。

  • 胃腸の調子が極端に悪い時:胃痛、胸やけ、胃酸過多の症状が強い時。
  • 高熱が出ている時:体を温める作用が、かえって体力を消耗させる可能性があります。
  • 手術を控えている時:血液を固まりにくくする作用があるため、手術の前後はお休みしましょう。
  • 妊娠中で体調に不安がある場合:基本的には安全とされていますが、ご自身の体調と相談し、心配な場合は産婦人科医に確認しましょう。

飲み方の流れ

1. 自分の体調を丁寧に観察する

まずは、今日の自分の体調を観察しましょう。「手足が特に冷たいな」「胃が重たい感じがする」など、体の小さな声に耳を傾け、その日の自分に合った飲み方を見つけることが大切です。

2. 生姜の「量」と「濃さ」を調整する

初めて試す方や、胃腸がデリケートな方は、少量から始めてみましょう。ティースプーン半分くらいのすりおろし生姜に、たっぷりのお湯を注ぐくらいから試してみて、ご自身の心地よい量を見つけていくのがおすすめです。

3. 最適な「飲むタイミング」を選ぶ

朝、活動を始める前に1杯飲んで体を温め、一日のスイッチを入れるのも良いですし、午後の休憩時間や、リラックスしたい夜に飲むのも効果的です。ご自身のライフスタイルや目的に合わせて取り入れてみてください。

準備するもの

  • 生姜(生のものが最もおすすめですが、チューブやパウダー、乾燥タイプでも可)
  • お湯(できれば一度沸騰させた白湯が望ましい)
  • お好みで、はちみつ、レモン、シナモン、葛粉など

相談すべき相手

持病がある方や、薬を服用中の方は、かかりつけの医師や薬剤師に一言相談すると安心です。「健康のために生姜湯を飲んでみたいのですが、私の体質や薬との飲み合わせは大丈夫でしょうか?」と気軽に尋ねてみましょう。

生姜湯の効果を最大化する飲み方と絶品アレンジレシピ

Nana / PIXTA

基本的な飲み方

生姜湯の効果を最大限に引き出すには、いくつかのポイントがあります。

1.「加熱」を意識する:体を芯から温める「ショウガオール」は、加熱によって増えます。生の生姜を使う場合は、お湯を注ぐだけでなく、少し煮出すとより効果的です。

具体的には

  • 生スライス5–10gを弱火で10分前後煮出す(蓋をして揮発成分を逃がさない)。
  • 香り主体(ジンゲロール等)を残したい場合は沸騰湯に入れて3–5分で火を止める。
  • 乾姜(乾燥生姜)を使うとショウガオール比率が上がるが、刺激性も増すため胃が弱い人は慎重に。

温かいうちに、ゆっくりと飲む:体を効率よく温めるため、温かいうちに、10分ほどかけてゆっくりと味わいましょう。

2.1日1〜2杯を目安に:何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。飲み過ぎは胃腸への負担になります。食品としての生姜は〜4g/日(乾燥換算)までが一般的な安全域とされます。生姜湯1杯あたりは通常1–2g前後が多く、1日に1〜2杯程度を目安に、継続することが大切です。

飽きずに続ける!絶品アレンジレシピ

毎日同じ味だと飽きてしまうことも。そんな時は、少しアレンジを加えてみましょう。

【定番】

はちみつ生姜湯:定番の組み合わせ。はちみつの優しい甘さが生姜の辛味を和らげ、抗酸化作用や抗炎症作用も持つと考えられ、喉の違和感を和らげる助けになることがあります(粘膜を潤すデムルセント効果)。なお1歳未満は蜂蜜禁止です。

【さっぱり】

レモン生姜湯:レモンの酸味でさっぱり。ビタミンCも摂取できますが加熱で減るため、粗熱を取ってからレモン汁を加えるのがおすすめ。

【まろやか】

ミルク生姜湯:牛乳や豆乳で割ると、チャイのようなまろやかな味わいに。シナモンパウダーを少し加えると、さらに温感効果と風味がアップします。大量のシナモンは肝負荷の懸念があるため少量に。

【とろとろ】

葛粉(片栗粉)生姜湯:葛粉や片栗粉でとろみをつけると、さらに冷めにくく、満腹感も得られます。体を温めながら小腹を満たしたい時にぴったりです。

【香ばし】

ほうじ茶生姜湯:いつものほうじ茶に、すりおろし生姜を少し加えるだけ。香ばしい香りと生姜の風味が意外なほどマッチし、食後の一杯にもおすすめです。

【栄養満点】

甘酒生姜湯:「飲む点滴」とも言われる甘酒との組み合わせは、栄養満点で体を温める最強コンビ。米麹から作られた、砂糖不使用の甘酒を選ぶのがポイントですが、それでも糖質量が多いため、糖尿病の方は量に注意が必要です。酒粕甘酒はアルコールを含む場合があるので、子ども・妊娠中は「麹甘酒」を選択。

生活習慣による管理

生姜湯を飲む習慣と合わせて、食生活や運動習慣を見直すことで、より効果を実感しやすくなります。バランスの取れた食事、ウォーキングなどの適度な運動、質の良い睡眠を心がけ、体全体の調子を整えていきましょう。

無理なく続ける!生姜湯を毎日の習慣にするためのヒント

buritora / PIXTA

習慣化の3つのコツ

  • 「いつ飲むか」を決める:朝起きたらすぐ、食後の一杯、寝る前のリラックスタイムなど、生活の中に「生姜湯タイム」を組み込んでしまうのがおすすめです。
  • 「手軽さ」を重視する:すりおろすのが面倒な日は、市販の生姜チューブやパウダー、乾燥生姜スライスなどを活用しましょう。「週末にジンジャーシロップを作り置きしておく」のもおすすめです。無理なく続けることが一番大切です。
  • 「楽しむ」工夫をする:お気に入りのカップを見つけたり、今日のアレンジを考えたりと、小さな楽しみを見つけることで、義務感なく続けることができます。

体からのサインを見逃さないで

生姜湯はあくまで健康補助的な飲み物です。もし、つらい冷えや体の不調が長期間続く場合や、症状が強い場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。甲状腺機能低下症や膠原病など、思わぬ病気が隠れている可能性もあります。

日常生活でできる「プラスワン温活」

  • 服装の調整:「首」「手首」「足首」の三首を冷やさないように、ストールやレッグウォーマーなどを活用しましょう。腹巻きも内臓を温めるのに効果的です。
  • 入浴の工夫:シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯(38〜40度)に15分ほどゆっくり浸かることで、体の芯から温まり、自律神経も整います。
  • 軽い運動:体温を作り出すのは筋肉です。エスカレーターを階段に変える、一駅手前で降りて歩くなど、日常生活の中で少しでも筋肉を動かす意識を持つことが、熱を生み出す体づくりの第一歩です。

よくある質問(FAQ)

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Q1: 生の生姜とチューブの生姜、効果に違いはありますか?

A: 生の生姜の方が、香りや「ジンゲロール」などの有効成分が豊かな傾向にあります。特に、加熱で増える「ショウガオール」を効率よく摂りたい場合は、生の生姜がおすすめです。ただ、チューブタイプでも体を温める効果が全くないわけではありません。

手軽に続けたいという場合は、チューブタイプを上手に活用するのも良い方法ですよ。

Q2: 飲むのに最適なタイミングはいつですか?

A: 目的によって異なります。冷え改善や一日の活動のスイッチを入れたい場合は「朝」がおすすめです。また、リラックスして心地よい眠りにつきたい場合は「夜、寝る1時間前くらい」が良いでしょう。ただし、利尿作用が気になる方は、夜寝る直前は避けた方が安心かもしれません。

Q3: 1日にどのくらい飲んでも良いですか?

A: 1日に1〜2杯程度を目安にするのがおすすめです。生姜は刺激のある食品なので、飲み過ぎると胃が荒れたり、腹痛を起こしたりすることがあります。特に胃腸が弱い方は、薄めのものから試してみてください。具体的には、生(スライス/すりおろし):5–10g/日を上限目安に(胃が弱い方は1–3gから)。

Q4: 妊娠中や授乳中に飲んでも大丈夫ですか?

A: 適量であれば、一般的には問題ないとされています。つわりの吐き気を和らげるために飲む方もいらっしゃいます。ただし、体質やその時の体調にもよりますので、過剰な摂取は避けましょう(妊娠中は乾燥生姜換算で1g/日程度までを上限目安)。心配な場合は、かかりつけの産婦人科医に相談してから飲むようにしてください。

Q5: 子どもに飲ませても良いですか?

A: 小さな子どもには、生姜の辛味や刺激が強すぎることがあります。はちみつを加える場合は、1歳未満の乳児には絶対に与えないでください(乳児ボツリヌス症のリスクがあるため)。小学生以上の子どもであれば、薄めに作って様子を見ながら少しずつ与えるのは良いでしょう。

Q6: ダイエットに効果があると聞きましたが、本当ですか?

A: 生姜湯を飲むだけで痩せる、という魔法のような効果はありません。しかし、生姜には食後の熱産生を軽度高める可能性があるため、食事制限・運動と組み合わせることで、ダイエットの補助的な役割として取り入れるのが良いでしょう。

Q7: 喉の痛みに効きますか?

A: 生姜には抗炎症作用が期待できるため、風邪のひきはじめの喉のイガイガ感を和らげてくれることがあります。はちみつを加えると、保湿効果も加わり、さらに喉に優しくなります。ただし、あくまで対症療法ですので、痛みが強い場合や長引く場合は、耳鼻咽喉科などを受診してください。

Q8: 夏に飲んでも良いのでしょうか?

A: はい、夏にこそおすすめです。夏は冷房や冷たい飲み物で、意外と体が内側から冷えています(内臓型冷え性)。温かい生姜湯を飲むことで、内臓から体を温め、夏バテの予防にも繋がります。

Q9: 市販の生姜湯と手作り、どちらが良いですか?

A: それぞれに良さがあります。手作りは、生姜の量や甘さを自分好みに調整できるのが魅力です。一方、市販のものは、お湯を注ぐだけで手軽に楽しめるのが利点です。葛湯タイプやさまざまなフレーバーのものもありますので、気分に合わせて使い分けるのも楽しいですね。

Q10: どんな生姜を選べば良いですか?

A: 新鮮で、皮にハリとツヤがあるものがおすすめです。ひね生姜(古い生姜)の方が、辛味成分が多く含まれています。カットされているものを買う場合は、切り口がみずみずしいものを選びましょう。

Q11: 生姜の皮はむいた方が良いですか?

A: 生姜の皮のすぐ下には、香りや栄養成分が豊富に含まれています。そのため、よく洗って、皮ごとすりおろしたり、スライスしたりして使うのがおすすめです。農薬などが気になる場合は、無農薬の生姜を選ぶとより安心です。

Q12: 作り置きはできますか?

A: はい、できます。「生姜のはちみつ漬け」や「ジンジャーシロップ」として作り置きしておくと、飲みたい時にすぐお湯で割って飲むことができて便利です。煮沸した清潔なスプーンを使用し清潔な瓶で保存し、1〜2週間を目安に使い切るようにしましょう。

Q13: 生姜湯を飲むと、体がポカポカするのはなぜですか?

A: 生姜に含まれる「ジンゲロール」と、特にそれを加熱することで生まれる「ショウガオール」という2つの成分が胃腸の壁を刺激して、体の中心から熱を作り出す感覚を助けてくれます。だから、表面だけでなく、体の芯から温まる感じがするのですね。

Q14: 冷え性以外の効果はありますか?

A: はい、ございます。代表的なものとしては、胃腸の働きを助ける「促進」の効果や、乗り物酔いや二日酔いなどの不快な「吐き気を抑える」効果が知られています。一部の状況、例えば妊娠悪阻や術後悪心などで生姜の有用性を示す臨床研究が複数あります。

Q15: 生姜アレルギーの症状はどのようなものですか?

A: 生姜でアレルギー反応を起こす方は稀ですが、もし体質に合わない場合、口の中や喉の違和感、じんましん、腹痛、下痢などの症状が出ることがあります。生姜湯を飲んで何か異常を感じた場合は、すぐに飲むのをやめて、症状が続くようであれば皮膚科やアレルギー科を受診してください。

Q16: 毎日飲むと、効果は薄れますか?

A: 薬のように「耐性」ができて効果が薄れる、ということは基本的にありませんのでご安心ください。むしろ、毎日続けることで、冷えにくい体質へと少しずつ変化していくことが期待できます。ただし、体調に合わせて量や濃さを調整することは大切です。

Q17: スポーツをする前に飲むと良いと聞きましたが、なぜですか?

A: 生姜には食後の熱産生を軽度高める可能性があります。運動の30分〜1時間前に飲むと、体が温まり、普段より汗をかきやすくなるなど、脂肪燃焼の効率アップが期待できるためです。ダイエット目的で運動をされている方には、特におすすめの習慣です。

Q18: 生姜湯に合う、他のおすすめのスパイスはありますか?

A: シナモンは特におすすめです。皮膚の毛細血管に対して血流増加や炎症・酸化ストレス改善が期待でき、生姜とも相まって温めパワーがアップします。その他、カルダモンやクローブなどのスパイスも、香りが豊かになり、気分転換にぴったりですよ。

Q19: 「朝活」に生姜湯を取り入れるメリットは何ですか?

A: 朝は一日の中で最も体温が低い時間帯です。そこで温かい生姜湯を飲むことで、効率よく体温と代謝を上げ、一日を元気にスタートさせることができます。また、胃腸の働きも優しく目覚めさせてくれるので、朝食をおいしくいただく準備にもなります。

Q20: 夜に飲むと眠れなくなると聞いたのですが、本当ですか?

A: 生姜には交感神経を刺激する作用があるため、感受性の高い方の中には、目が覚めてしまうと感じる方もいらっしゃるかもしれません。もし寝る前に飲んで寝つきが悪いと感じるようでしたら、飲む時間を就寝の1〜2時間前に早めてみたり、リラックス効果のあるはちみつを多めに入れてみたりするなどの工夫をお試しください。

まとめ

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大切なポイント

  • 生姜湯は体をポカポカにし、50代・60代女性の冷えや消化の悩みに寄り添う伝統的な飲み物です。
  • 1日1〜2杯を目安に、胃腸への負担を考えながら、自分の体調に合わせて続けることが大切です。
  • はちみつ、葛粉、シナモンなど、さまざまなアレンジを楽しみながら、自分好みの味を見つけるのが長続きのコツです。
  • つらい不調が続く場合は、生姜湯だけに頼らず、必ずかかりつけ医など医療機関に相談してください。

今日一日、あなたが少しでも心地よく、健やかに過ごせること。そのための小さな、でも確かな工夫の一つとして、生姜湯を試してみてはいかがでしょうか。

健康に関するご相談は最寄りのかかりつけ医へ
この記事の健康情報は一般的な内容です。ご自身の症状や体調について心配なことがある場合は、必ずかかりつけ医にご相談ください。

適切な診断・治療には専門医による個別の判断が不可欠です。自己判断せず、まずは信頼できる医師にお話しすることをおすすめします。

かかりつけ医について詳しく知る(厚生労働省)

 


監修者プロフィール:林裕章先生

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域を支えている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。

日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定スポーツ医

HALMEK up編集部
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