今摂っているのは脳によい油?悪い油?
脳の健康度セルフチェック!普段使う油と油の摂り方でわかります
脳の健康度セルフチェック!普段使う油と油の摂り方でわかります
更新日:2025年08月21日
公開日:2025年08月14日
50代、認知症はまだまだ先のことと思っていませんか? 15~20年かけて進行するため予防することが大切です。国際予防医学協会認定アドバイザーと脳神経内科医監修のもと、日々の食事や油の種類など手軽にできる見直しポイントをご紹介します。
教えてくれるのは、根本千代子(ねもと・ちよこ)さん
オリーブソムリエ/国際予防医学協会認定アドバイザー。広告代理店に勤務後、独立。多くの企業とともに、食と油、そして予防医学の知見を融合させたメニュー開発に関わり、そのレシピ数は2000件を超える。最新著に『脳のオイル交換: 油を変えるだけで認知症を防ぐ!』(Gakken刊)
【医学監修者】塚本 浩(つかもと・ひろし)さん
脳神経内科医/けんせいクリニック院長。日本神経学会神経内科専門医・指導医/日本リハビリテーション医学会専門医/日本脳卒中学会認定脳卒中専門医/日本内科学会総合内科専門医/日本スポーツ協会公認スポーツドクター。大学病院で脳神経疾患の専門診療に携わりながら、地域のかかりつけ医として、患者に寄り添った診察・治療に務める。
※本記事は、根本さん著・塚本さん監修の書籍『脳のオイル交換: 油を変えるだけで認知症を防ぐ!』より一部抜粋して構成しています。
脳を構成する主な成分は何?知っておきたい脳の仕組み
さて、ここでクイズです。
私たちの脳に含まれる次の3つのなかで、もっとも多くを占めているのはどの成分でしょうか?
・たんぱく質
・脂質(あぶら)
・ミネラル
答えは、脂質(あぶら)です。
人間の脳は水分を除くと、なんと6割以上が脂質で占められているのです! そして残りの約4割に、たんぱく質など、さまざまな成分が含まれています。
ほとんどの臓器の主成分は、脳とは違い、たんぱく質です。6割以上も脂質が含まれている臓器は、ほかにありません。つまり、脳は特異な臓器なのです。
例えば、肝臓の脂質の占める割合は5%未満といわれていますし、心臓も同じで、組織の中に必要最低限の脂質は含まれていますが、それはごくわずか。6割以上も脂質が占めていたら一大事! 肝硬変や心筋梗塞などの重い病気になってしまいます。筋肉も、脂質で霜降りの状態になってしまえば力を発揮することができません。
つまり、人間の体の組織のほとんどは、6割もの脂質を含んでいたら正常に機能することができなくなってしまうのです。
あなたの脳が“悪い脂質”で出来ていたら…今すぐ始めたい改善法
さて、よい脂質でできている脳と、悪い脂質でできている脳、どちらの脳が健康な状態だと思いますか? 答えは、よい脂質で満たされた脳です。これは考えるまでもないですよね。
ここで、「私の脳はどちらだろう?」と、不安になった人もいるかもしれません。しかし、たとえ今、あなたの脳が悪い脂質でいっぱいだったとしても、不安になる必要はありません。悪い脂質をよい脂質に変える方法は、意外なほど簡単だからです。
その方法とは、毎日の食事で質のよい油=脳によい油を摂ること。これは脳に限ったことではありませんが、体の中にある脂質の材料のほとんどが食事から摂る油だからです。
よい油を摂り続けることで徐々に「脳のオイル交換」が進み、脳の脂質の質が高まっていきます。その結果、脳が元気に働いてくれるようになり、健康な状態へと近づきます。
何歳からでも脳は変われる!?「脳のオイル交換」とは
クルマ(自動車)のオイル交換をイメージしてください。
質の悪い油は潤滑油としての機能をしっかり果たすことができず、クルマの寿命を縮めてしまう恐れもあります。逆に、質のよい油を使えば、何十万kmも、何十年も快調に動き続けることができます。脳も同じです。
脳のオイル交換とは「食事から摂る油」を脳によい油にすることです。
脳に悪い油を摂ると、脳の脂質は劣化してしまいます。逆に、脳によい油を摂れば脳の脂質は劣化せず、元気に働き続けることができます。
ですから、今まで脳に悪い油を摂っていたとしても、これから脳によい油を摂れば、劣化して元気を失った脳の細胞は、元気な新しい細胞へと入れ替わっていきます。
食事から摂る油の種類を見直し、脳の健康維持を意識することは、日々の生活習慣の中で取り入れることができます。脳は年齢を重ねても成長や変化の可能性があり、何歳からでも健康的な生活を心がけることが大切です。
摂っている油はよい?悪い?油でわかる「脳の健康リスクチェック」
みなさんは日頃、どんな油の摂り方、扱い方をしていますか? 間違った油との付き合い方をしていないか、次の15項目をチェックしてみましょう。
□朝食は「食パンにマーガリン」が定番だ
□サラダには市販のドレッシングやマヨネーズが欠かせない
□魚より肉をよく食べる
□肉はバラ肉や霜降り肉など脂身の多いものを好んで食べる
□野菜、きのこ類、ナッツ類をあまり食べない
□インスタント食品や加工肉を食べることが多い
□スナック菓子や菓子パン、洋菓子が大好き
□スーパーやコンビニで揚げ物を買うことが多い
□揚げ物を温め直したり、翌日までとっておいたりすることが多い
□食品の成分表示を見ずに購入することが多い
□油を買うときは「大容量で安い」ことを重視する
□油の賞味期限を気にしたことがない
□油を調理法によって使い分けしない
□揚げ油は濾して何度も使っている
□油を日の当たる場所やコンロの近くに保管している
何個当てはまりましたか?
<0個>
今のところ油とうまく付き合えています。バランスのよい食事を心がけ、これからもチェックが入らないような油との付き合い方を続けてください。脳によい油を毎日の食事に取り入れていただければ、なおよしです!
<1~5個>
あなたが毎日の食事から摂っている油は、脳に悪い油のほうが若干多い可能性があります。まずは、脳によい油への「置き換え」を実践してください。続けるうちに、少しずつ脳によい油の摂取割合が大きくなっていくはずです。
<6~10個>
今の油との付き合い方には問題点が多いと考えられます。商品の成分表示を確認することを習慣づけて、悪い油が入っていないものを選ぶ、今使っている油を脳によい油に置き換えるなどの工夫をしてみてください。
<11~15個>
脳に悪い油を摂りやすい生活を送っている可能性が高いです。油の質を意識して買い物をするなど、できるところからで構いませんので、チェックを入れた項目を改善するために脳のオイル交換に取り組みましょう。
次回の記事では、脳を危険にさらす「悪い油」と4つの「よい油」を紹介していきます。
※本記事は、書籍『脳のオイル交換: 油を変えるだけで認知症を防ぐ!』より一部抜粋して構成しています。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
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■「脳を元気にして認知症を防ぐ!脳のオイル交換」をもっと読む■
#1:摂っている油で見直す脳の健康チェック
#2:脳の健康維持のための「悪い油」と4つの「よい油」
#3:脳の健康維持に役立つ油のとり方と食習慣のコツ
もっと詳しく知りたい人は、根本さんの書籍をチェック!
人間の脳は、水分を除けば6割以上が脂質でできています。脳によい油の種類と選び方、効果的な摂り方、簡単においしく作れるレシピまで、「脳のオイル交換」を手軽に実践できる方法を紹介します。




