今こそ知りたい50代からのデリケートゾーンの話#1
教えて先生!閉経後に腟はどう変化する?乾燥に注意
教えて先生!閉経後に腟はどう変化する?乾燥に注意
更新日:2025年12月24日
公開日:2023年10月05日
産婦人科医・石山尚子さんのプロフィール

いしやま・なおこ。日本産婦人科学会専門医。富山大学附属病院および関連病院勤務を経て2007年より女性医師・スタッフによる女性のためのクリニック、対馬ルリ子 女性ライフクリニック 銀座に勤務。21年より院長に。
更年期以降、腟やデリケートゾーンはどう変わるの?

歩いているだけでむずむずする、自転車に乗っていて痛い、尿漏れしてしまうといったデリケートゾーンの悩み。誰に何をどう相談していいかわからないという方が多いのではないでしょうか。
女性は、50代の閉経を迎えるあたりになってくると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌がだんだんと少なくなってきます。エストロゲンには、皮膚だけでなく、粘膜のみずみずしさを保つ力があり、腟をしっとりぬるぬるに保ち、いいおりものを分泌して腟を保護します。
しかし、閉経後はその機能が衰えてくるために、腟内部やデリケートゾーンが乾燥してきます。それに伴い、腟が縮んでのびが悪くなったり、ぱさぱさになってきます。
また、骨盤底筋の筋肉も弱くなります。いわゆる顔の肌と同じですね。皮膚に弾力がなくなり、たるむ、ゆるむ。最近よく聞かれるようになった「GSM」(閉経後泌尿生殖器症候群)の症状は、女性ホルモン分泌低下による乾燥が主な原因と考えられています。ちなみに、GSMの症状としては大きく分けて3つあります。
GSMの特徴的な症状
- 陰部トラブル
乾燥感、かゆみ、ヒリヒリ感、疼痛、におい - 尿トラブル
尿漏れ、頻尿、再発性膀胱炎、骨盤底筋のゆるみ - 性交トラブル
性交痛、出血
具体的な悩みについては連載・第4回からお答えしていきますが、上記のような悩みがあれば「GSM」かもしれません。対処法としては第一に女性ホルモンを補充する方法(HRT)があります。それができない場合は個々のトラブルに応じて治療法やアイテムなどがあるので、少しでも気になったら婦人科へ相談してください。
デリケートゾーンの間違ったケアに注意

女性ホルモンの分泌量の低下は、誰にでも起こるものです。そして、閉経後は、何かしらの方法で再び自然に分泌させることは不可能です。その影響で腟やデリケートゾーン、泌尿器系にさまざまなトラブルが出てきますが、トラブルに気付かないくらい軽い人がいるかと思えば、出血したり臓器脱になったりとひどい状態の方もいます。
私のクリニックにも閉経後のデリケートゾーンの変化を知らず、「痛いんです、かゆいんです」と診察に来る方がたくさんいらっしゃいます。患者さんの中には、ニオイやかゆみなどが気になるからといって、デリケートゾーンをごしごしと拭いたり、洗ったりしている方がいます。実はそれは逆効果。毎日の正しい洗浄と保湿を知っていただくことが、まず必要です。
自分のデリケートゾーンの状態を知っておこう
そもそも自分の腟やデリケートゾーンがどういう状態になっているのか、知らない人は多いのではないでしょうか。ぜひ、自分で触ったり鏡で見たりしてみましょう。1日1回でかまいません。あわせて毎日セルフケアをしていると、ちょっとした変化にも気付くけます。自分の大切な体のことです。恥ずかしがらずに、やってみてほしいです。
洗浄
そして、正しい洗浄方法について知りましょう。腟やデリケートゾーンは弱酸性ですから、専用の洗浄剤で洗います。特にひだ部分には汚れがたまりがち。ニオイの元にもなるので、手指でやさしく丁寧に洗ってください。ただし、腟内まで洗う必要はありません。細菌の侵入を防ぐために腟内にいる乳酸菌を洗い流してしまうと自浄作用が弱くなり、トラブルが悪化したり炎症を引き起こすこともあります。
保湿
洗浄した後はすぐに保湿します。これもスキンケアと同じですね。最近は洗浄剤同様にいろいろなタイプの保湿アイテムが揃っているので、試してみて好きなものを選んでみてはいかがでしょうか。洗浄と同じように手指でやさしく、デリケートゾーンにオイルやクリームを塗るだけで十分。また、保湿すると同時に軽くマッサージをして血流をよくするといいでしょう。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。
■もっと知りたい■





