50代からは「しっかり食べて痩せる」生活習慣病リスクも下げる5つの食習慣

公開日:2025年03月23日

50代からは「しっかり食べて痩せる」生活習慣病リスクも下げる5つの食習慣

“痩せにくくなる時期”の入り口といわれる50代。これからの食生活に必要なのは、カロリー制限よりも、必要な栄養を取って食事の質を上げること。更年期太りの悩みを解決する「しっかり食べて痩せる」3回シリーズ、第1回は食習慣のポイントを紹介します。

教えてくれたのは…道江美貴子(みちえ・みきこ)さん 

教えてくれたのは…道江美貴子(みちえ・みきこ)さん 

累計会員数1100万人超え(2024年9月時点)のAI食事管理アプリ『あすけん』管理栄養士。女子栄養大学卒業後、大手フードサービス企業に入社。100社以上の健康アドバイザーを務めた後、株式会社askenに参画。現在は取締役としてあすけん事業統括責任者を務める。イベント・講演会・メディアへの出演経験多数。

50代から痩せにくい理由

50代から痩せにくい理由
zak / PIXTA

なんだか最近太ってきた気がする……、若い頃よりも、増えてしまった体重が戻りにくくなった……。

「その原因は、食事のカロリーを消費する『基礎代謝』の低下にあります。人間の基礎代謝は男女ともに10代半ばがピークと言われ、その後は年々下がっていきます」

そう話すのは、国内No.1(※) のAI食事管理アプリ『あすけん』を運営する株式会社asken取締役で管理栄養士の道江美貴子さん。
 
※:日本国内App StoreとGoogle Playストア合算の「ヘルスケア(健康)/フィットネス」カテゴリにおける、2021年~2024年のダウンロード数および収益(2025年1月、data.ai調べ)

「50代女性の場合は、更年期によるホルモンバランスの変化も、痩せにくくなる原因の一つです。筋肉を保つ作用があると言われているホルモン“エストロゲン”の減少にともない、筋肉量が減ってしまいます。

筋肉量が減っていくほど基礎代謝は低下し、カロリー(エネルギー)を消費しにくい体になります。消費されなかったカロリーは、脂肪として蓄積され、体重増加の原因に。若い頃と同じ量の食事でも太ってしまうのはこのためです。

健康や年齢に適した体重を維持するためにも、この現実としっかり向き合い、これまでの食生活を見直していきましょう」(道江さん)

「しっかり食べて痩せる」食習慣 ポイント5つ

ポイント1:50代からは「カロリー」よりも「質」を重視!

ポイント1:50代からは「カロリー」よりも「質」を重視!
bluet / PIXTA

「だったら、食事を抜けばいい」と思う方もいるかもしれません。しかし、カロリーを気にし過ぎて大事な栄養素を取らない日々が続くと、体が疲れやすくなって動くことが億劫に。体を動かさないと、さらに代謝が落ち、ますます痩せにくい状態になってしまいます。

「50代からの食生活に必要なのは、カロリー制限よりも、必要な栄養を取って食事の質を上げること!」と道江さん。日々の中で食べ方を工夫し、栄養バランスの整った食事を摂れば、おのずと体はすっきりしていきます。

まずは、1日に食べているものを記録してみるのがいいそう。日頃の食事を可視化し、取り過ぎている栄養、足りていない栄養を把握しておくと、食生活の見直しに役立ちます。

ポイント2:足りない栄養素を含む食品をプラスする

ポイント2:足りない栄養素を含む食品をプラスする
Fast&Slow / PIXTA

「最初は、いつもの献立に足りない栄養素を含む食品を『一品増やす』『置き換える』ぐらいの気軽さで始めてみてください」(道江さん)

起き抜けに食欲がわかない場合は、「バナナだけでも食べてみる」「温めた豆乳でカフェオレをつくって飲んでみる」だけもOKなのだとか。

油の取り方も工夫していきましょう。一般的に、脂質の取り過ぎは体重の増加や、血中コレステロール値の上昇を招きやすいとされています。

そこで、油を質のいいものに変えると、血中コレステロールを上げる原因である飽和脂肪酸を減らし、動脈硬化などの生活習慣病リスクを低減することができます。

ポイント3:朝食に低GI食品を食べる

ポイント3:朝食に低GI食品を食べる
taa / PIXTA

GI(GlycemicIndex)とは、食後血糖値の上昇を示す指標のこと。GIが高いほど、血糖値が急激に上昇します。これにより血糖値の乱高下が続くと、肥満やメンタルの不安定感などを招くとされています。

朝食に低GI食品を取ると、昼食後の血糖値が上昇しにくくなることもわかってきました。食後の眠気や集中力の低下を防ぐので、仕事のパフォーマンス向上にも役立ちます。

低GI食品の特徴は、主食であれば「茶色いもの」(玄米など)。朝食なら、オートミールやオールブラン(小麦ふすま)が取り入れやすいでしょう。調理の手間がかからない上、GIを下げる効果がある食物繊維が豊富。ビタミンが含まれるフルーツや、カルシウムが取れるヨーグルトと合わせるのもおすすめです。

ポイント3:朝食に低GI食品を食べる

ポイント4:一つの食べ物だけで栄養を取ろうとしない 

ポイント4:一つの食べ物だけで栄養を取ろうとしない
IYO / PIXTA

「例えば、たんぱく質が不足しているから、毎日チキンソテーを食べるなどの極端な方法はNGです」と道江さんは言います。

なぜなら、たんぱく質が豊富な食品にも肉、魚などの動物性食品と、大豆を中心とした植物性食品があるからです。動物性食品の中でも、肉に偏ると脂質が多くなりがちです。

また、たんぱく質を効率よく使っていくためには、ビタミンB群や亜鉛、マグネシウムといった、さまざまな栄養素が必要です。
「おすすめは、主食、魚や肉、卵、大豆製品の主菜、野菜などの副菜が揃う定食スタイルの食事を意識すること。普段から動物性と植物性の食品を組み合わせたり、食品数を増やしたりして、必要な栄養をバランスよく取るように心掛けましょう」(道江さん)

ポイント5:食べる時間を意識する

ポイント5:食べる時間を意識する
kou / PIXTA

人の体には「体内時計」というメカニズムが存在します。この体内時計が乱れると、体重増加のリスクが高まるので、朝日を浴びたり朝食を取るなどして、毎日リセットすることを心掛けましょう。

また、「脂肪の合成を促す作用がある“BMAL1(ビーマルワン)”という時計遺伝子の働きに合わせて、食事の時間と量を調整するのも、食べ痩せを叶える秘訣です」と道江さん。

BMAL1は脂肪細胞の中にあり、脂肪の合成を促す作用があります。6時~22時の間は活動が少なく、22時~午前2時の間は増えるので、この変動に合わせて1日3食(+間食)の食事量を調整するのです。

下記のポイントを参考に、できることから始めてみましょう。

【理想的な1日の食生活】
・「起床後1時間以内」に朝食を取る(コーヒー1杯だけでもOK)
・間食はBMAL1の働きが1日の中で最も弱まる「14~15時」に食べる
・BMAL1の活動が増える、「22時以降」の食事は極力控える
・睡眠の質を下げないよう、夕食は「就寝2~3時間前」までに済ませる
・食事の量は、「朝:3、昼:3、間食:1、夜:3」ぐらいの割合がベスト

 次回は、太りやすい“あるある悩み”にQ&A形式で答えます。
 
※本記事は、書籍『あすけん公式 50代からの食べやせ術』(扶桑社刊)より一部抜粋・編集して構成しています。


書籍『あすけん公式 50代からの食べやせ術』(扶桑社刊)

書籍『あすけん公式 50代からの食べやせ術』(扶桑社刊)

 累計会員数1100万人超の国内No.1(※)・AI食事管理アプリ『あすけん』が、体型の変化が気になる50代は具体的にどんなものをどう意識して食べるといいのかを詳しく解説。コンビニ食材でつくれる簡単レシピも掲載!
 
※日本国内App StoreとGoogle Playストア合算の「ヘルスケア(健康)/フィットネス」カテゴリにおける、2021年~2024年のダウンロード数および収益(2025年1月、data.ai調べ)

HALMEK up編集部
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